大事故
もうやめて……
ふたりとも、私のことで……もう……
「そうなんですよ」
旺介は、また古いアルバムを出してきた。
「俺の親父、めちゃくちゃ写真魔で。この写真なんかユカめっちゃ可愛いでしょ?このバレエの衣装、まだとってるんですよ。俺が捨てないでって泣きついて」
「するとこれは、6歳くらいですか?さっきまでのが幼稚園時代ですよね」
もうやめて……
実家のリビングに、私ヲタが2人もいる現状。
耐えられない。私もう、エイジングケア始めてる歳なんだよ……?
ママは、あらあら〜とニコニコしながら、パパの祭壇の前に座っている。
私の周りにはヲタしかないのか……
むしろ私が異端なのか。
「俺、小学校まで本気でユカと結婚できると思ってたから、できないと知った時は荒れましたよ〜!なんで推しと相思相愛なのに結婚できないんだって!」
あ……推しって言っちゃった。
私ってなんだろ……旺介には途切れなく超絶美人の彼女さんがい続けてるのに……。
「あ!ユカの今のウエストのサイズ分かったら教えてくださいね!最近教えてくれなくなって……補正下着が選べないんです」
ピシャーン!!!!
リビングに雷が落ちた。
さすがにそれは想定外だったようで、ママは真っ赤になりながら、旺介の耳をつかんで廊下へ引きずっていった。
「あとでLINE教えてくださいね〜!」
変態の弟は、廊下の奥に消えていった。




