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プロローグ~旅立ちの日に~
聖エドワード歴×××年ーーー
世界は闇に包まれた。
人々は闇に恐れおののき、逃げ場のない現状に絶望した。
そんな中、王によって一人の青年が旅立ちを命じられた。
彼は予言によって定められた、勇者だったーーーー
「勇者よ、旅立ちの時が来た。世界は闇に包まれ、破滅に向かっておる。これぞ、噂に聞く魔王の仕業に他ならん。
勇者よ、経験を積み、魔王を倒して参れ!」
威風堂々とした荘厳な玉座の間。
かしづく青年は若く、まだ少年の面影を残している。
それでもそのアクアマリンの瞳に宿るその鋭い眼光は、彼の強い意志を表しているかのようだった。
「はい!!必ずや、魔王を打ち倒し、平和を取り戻して見せます!!」
力強いその答えに、王もその側に控える王子も安心したように笑みを見せる。
そう、たった今、人間たちの希望が旅立つのだ。
「頑張れよ!」「信じておりますぞ、勇者殿!」
兵士たちの熱い激励の言葉を笑みで返しつつ、勇者は堂々と玉座を、城を後にした…。