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幕間
刹那、静寂な森に一筋の光が降り注いだ。
その光は『魔物の守護者』の訪れを世界中に響かせるものだった。
人々は何時もと何ら変わらぬ日々を送っていたが、気付いた者は確かにいた。
あるところでは、汚れなき翼を持つ白梟が。
あるところでは、途方も無い時を生きた竜が。
またあるところでは、無数のエゴに翻弄されし少女が。
そして、残虐非道な『魔王』と呼ばれる存在ですらも、
その光の方向へ無意識に視線を向けたのだ。
……あの方が帰ってきた。
ーー止まった筈の時計は、再び時を刻み始める。