雷帝降臨
本日1話目
グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
天を裂くような雄たけびが響き渡った次の瞬間――
ドガァァァァン!
まるで隕石が落下したかのような衝撃が草原を襲い、俺はバランスを崩して倒れる
「何だ!?」
慌てて顔を上げると、深淵の世界に新たな異変が起きていた
その起点は二つ目の虹色の卵
粉々に砕け散った破片の中から無数に迸る青白い稲妻
それが深淵を破壊し、その世界を雷が雨のように降る神話の世界へと変えて行く
「雷...?」
散らばっていた稲妻は次第に一点に集約され、やがて巨大な人影を形作る
最初は輪郭だけだったそれが、徐々に実体を帯びていく
「でけぇ…」
深淵の女王のサイズですら信じられない大きさだったのに、この生物はさらにその上を行く
現れたのは身長15メートルはあろうかという巨人
天を貫きそうな二本の角に、鋭い眼光と険しい顔から生える白髪の体毛
分厚さだけで俺の身長以上はありそうな腕で持つのは、一家屋程の大きさがある両刃の戦斧
蒼い素肌とその筋骨隆々とした体躯を惜しげもなくさらし、身体からバチバチと雷をほとばしらせる姿は余りに神々しかった
「フェンリルのマントだなんて、贅沢ね?」
銀色に輝く毛皮のマントは、神を喰らう巨狼のものらしい
その声にようやくこちらを認識したのか、召喚されたばかりの巨大な鬼は、吐く息を稲妻に変えながらゆっくりと俺たちを見た
「わけもわからぬところへ召喚されたかと思えば...この毛皮の価値がわかる者がおるとはな...よくぞ見抜いた、これは我が因縁の相手から奪った勲章よ。フェンリルの加護が宿っておる」
低く響く声 それだけで空気が震えた
「余の装備の価値を正しく評価できたのは賞賛に値するが、しかし――」
何トンという言葉で重さを表現可能なのわからぬほどの巨体が、一歩前に出る
その一歩で地面に亀裂が走る――
歩くだけで地震を起こすのではと錯覚する程の質量がそこにある
「――頭が高い」
突然感じるプレッシャ―に俺の体は地面に押しつぶされる
頭の先から水の濁流で押しつぶされたのではないかと錯覚するほどの衝撃
苦しすぎて息も出来ない、そんな物理的圧の中でも
「うふふ」
深淵の女王は優雅に笑っていた
「面白いわ、わらわの者を奪おうとするなんて...どれだけ苦しめれば良いのか迷っちゃうわね」
深淵の女王は、こんな圧なんて何もないといわんばかりに、尻尾をフリフリと優雅に動かし、その先から深淵を生み出した
「でも、わらわとご主人様の聖域に変な領域を作るのは不愉快だわ」
深淵は中空を漂い、俺の頭上に来る
その瞬間さっきまで感じていた圧が嘘のように消えた
「――っはぁ!っはぁ!っはぁ!」
ようやく出来るようになった呼吸に、体が新鮮な酸素を激しく求める
「ほう、余の覇王領域を塗り替えることのできる強者...久しぶりであるな、同格の気配を感じるのは」
バチバチと雷を放出しながら高ぶる巨大な鬼
今にも戦いだしそうな雰囲気に俺は急いで鬼のステータスを確認する
名前 無し(雷帝)
基本ステータス
STR:XXX(創世級)
VIT:XXS(神話級)
AGI:XXS(神話級)
INT:SSS(英雄級)
DEX:XXS(神話級)
LUK:XXX(創世級)
HP:80,000 MP:25,000
身長:15m
体重:30t
属性:雷・風・覇道
スキル
雷魔法: MAX - 雷の概念、依存ステータスを任意で選択可
バトルアックス術: MAX - 斧技の概念攻撃化
帝王学: Lv9 - 反乱を完全に抑え込む
軍事学: Lv8 - 伝説級戦略眼、軍団規模の指揮に補正
酒豪: Lv7 - アルコール耐性絶大 酒を飲むとランダムステータス1段階上昇
特殊スキル
覇王の威圧: Lv9 - 敵味方問わず戦場にステータス1段階減少付与
雷速移動: Lv8 - 瞬間移動級高速移動
不屈: MAX - 生命力が0になるまで戦闘力が一切落ちない
帯電体質: MAX - 戦闘時間に比例して電力蓄積、無限強化可能
皇帝の勝鬨: 1対1勝利時、雄叫びで敵軍戦意完全崩壊
雷斧乱舞: 超高速連続攻撃
帯電爆発: 半径1km雷属性範囲攻撃
覇王領域: 半径500m支配権確立、領域内で全ステータス1段階向上
超回復: MPのある限りHPが尽きない
「うわぁ...」
凄いのは確信していたけど思わず声が漏れる
STRもLUKも創世級――神を超える領域
そんな俺の動揺をよそに、雷帝が口の端を釣り上げる
「成程、貴様もどこぞの領域を統べる王であるか...面白い、実に面白いぞ!世界を手に入れ、神を殺し、訳もわからぬ世界にやってきたかと思えば、異界の王と戦をすることになろうとはな!」
雷帝が凶悪な笑みを浮かべたかと思ったら
バチバチバチ!
雷帝の全身からこれまでの比ではない量の青白い電撃が迸る
そして次の瞬間――
「受けてみろ!」
俺の目の前には深淵の女王が居て
一瞬目の前が真っ白に光り
ズゴオオオオオオオオン!!
遅れてやってきた激しい轟音と共に、自分のはるか後方の地面がえぐれていた
稲妻が走ったんだと脳が把握できたのは、静電気で逆立つ髪の毛を感じて予想したに過ぎない
「これを防ぐが!女王よ!」
「あら?今何かしたかしら?」
「ぐはははは!面白い、これならどうだぁぁ!!」
俺は何が起きてるのか見失わないように必死に目を凝らして、次の瞬間の出来事をとらえようとした
しかし次の瞬間――
ドォォン!!
――気が付いた時には雷帝が深淵の女王に巨大な戦斧を振り下ろしており、深淵の女王はそれを尻尾で受け止めていた
さらには両手から噴出した黒い霧が雷帝を侵そうと迫る
その景色を認識した瞬間に、雷帝の先ほどの移動で生まれたであろう衝撃波が俺を襲い無様に転がる
「ぐぅぅぅ」
目の前で起きた神話の戦いは資格なきものは見る事すら叶わぬと告げられているかのように、俺はその余波に振り回される
「面白い!実に面白い!ほめて遣わすぞ!女王!この雷帝の攻撃を!見切り受け止めるどころか反撃までこなすとはなぁ!」
雷帝はまるでピクニックでもしているかのように楽しそうに言葉を発しながら、残像しか見えぬほどの速度で戦斧を振るい続ける
「本当にいつ以来だ...同格と戦えるのは!」
雷帝からほとばしる稲妻の勢いが増す
「余は、生まれた時から大陸を統一するまで...常に孤独だった」
戦斧の回転数が目に見えて上がりだす
「誰も余に並ぶ者はおらず、誰も余を理解する者はいなかった!」
そして次第に深淵の女王の巨体が衝撃を殺し切れずに後退していく
「だが今…ついに見つけたぞ!余と対等に戦える存在を!」
バリバリバリ!
雷帝の周りに放たれていた稲妻が、雷帝にぶつかることで、彼のギアをさらに上げる
稲妻そのものになったのではないかと錯覚するほどに青白く光り出した雷帝は狂暴な笑みを浮かべ
「ようやく準備運動が終わった...ここからが全力だぞ、しかと受け止めよ、女王!」
先ほどより熾烈に戦斧を振るう
ドガガガガ!
目にも止まらぬ速さで戦斧と雷撃が深淵の女王を襲う
深淵の女王も尻尾を鞭のように降り戦斧を迎撃し、魔法で雷を相殺する
とんでもない質量と質量のぶつかり合い
その余波はすさまじく、俺は生きているのが不思議に思える程、あっちへこっちへ吹き飛ばされ続けた
(スタントマンの経験がこんなところで活きるなんてっ!)
特撮のスタントで爆風に吹き飛ばされた事も、高所落下で受け身をとる訓練も、全てはこの日の為にあったのではないかと思えるほどの暴力的空間
受け身を一つでも失敗したら骨折で済めばラッキーと思えるほどの怪我をすることは間違いない
戦いではなく、その余波から生き残ることに全力を尽くさなければならない自分があまりにも情けないが、集中力を切らせば死ぬと、俺は脳をフル回転させる
「その尻尾の斬撃耐性は余でも突破できぬと見えるが...貴様の体はどうか!?」
雷帝の稲光が左拳に集約されていく
「ここら一体全てを攻撃する!防ぐことは叶わぬと知れ!」
雷帝が光り輝く拳を振り上げ――
「帯電爆破ぁぁ!」
――地面にたたきつけた
(あ、死んだ)
受け身何て関係ない広範囲の暴力に俺の脳は生きる事を諦めた
ビカァァァ―――
世界が光に飲まれる前に、彼女が俺を優しい瞳で見つめ
「ご安心くださいな、わたくしのご主人様」
鈴の音の用な声と共に、俺の周りには深淵の幕が生まれた
―――ァァァァン!!!
次の瞬間、草原全体が雷の中にあった
――――!!
余りの轟音に耳がまともに機能しなくなった俺の目の前では
俺を包み込むように深淵の女王が展開してくれた半透明の黒い壁が激しい勢いで削られているのが見える
一瞬の間に何度も何度もたたきつけられる稲妻
この壁が壊れた瞬間に死ぬのが確信できる超常現象
永遠か、あるいは数秒か
終わることの無いと思われた地獄の世界にも終わりが訪れ、景色が戻っていく
「え?」
そして俺の目に飛び込んできたのは
勝ち誇った顔の雷帝が、全身ボロボロの深淵の女王の首を掴み上げている
「つまらん幕締めであるな、貴様ほどの存在が矮小な存在を守り散るとは」
「あら、何時わらわが散ったのかしら?」
深淵の女王は雷帝の目をじっと見るが、魅惑の術は通じない
小細工を嫌うとでもいうように、首を絞める手にさらに力が入る
「ガハッ――」
女王に似つかわしくない嗚咽がその口から出る
「実に下らん...たとえ召喚者であろうとも、あのような矮小な者に貴様がそれほどまでする価値などなかろうに」
その言葉を聞き、深淵の女王は言葉を発さず笑みを深める
「納得できなそうな顔だな、よかろう。では証明してやるとしよう」
雷帝は大きく息を吸い――
「勝鬨じゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
――叫び声をあげた
世界が揺れているかのような幻視をする程の圧が俺を襲う
雷鳴のような咆哮が俺の精神を直撃し、恐怖が脳を支配し体が震え出す
(逃げないと...逃げないと死ぬ...!!)
魅惑の術とは違う
圧倒的な死を感じてしまった脳が強制的に発する緊急回避命令
心も体も魂も、全てが生き残ること、逃げる事に全精力を傾けようとする
そして、全力でその場を離れようと一歩踏み出したところで
深紅の瞳と目が合った
その瞬間に俺の心臓はさっきまでとは違う意味で高鳴る
魅惑の術なんかじゃない、彼女の慈愛に満ちた本来の瞳を見て、俺は自分を取り戻す
(そうだよ、ここじゃないか)
思い出すのは、これまでの俳優人生
どんな逆境にも負けない主人公を演じるために、どんな苦しい瞬間でも絶対に立ち上がってきた
仲間の為に命を懸ける主人公の気持ちを再現するチャンスがいつ来てもいいように、命がけのスタントに誰よりも挑んできた!
(ここが、本当の主役になれるかどうかの分水嶺)
絶望的な戦場で、それでも立ち上がることで勇気を与える主人公になりたくて!
(死の恐怖に負けて仲間を見捨てるような存在は、主人公じゃない!!)
俺は震える足に力を込める
「立て...立てよ、俺...!」
生まれたての小鹿のように、がくがくに震えるみっともない姿だったとしても
少しずつ、確実に立ち上がる
何度もよろめきながら、それでも前見て歯食いしばって立ち向かう
その姿を見た雷帝が、興味深そうに目を細める
「ほう...逃げぬのか、小さき者よ」
雷帝の視線が俺に向けられる
「あぁ」
「何故だ、何故この状況で笑う」
俺の顔には自然と笑みが浮かんでいたらしい。恐怖で頭がおかしくなったのかもしれない
「俺は、その子の主人だから」
「何?」
(いや……恐怖じゃない、嬉しいんだ、だって...)
「ひとまずだったとしても、仮にだったとしても!これだけすごい存在が、俺を主人公って認めてくれたんだから!俺は長年夢破れてきた自分なんかを信じることはできないけど、それでも彼女程の存在が一時でも主人と認めてくれた奇跡は信じたい!」
俺は彼女の主人だから、あの子にとっての、主人公だから
「だから!俺は負けない!逃げない!」
「意地の為に命を捨てるか小童!」
「意地じゃない!これは信念だ!!」
「!!」
「俺は周りを輝かせるプロだから!そんな俺が主人公になるんだとしたら、周りにいるみんなを誰よりも輝かせる、だれよりも幸せにできる主人公でありたい!」
この気持ちを今この瞬間抱けるなら、過去の夢破れた生活にも意味があったのかもしれない
「俺はあの子の相応しい主人として、あの子を幸せにする!その為ならお前なんかに負けないぞ、負けてやるもんか!雷帝!!」
雷帝の目がグワっと開かれる
「では試してみるとしよう」
雷帝は深淵の女王を放り捨て、戦斧を改めて握りしめる
そして完全に俺に焦点を合わせながらゆっくり、ゆっくりと近づいてくる
「その程度の力でありながら、世界の全てを支配した余に負けぬと宣うか」
雷帝が俺の目の前に来る
「矮小な身体でありながら、余に啖呵をきるその胆力は見事。せめてもの情けに虫けらのように踏みつぶすのではなく、戦斧のサビとなる誉をくれてやろう」
巨大な戦斧が天に振り上げられる
それはまるで、高層マンションが自分に向かって倒壊してくるような
間違いなく助からないと確信できる景色
それでも俺は、雷帝から目をそらすのをやめなかった
物語の中で、死にゆく英雄が最後まで敵をにらみつけたように
(死んでも雷帝から目をはなしてやるもんか!)
「実に愉快だ...余と対等に戦う者が現れたかと思えば、余に刃向かう矮小な者まで現れるとは...だがそれも巻引きよ!」
雷帝が戦斧を振り下ろそうと腕に力を込めて――
「ぬぅ!?」
――ぐらついた
「ようやく効いてきたのね、わたくしの毒が」
雷帝に放り投げられた深淵の女王がゆっくりと起き上がる
それを見て再び楽しそうに笑う雷帝
「グハハ、何時の世界でも毒は女の武器か...だがしかし!!」
雷帝がこれまで以上の雷を身にまとい始める
「余の雷で毒など消し飛ばしてくれるわぁぁぁ!!」
ババババババッ!!
先ほどよりも密度の濃い雷を放出し続ける雷帝
折角毒で弱らせたチャンスなのに、攻撃するのは難しそうに見える
「ねぇ、さっきの言葉は本当かしら?」
雷帝の圧が消えたことで緊張感が切れ、再び無力感に襲われた俺の気持ちをあざ笑うかのように、穏やかな言葉が俺の耳に届く
「え?」
「わらわを幸せにしてくれるって言葉」
強大な存在が、完璧なスター性を持つ存在が、小さな何者でもない俺に何処か不安そうに問うた
俺はそれに対しまっすぐ答える
「あぁ、もちろんだ」
「では、わらわに名前をつけてくださらない?」
突然の申し出に困惑する俺
「なぜ?」
「今、名前がないのよ...だから全力が出せないのよ」
深淵の女王の表情が真剣になる
「あの男もそう、わらわたち世界に認められていない存在は、本当の力を発揮できない」
あれだけの戦いを繰り広げておいて、まだ本気ではないという事実に圧倒される
彼女の視線が雷帝に向けられる
「召喚者から名付けをして貰えればわらわたちは魂で繋がる。わらわたちは世界に拒絶されていようとも、貴方と繋がることで、この世界の一部になれるの」
素晴らしい提案の様なのに、やはりどこか不安げな表情
「それともわらわの様な化け物と魂で繋がるのは嫌かしら?」
どんな美形のアイドルも自分の顔にコンプレックスを抱いているという話を聞いたことがある
きっと俺の目には全てを持つものに見える彼女にも、彼女にしかわからない何かがあるのだろう
であれば俺に出来ることはただ一つ
「さっきも言ったが俺には君が魅力あふれる存在にしか見えない」
認めることだ
彼女の能力や強さなんかじゃない、彼女自身を
「君の心も体も、全てが魅力的に見える。だからそんな君と魂で繋がれるのは、俺にとって幸運以外の何者でもない」
心から認め、肯定し、必要とする。
誰もが望み、しかし簡単には手に入らない自己を肯定してくれる存在
この強大でありながら不安を抱える、強大でありながら、か弱い娘のような顔を浮かべるこの子にとって、俺はそんな存在になりたいと思えた
「だから、名前を付けさせてくれないか、君と魂で繋がらせてほしい」
俺は彼女を見つめて、心を込めて言う
「よろしくお願いいたします、どうかわらわに名をお与えくださいませ」
彼女は頭を下げて俺に名を請う
俺高らかに宣言する、誇り高き彼女の名を
「君の名はアピサル――深淵を意味する気高き名だ!」
「アピサル...感謝しますわ。旦那様」
「え?旦那様?」
変な言葉が聞こえたその瞬間――
ゴゴゴゴゴ…
アピサルの周囲の深淵が激しく渦巻き始める
彼女からあふれる深淵の量が倍増し、彼女の全身から黒いオーラが立ち上る
そして雷帝によって侵食された世界が再び深淵に塗り替えられていく
「わらわは、深淵の女王にして、この世界を統べる王の妃・アピサル」
彼女の唇が世の男を虜にする形にゆがむ
「旦那様一番の妻ですわ」
そして心地の良い音色を奏で、先ほどの言葉が聞き間違いではないことを宣言する
「ちょっと待ってアピサル!旦那様って」
「わらわは異世界とはいえ、一界を統べた女王でしょう?その連れとなるのであれば、貴方様こそがこの世界の王となり。わらわを王妃にして下さなければ、つり合いが取れませんわ」
突然の申し出に困惑する俺を楽しむかのように笑うアピサル
「あら?それともわらわを魅力的と言ってくださったあの言葉は嘘だったのかしら?」
つながりを得たのがうれしいのか、先ほどの不安そうな表情は消え、長い舌をチロチロと動かし、長い尻尾をブンブンと振りながら、とても上機嫌なアピサル
「そんなことはない!ただ!あまりにも光栄過ぎるというか!うれしすぎるというか!」
「ウフフ、では決まりですね...では」
アビサルは最後にうっとりするようなほほえみを浮かべたあと
グルンッと音が鳴る程の勢いで瞳を、解毒が終わった雷帝に向け
「邪魔者はさっさと地に伏しなさい、雷帝!」
アピサルが雷帝に向かって突撃した
後2話上がります