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魔物の守護者 〜もふもふハーレムの同士達~  作者: 流土
一章 ブラットウルフ編
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二日目

 翌朝、私は鳴き声で目が覚めた。瞼を開けると、そこには私の腹の上でキューキューと大合唱する二匹がいた。お腹が空いたのだろう。


 私は起きて早々、只管無心で石臼を引く作業に入ることとなった。


 あっという間に一時間程経ってしまったが、昨日より随分早く、魔石を粉にする事が出来た。


 正確な時間が分からないので、時計代わりの太陽を見ながら、私はウォンとブラットウルフの子に朝御飯を食べさせる。


「…そう言えば、此奴の名前も決めないとな。」


 昨日よりは随分元気そうなブラットウルフの子の頭を軽く撫ぜる。ウォンはそれを見て、私に突進してきた。

 勿論ウォンもよしよしする。途中でごろんと腹を見せたので、暫く無心でわしゃわしゃ撫でた。幸せだった。



「名前かあ……」


 前にウォンに名前候補を全力拒否されたこともあり、ネーミングセンスに自信がないのだ。


シンプルだ。


シンプルに行こう。


 確か、フランス語で狼の意味を『ルー』と発音した筈だ。手元に翻訳機が無いため、自信がないが…。


 便利アイテム、魔法書は異世界については膨大な情報量を誇るが、元の世界についての情報は無いに等しい。

 そこは異世界の本だし、仕方ないか。


「……ルー」


 名前を呼びながらブラットウルフことルーを抱き抱える。ウォンは何時の間にか私の肩にいた。早技だな。


 今日はルーの為にリンカ草を取りに行くつもりである。ついでに私が食べられるものも。このままだと毎日朝昼晩、干し肉になる。肉質もそうだが、恐らく血抜きが不十分なのだろう。これは辛い。


 因みに、魔法袋の中には、魔物育成グッズは山ほど入っているが、人用はびっくりする程ないのだ。

 恐らくこの干し肉も、ブラットウルフや他の肉食魔物の非常用食料なのだろう。


 自身の朝御飯に、ゴム並みに硬い干し肉を齧りながら、一刻も早い食料改善を望んでいた。


 勿論リンカ草も取りに行くつもりである。それは勿論。ルーに苦し紛れの言い訳をしながら、ゴムをを飲み込んだ。


うん、不味い。



***


 リンカ草を探して私は再び、あの森に来ていた。


 鬱蒼と茂る森は、あの時と何も変わらない。違うのはフードではなく手提げ籠の中に、ウォンとルーの二匹がいる事だろう。

 ウォナバットは成長が早いのでフードの中でも問題は無いだろうが、見るからに産まれたての、目も開いていないルーはそういう訳にはいかない。


 ルーは目が開いていないのによく動く。可愛いのだが、見ていてひやひやするのだ。


「キュキュ?」


 籠の中から顔を出したウォンが鳴く。ルーだけでなく、ウォンも大概危なっかしいのだが。


「クゥ?」

「キュ!」


 二匹が籠の中で顔を付き合わせて、まるで会話するようにキュキュクゥクゥ鳴いている声を聞きながら、リンカ草を探していた。

 腰近くまである草木を掻き分けながらの作業故に体がむず痒い。


そういや暫く風呂も入ってないな…。

…しかも高熱出した後で全身汗をかいてるのに。衛生的に不味いな。




 川があったら、ウォンとルーを洗うついでに体を流そう。そう静かに決意した。



***


 結局、川は魔法書の地図曰く、リンカ草の生えている地域とは正反対に位置するらしく、今日中には行けそうになかった。誠に残念でならない。


 その代わり、日が暮れるより前にリンカ草を見つける事が出来た。


 リンカ草は鈴蘭とよく似た植物であった。


 それが辺り一面咲き誇っているのだから、その美しさは言うまでもない。この景色を月夜の下で見れれば、より一層美しくなるのだろう。

 とは言え、夜中にこの森に入れるほど私は命知らずになれないが。


 リンカ草を魔法袋に数十束入れると、私はそこを後にした。ウォンとルー達がリンカ草に興味を示していたので、一輪だけ籠に入れておいた。



 その日、ルーに飲ませる真っ赤な魔石水はリンカ草の白が混じってピンク色になっていた。


…中々凄い色合いになってしまったが、ルーは美味しそうに飲んでいるので大丈夫なのだろう。


一応ひと舐めしてみたが…その、物凄く渋かった。舌にまだ残っている。



 舐めた後に思い出したのだが、私が食べるものを探すのを忘れていた。今夜の御飯も、私は干し肉と言う名のゴムである。


ああ、白米が食べたい。


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