遺伝子
私は、ママにもう一度確認した。
「え、今の電話……おうちゃん、ここに戻ってくるの?」
「うん、仕事ってすぐそこのビルでお客さんと会う約束だったみたいで、まだ荷物はここに置いてあるって」
え……ママの勘違い?やばい。事故が起きる。
「おうちゃん今日までうちに泊まるみたいだったから、菅野さんとも会えるね。……ユカちゃん?」
私は、全く対策してないことに焦っていた。
パパとの大騒動ですっかり時間が経ち、待ち合わせまであと30分だ。
「ただいま〜」
げ!!!!戻ってきた!!!!
「あ、お姉ちゃん!!良かったぁ〜!俺さ、お姉ちゃん帰ってくるって聞いたから、空港のホテルキャンセルして、今夜ここに泊まることにしたんだよね〜」
「お……おうちゃん、ありがとう……。あのね」
おうちゃんは、私に抱きついてフリフリしている。
そう、弟は、極度のシスコンだった。
「はい!これ新しい服!今日のも俺があげたやつだね〜♪青似合うよね〜!」
私は、絶望の涙目になっていた。
もうアラサーだというのに、着せ替え人形のように愛でられる姉。
弟は、ママのヲタ体質を引き継いでいた。
独占欲強めの……
もはや、これから出会い頭に事故が起きることは確定していた。菅野くん、どうか無事で……




