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魔物の守護者 〜もふもふハーレムの同士達~  作者: 流土
一章 ブラットウルフ編
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二十六日目 午前

*軽い女装があります。

 もし次、魔力不足に陥った時にでも大丈夫なように魔草を魔法袋の中に入れていた。

 だが、次の日魔法袋を見ると中には魔草ではなく、「魔草の種」が入っていた。


……直接取りに行け、ってことか。


 後々よく調べると、魔草は外部から魔力に干渉されると種になってしまうと書いてあった。焦っていたから見落としてしまっていたらしい。




 私は六日経って、完全復活した元気一杯のルーを抱き上げる。中型犬、大体柴犬ぐらいの大きさになったルーは抱き抱えるには少々重い。


 そう遠くない内に、抱き上げられなくなるのだと思うと少し切なくなった。それと同時に嬉しくもある。


大きくなったなぁ……。




 ルーが急成長していることで、ウォンは焦っているらしい。先に生まれたということもあり、ルーに対して歳上の威厳を保ちたいらしいが、最近危ぶまれつつあるからだ。


 甘えてきたルーにウォンが押し潰されているのを良く見る。


……大きさがなあ……。


 種族の差はどうしようもない。私はハルが来るまで、ウォンとルーをブラッシングしていた。



***


 それは突然起きた。


 風を切るような音が聞こえたかと、思うと次の瞬間にハルが目の前に立っていたのだ。



「約束通り間に合わせたわよ!」


 転移石らしきものを掲げるハルの眼の下には隈があった。転移石の作成にかなり無理をしたのだろう。


 だが、その顔に浮かぶのは満面の笑み。


 褒めて褒めてと言わんばかりの真っ白で明るい笑顔だ。私は思わずハルに犬耳を幻視した。


「凄く頑張ったんだな、ハル」


 微笑ましくなり、つい頭を撫でる。次の瞬間、ハルの顔が真っ赤になって俯く。


……はっ、いかんいかん。

 ウォンやルーに対する調子でやってしまった。相手は年頃の少女なのだ。



「……こ、こんなの朝飯前よ! ……それより変装させなきゃね!」


 ハルが慌てた様子で、ウォンとルーに魔法を掛けていく。光が収まるとウォンはハムスターに、ルーは普通の犬に変わっていた。お、おお……!

 何度見ても魔法は凄いな。


 ウォンとルーは何が起こったかわかっていないのか、きょとんとした顔をしている。


 ハルは満足そうに二匹を見ると、私の方を向いた。


「次はライラックよ!」


 ハルの目が、獲物を仕留めるハンターの様に鋭く輝いた。


な、何だ……?



***




「似合ってる! 似合ってるわ!」


 やっぱりアタシの見立ては間違ってなかったわ!と喜ぶハル。対する私は今にも膝が崩れ落ちそうだった。


……その、……羞恥で。



 事の発端は五分前に遡る。

 ウォンとルーに魔法を掛け終えたハルは

「その格好で街に行ったら目立つわよ。ここらでは見ない服のようだし……」

と神妙な顔で私に言った。


……成る程、それもそうだな、と私が頷いている内にハルは一瞬で私の服を剥ぎ、別の服を着せた。正直早業過ぎて見えなかった。


 唖然とする私に胸を張りながら、ハルは「こういうの、得意なのよ。……アタシ。」と憂いのあるドヤ顔という珍妙な顔芸をして見せた。

 威張れない、全くもって威張れないぞ。



 そんなハルが私に目視出来ないほどの早業で着せたのは、白いワンピースだった。


そう、ワンピースだったのだ。



いやいやいや、男だから!

 私はハルにそう募ったのだが、ハルは良い笑顔で親指を立てるだけだった。取りつく島もない。



「いやー、転移石にお金かけ過ぎちゃって金欠なのよ。アタシのお古を改造したやつしかなくてごめんね!」


 流石にズボンまでは作れなかったわ!と罪悪感皆無の顔で朗らかに笑うハル。


事情はわかったけど、わかったけど……!



……納得出来るわけがないッ!!




 私はとうとう、その場に崩れ落ちた。





 なけなしのプライドが粉々になる幻聴が聞こえた。


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