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美しい彼
びっくりした。
まさか、また会いに来るなんて思いもしなかった。
面倒くさい女だと思われて、縁を切られたものだとばかり……
私は、全く女の準備をしていなかった。
ほぼスッピンで、髪もクリップで雑にとめただけだ。カラコンすら入れてない。
美形の彼は、突然訪ねてきた。
一枚の企画書を渡される。
「これ……」
「ユカがさ、困ってると思ったから」
私は、名前呼びされて心がトン、と柔らかく落ち着いた。
私の名前、ベッド以外でもちゃんと呼んでくれた。
「菅野くん、本当にいいの?」
本当は私も名前呼びしたかった。
「これ、金はうちで持つからさ。対象は高齢女性ばかりになるんだけど、ユカの教室にはちょうどいいかなって」
私は驚いて彼を見る。
「まだ決済前だけど、やると決めてるから。
いざとなれば、金は自分の貯金から出すつもりだから」
彼の顔は本気だ。
すごく美しい。
ごめん、こんな時になんだけど……
ふだんの彼は、美形だけど外見の美しさだった。
だけど今の彼のまっすぐで強い目
圧を感じるほどの勇敢さ
そして、少年のような純粋な優しさ
その全てが美しかった。




