介抱
ぼくは、久々に外に出て分かったが、貧血気味だった。
その上、外を歩いた時は暑く、教室の中は涼しく、そしてまた料理の熱気で暑く、寒暖差に身体がついていけなかった。
ぼくは、入会したい……と言い終わると同時に倒れたと思う。
先生にもたれかかるように、体が崩れていった。
気づけば、ベッドに寝かされていた。
枕から、甘いシャンプーの匂いがする。
廊下をズリズリと歩いた記憶はあるが、その他は全く覚えていない。
ぼくは、シャツと靴下を脱がされ、ズボンのチャックが半開きになっていることに気がついた。
ものすごい気まずさと、期待と興奮が入り混じって胸がバクバクしている。
「気がつきました……?」
先生が、遠慮ぎみに部屋へ入ってきた。
「あぁ、そのままで……。ごめんなさい、私、申込時に緊急連絡先を確認するの忘れちゃって…ご実家の番号が分からなくて。救急車を呼ぶほどじゃないかなと思ったので、寝てもらってました……」
ぼくは、すみませんと平謝りした。
先生の顔は真っ赤だ。
「ごめんなさい、私……倒れた時は、体を締め付けるものはダメだって教わったから……。その、脱がせちゃって……」
先生はウルウルして泣きそうだ。
ぼくこそ申し訳なかったと謝ったが、誠実な顔をしていなければならないのに、今にも理性が飛びそうになっていた。