決戦前
ユカは、お金はこちらで準備があるから、と断った。
起業するとき、お父さんからもらった、まとまったお金があるらしい。
本当に大事な時以外には手をつけないと決めていたが、今こそが大事な時だと言った。
覚悟のできた女の顔は、強くて美しい。
どうしよう、ワクワクする。
ユカは、祖父母と孫のイベントをやるつもりだったと話した。
すごい!全てが噛み合ってくる。
ぼくは、面白そうだ、じゃあそれもお客さんが選択できるようにしよう!と賛成した。
「でもね、SNSで告知したんだけど、反応が薄いから、ライブ配信で集客しようかなって」
ぼくは慌てて止めた。
「ダメだよ!ユカが不特定多数の男に見られるかもしれないだろ!それに、それで集客したらまた変な客くるぞ!」
ユカは、キョトンとしている。
「それにさ、ターゲット客はそんなの見ないよ。高齢者に告知するのはコツがいるんだ。それに、子育て中の親は、独身と違って、すぐに申し込めない場合もある。保育園とか学校とかの予定をみてから、じわじわ申し込みがくるんじゃないの?」
「さすが…菅野くん」
ユカは、ぼくのことを、うっとりと見ている。
惚れ直してくれたのなら、嬉しい。
ぼくは、一気に戦闘モードに入った。
姫を守る…もとい、姫とともに戦う、勇者として。




