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49話  パーティーキラーって嫌い

自然再生で実は、この世界特有の簡単な方法があたのですが、個人的イメージで神様っぽくてやめてた方法が有ります。

土地に魔力を流して、土地そのものに回復魔法を掛けてしまう事です。エルフの国の頃、農業の場面でチラっと書いた方法です。

何て考えて書いてましたが、とっくにライト君はチートでしたね。

 ごぜん6時過ぎ、迷宮から出てきて、冒険者ギルドに向かう。


 早い冒険者は、この時間でも迷宮に潜り始めていて、ちらほら姿が見えます。


 この時間は、混雑する階層の人が多く来ていて、ボス部屋にチャレンジするのでしょう。


 冒険者ギルドの扉を開けて入ると、まだ人の姿もまばらで、買取カウンターが開いていなかった。


 ちょっと早く来すぎたみたいだ。


 喫茶スペースで、お茶を注文して時間を潰す。


 このギルドは、建物も結構古く、あまりごてごてした装飾が無い。どちらか言えば、重厚な感じがする建物になってます。


 お茶しながら、時間を潰していると、声を掛けられる。


 「こんにちは。ライトさんは今日はどうしたんですか。」


 見ると、いつぞやのメネトさんです。後ろにはパーティーメンバーも揃ってます。


 「さっきまで、迷宮に潜ってたんだけど、アイテムが結構溜まったから、その処分とカードの更新で、窓口が開くのを待ってるんです。

 そう言うメネトさんは、今から迷宮ですか。」


 「そう思ってたんだけど、余り見かけない珍しい方が居たんで挨拶しとかないとと思ったんですよ。」


 律儀な方です。暇つぶしと、情報収集に付き合ってもらおうかな。椅子を勧めて、全員の飲み物を注文する。


 「今、この迷宮はどこまで攻略されてますか。」


 「現在は、私達がトップで138階層に入っています。後は似たり寄ったりで、130階層辺りにいますね。」


 それが本当なら、次回からは昼間に攻略に入っても大丈夫そうです。


 「後は、ギルド関係で何か面白い話はありますか。」


 「面白い話?。面白くは無いけど、不思議な話はありますよ。」


 「どんな話です?。」


 「迷宮の依頼には、何処そこのボスのドロップ品や、何の魔物のドロップ品を手に入れてほしい、等の依頼が有るんですが、大抵はその魔物を無理無く狩れるパーティーが行きます。

 それなのに、帰って来れなく死亡したと思われる全滅のケースが、最近ちらほらありますね。」


 「行く階層や敵の事が分かってて、負けるなんてあるんですか。」


 「普通は無いですよ。対策を立てて、負ける筈の無い者が依頼を受けてるんですから。でも実際は帰ってこないから不思議なんです。世の中、絶対はありませんから、偶に発生する事故なら分かりますが、数的に不自然ではあります。」


 もちろん、迷宮はトラップがあったり、魔物が徘徊していて、危険が付き物です。死傷率も結構高めです。


 でも、探査されてる階層はその限りではない。


 その階層の適正レベルより、低い冒険者が準備を疎かにして、全滅することは偶にあります。その逆で、適正レベルより高い冒険者が準備をしていて全滅。うん、不自然ですね。


 メネトさんに、情報の代わりに今の攻略階層辺りの、魔物の倒すコツをレクチャーしておき別れました。


 普通の受付カウンターに行って、確認です。


 「こんにちは、お姉さん、迷宮の内部での犯罪行為はどう処罰の対象になりますか。」

 

 このお姉さんは、豹科の獣人さんで名前はニャストさん、歳は知りませんが、何回か話してます。


 「あら、ライトさんですか、珍しいですね。今日はどうされたんですか。

 犯罪行為の処罰ですか。

 行為の内容にもよりますが、迷宮内での犯罪行為は、通常の犯罪の刑罰の2段階上の刑罰が適用されます。

 迷宮内は監視の目がありませんので、通常よりキツイ刑罰によって、犯罪の抑止にしている面も有ります。ただ、犯罪としての立証と、被害の確認の為に最低1人生きて捕獲してもらいたいのと、被害者の証言がほしい所です。

 ただ実際は、命に関わるので相手の殲滅を優先してもらって構いません。」


 まあ妥当ですね。迷宮の中では盗難で放置されただけで、魔物に殺され生き残れないのだから。しびれされたり、眠らされたりしただけで命がなくなる。

 基本は迷宮内は、助け合いです。


 何でこんな事を先ほどからやってるかと言うと、視界の端に目付きの悪い6人組みのチームがいるからです。盗賊退治の時良く見た目付きです。


 人を蔑み、命を奪う事を何とも思わない者の目。奪う事が当たり前の者の目。それに欲に眩んだ目。


 この6人組みの、視線の先は5人組のパーティーがいる。


 結構な美人さんの人間種女性3人と前衛だろう獣人の女性2人のパーティーで、迷宮の依頼書を物色してます。

 女性だけのパーティーは珍しいですが、冒険者の3割が女性ですから無い訳ではない。


 女性だけのパーティーが依頼を決めてカウンターにいってます。


 嫌な目付きの冒険者達の内、2人がサイドから近づき聞き耳を立ててる。


 2人が仲間の所に戻って、何かを耳打ちしています。


 女性達が冒険者ギルドを出て行くと、後を追いかける様に目付きの悪い冒険者達が出ていきました。


 俺もその後を追います。


 先ほど女性達が見ていた、依頼書は迷宮50階層のボスのドロップ品の依頼書だったので、俺も50階層に行って見ます。

 何で女性達の見ていた依頼書が分かるかと言えば、転移前に行う、転移先の事前調査の光魔法で見てたからです。


 探査魔法を掛けると、案の定、女性達が迷宮を進んでいる後を、一定の距離を置いて6人組の冒険者が付いていってます。


 アサシンタイプのゴーレムを闇から出して、俺もその後を気配を消して追う。


 そして、女性達がかなり進んでいった時、目つきの悪い6人組が距離を詰めました。


 女性達の反応が固まって、防戦体制に入った様ですが動きません。どうしたんだろう?


 近づき1つ前の角で聞き耳を立てると、目付きの悪い男達の声が聞こえます。


 「はっはっは、無駄だよお嬢ちゃん達。この痺れ薬は、金貨10枚はする代物だ。そこら辺の安物の回復薬じゃあ効かねえよ。

 もう少したって、完全に効いたらお嬢ちゃん達の装備は売ぱらって、俺様達の懐を潤おすのに役立ってもらうぜ。

 後は、きっちり体を堪能してから処分してやるよ。」


 アホだな。


 こいつら、もっと深い迷宮まで潜れるはずなら、結構な稼ぎも有るはずなのに、10万C(100万円)もする薬を買って、犯罪してるし。


 どちらにしても、これだけ手馴れてるなら、何回もこんな事をやってるはずです。


 「ああ!お前らをな!!」


 俺の言葉で、ゴーレム達と俺が一斉に突っ込む。ちなみにゴーレム達と言ってますが、俺が動かしてるので達と言うのは正確にはおかしいけど、気分的にはこんな感じです。


 自慢げに話していた男の眼前に転移して、黒椿と黒桜で両手首と両足首を切り落とし、ギャーギャー煩いので土魔法で猿轡を噛ませる。


 振り返ると、残りの5人は両肘と両膝を砕かれて倒れています。これにも土魔法で猿轡をはめます。


 「お姉さん達大丈夫?ちょっと待っててね。今回復するから。」


 光の浄化魔法で、お姉さん達の体の中の不純物を分解していく。


 「もう大丈夫だと思うけど、痛いところは無い?」


 「・・・あ、ああ、大丈夫です。ありがとう。」


 「いえいえ、どういたしまして。モノは相談なんだけど、こいつらギルドに渡すんだけど、お姉さん達に証言してほしいんだけど良い?

 迷宮に入ったばかりで悪いんだけど。」


 「それは構わないけど、君の後ろにいるのはもしかしてゴーレムかしら。」


 「そう、俺のゴーレムでアサシンタイプです。俺が動かしてるから心配ないよ。魔物じゃないし。」


 話している間に、ゴーレムで男達の武器や防具を全てはがして武装解除する。解除した武具や装飾品は、女性達のリーダーのフェミルさん26歳人間種に渡しておく。

 上手くやれば、フェミルさん達の臨時収入になるかもしれません。


 男達は、お姉さん達をお嬢さん扱いしてたけど、フェミルさん達はフェミルさんを筆頭に、下は21歳までのパーティーで、子供扱いは失礼だと思う。


 迷宮を出て、冒険者ギルドに向かう。


 俺と5体のゴーレムが1人ずつ、男達の首を掴んで引きずっていくのを、後から女性達が5人付いてくる。良く考えるとこれは怖いね。


 この時間になると、かなりの人出が通りに有るけど、その人並みが綺麗に、両側に分かれてく。かなり目立って恥ずかしい。


 冒険者ギルドに入って、ニャストさんに話しかける。


 「ニャストさん。今このお姉さん達を襲ってた人達を捕まえました。何か手馴れてたから、もしかしたら、他にもやってるかもしれないから調べて。」


 カウンター前に6人を積み上げ猿轡を解除する。痛みの為か、気絶している。


 後はフェミルさんに任せて、俺は本来の目的です。


 忘れていない。アイテムの処分です。


 空いてる買取カウンターに行って、迷宮の道具袋から買い取ってもらうアイテムをドカドカ出してく。


 その中から1個の指輪を取る。これは確か50階層のボスが落とした指輪で、フェミルさんの受けた依頼書のアイテムのはずです。


 買取カウンターにギルドカードを置き、計算してもらう時間、フェミルさんの所に行く。


 「フェミルさん。これあげる。今日は散々だったから、これ位は良い事ないとね。」


 フェミルさんが遠慮してたので、強引に押し付けて、買取カウンターに戻ってカードを受け取る。


 カードはやっぱり内容が変化していた。


 

 Sランク ライト 16歳 人間種 男


 レベル 221  職業 **の魔戦士

 体力  127  祝福 **の寵児

 魔力  921  

 筋力  119  称号 食の探求者・龍の導師・

 知力  184     罪の断罪者・遊びの探求者

 敏捷  171  迷宮階層       150階

 精神  312  魔物撃破数    51,411匹

 運   401  預金  201,543,215C


 色々言いたい事はあるけど、剣士が戦士に変わってる。

 

 これは戦い方の、変化で変わるので何となく分かります。最近剣を使う頻度が減ってるし。


 罪の断罪者は、盗賊の殲滅や、ドムルの粛正が効いてるのかもしれない。


 遊びの探求者は・・・遊園地なんだろうけど、称号見てると俺って、道楽者なのかと思ってしまう。その内職業が遊び人になってたりして。


 預金額は、また商業ギルドのカードに移しておこう。


 さて、今日は帰って、仮眠してから如何し様かな。どうせ昼前位に起きるだろうから、海水浴でも行こうかな。


 


 

今回はPKに関して描きましたが、ゲームとしてなら有る程度肯定出来るけど、死が絡んだ世界で、PKは盗賊、強盗と何も変わらないと思います。

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