表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/59

菩薩さま

ぼくの顧客は、ほぼ年配の女性だ。

ぼくはおばちゃん受けがいいので、いつも話の途中で向こうから契約してくれた。


「んな、いつもババア頼みだもんな、お前は」


パワハラ高木は、企画書をヒラヒラさせながら言った。


僕は、顧客リストを作る手を止めた。

学生時代のことを思い出す。


ぼくは、いわゆる陰キャに分類された。

だから、友達も陰気なやつだった。


そいつは女叩きが酷く、何かあればすぐ女のせいにした。

特に年配女性には手厳しく、やっぱりババアだ、ババアはダメだとばかり、愉快そうに中傷する。


ぼくは、我慢ならなかった。

その日だって、席を譲ったおばあさんから、ニッコリとありがとうを言われたばかりだった。


ぼくは、そいつに向かって言った。

「お前さ、ババアに産んでもらって、ババアの乳吸って、ババアにケツ拭いてもらって、まだ何か文句あんの?ババアがレジしてるスーパー二度と利用すんなよ」


そいつは、ぼくがそんな風に凄むことにビックリして、それ以来話しかけてこなかった。


ぼくはボッチになったがせいせいした。

その後も、そいつはまだババアを連呼していたし、影響されたやつらもババア、ババアと女を見下すようになった。


ぼくは、そうならなくて良かった。

ぼくにとって女性、特に年配の女性は、いつもこんな僕を救ってくれる菩薩さまだった。



「高木さん、お客様をババア呼ばわりしないでください。ぼくにとっては、菩薩さまなんですから」


変なことを言っている自覚はあった。

だがぼくは、こいつに分からせたいという気持ちを抑えきれなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ