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魔物の守護者 〜もふもふハーレムの同士達~  作者: 流土
一章 ブラットウルフ編
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二十六日目 午後九時

 元々、私は出店に行きたかったのだ。

美味しいものがたべたかったのだ。


 だが、私は一銭も持っていないことに気付き、出店の料理を買うお金を手に入れるためギルドに登録しに行った。

これはわかる。


 そして、お金がある程度手に入ったので、二階の居酒屋に食べに行った。

 本来は出店に行くはずだったが、食堂という名の居酒屋も気になり、二階に上がったのだ。

これもわかる。



 漸く、漸く私が注文しようとした時に、タイミングの悪く酔っ払いに絡まれた。

 酔っ払いの「弱い」発言にハルは突然の宣戦布告を叩きつけた。


 酔っ払いはそれを受け取ってしまった。







 そして今、戦いのゴングが鳴った。





……どうしてこうなった。




「ーー始めッ!」


 開始の合図とともに、両者の腕に力が入る。


 お互い鋭い眼光を光らせながら、一寸の油断も気の緩みも命取りだとばかりの気迫を漂わせていた。

 相手の拳を握りつぶさんばかりに、ぎちぎちと音を立てる両者の腕。


 ほぼ互いの力関係は均衡を保っているかと思われたが、僅かにハルの息が上がってきていた。


「……ッ!……やるじゃねーか!」


「そりゃ……どーも!」


 その言葉から更にハルとガルドは力を入れ始める。

 徐々にテーブルが軋み始めた。どんだけ馬鹿力なんだ……。


「すげぇなあの子、あのガルドとマトモにやり合ってやがる……!」

「頑張れー!」

「……どうなってんだ……」


 ハルが早々に負けると予想していたギャラリーの一部は唖然とその様子を見ていた。


 予想外の展開に盛り上がるギャラリー達。



 そして遂に、その時はやってきた。










 ガァンと一際大きな音を立ててテーブルが真っ二つにへし折れた。





「…………え?」




 間抜けな私の声が、無音の空間に響いた。





***



 テーブルを真っ二つに割ってしまったことにより、試合は続行不可能となった。


 ハルとガルドの二人は、店の人にテーブル代を弁償することになってしまった。



「……弱いっつって悪かったな」


 帰り際にガルドはぼそりと呟いた。


 ハルは苦笑いしながら「もう良いわよ」と呆れた顔で言っていた。


 なんと言うか、豪快な、それでいてさっぱりとしている二人だった。

 冒険者って皆こうなのだろうか。





 試合後に私とウォンとルーは、居酒屋でたらふく頼んで食べた。美味しかった。


 特に揚げ物詰め合わせが最高に美味しかった。




ジャパニーズ TENPURA!




***



「今日は色々あったわねぇ……」


 宿屋を探して夜道を歩いていると、ハルが隣でそう呟いた。明日は出店を回って森と言う名の我が家に帰る予定だ。折角だしな。


 暗くなった街には街頭が無く、辺りは随分暗い。

だが、森に比べれば店や家から微かに漏れる明かりがある分明るいと言えた。


 そんな夜道を歩く私の腕の中で、お腹が膨れた二匹は眠りについていた。


「……そうだな」


 今迄で一番長く感じられた一日だったかもしれない。くすくすとハルが隣で笑っていた。

……思い出し笑いだろうか。


「……もうそろそろ宿に着くわ……彼処よ」


 ハルは笑いを抑えながら、指を指す。

 そこには、窓から明かりが漏れる宿屋が一軒建っていた。


 私達はそこで一晩泊まることになった。その宿屋は気前のいいおばさんが一人で経営しているらしい。

 ハルは何度か泊まったことがあるらしく、親しそうに会話していた。







 その宿屋のふかふかのベッドは、本当に最高だった。



 ベッドは文明の利器だと言うことを私はしみじみと思い知った。藁のベッドからグレードアップしたい……。


『ライラック』


所持金 一万五千二百リペア→一万五千リペア


食事代 二百リペア



*一リペア=一円としていましたが、一リペア=十円に変更しました。



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