表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/59

男として

ぼくは、まだ1時間ほどある待ち合わせまでの時間を、ホテルのカフェで過ごすことにした。


すごい。


劇団の上演後に、馴染みのファンが駆け寄ってきてくれることはあったが、みんなマダムだったし、孫のように可愛がられただけだ。


この扱いはなんだろう。超絶気持ちいい。

いつものぼくなら、迷い込んだアリを扱うかのような店員の態度だったはずだ。


しかし今、ニッコリと微笑みかけてくれ、足元に気を配られながら席へエスコートされている。

ぼくも、綺麗な立ち振る舞いに見えるように気をつけた。


そうか。こういう扱いを受けるには、こちらも美しくあらねばならない。

店員と客の双方の心掛けによって、この素敵な時間が生まれているわけだ。


挨拶のために叩き込んだテーブルマナーで、スマートに注文もできた。


劇団のおっさん連中は、こんな堅苦しいことするなら俺らは居酒屋でいいね!だいたい客なんだから高級ホテルだろうと好きに過ごさせろ!とか言って、鼻つまみ者になるんだろうな……


ぼくは、愛おしさとおかしさでククッと笑った。そういう人たちはそういう場で楽しめばいい。誰にも何も強制されていない現代、どうありたいかは自分で選べる。


ぼくは男として、誇らしげな気持ちになっていた。

ユカちゃんを、このカフェに連れてこられる男。


あとは財力をもっとつけて、社会的地位も高められれば……


ぼくは、ぼくのことが、今よりずっと好きになる。

だって、ユカちゃんに惚れてもらえる。ユカちゃんを救う力を持つ、ヒーローになれるから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ