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危機
「ダメですね」
やっぱり……
私は、税理士さんを目の前に絶望していた。
「今期の売り上げが見込めません。このままでは、税金払えませんよ?」
個人事業主は、近年、税関係が厳しくなった。
それも覚悟の上で起業したのに……
「誰かお金持ちでも見つけてください。女性経営者ってのは、援助がないとやっていけないものです」
嫌なことを言う。
でも、図星だった。このままではいけない。
私はベッドに横たわったまま、スーツに着替える美形の彼に弱音を吐いた。
彼は、一瞬驚いたような目をして、そっか。と返事した。
「私たち、もう終わりかもね」
私は、めちゃくちゃな気持ちになっていた。
彼は無関係だ。
私がこんな関係に持ち込み、経営をないがしろにしたのが悪い。
でも、どうにか助けて欲しかった。
別れたくないと、助けの手を差し伸べて欲しかった。
「じゃ、仕事に戻るから。また会える時連絡する」
ほら、自分の馬鹿。
甘えたってどうにもならない。
そして、男は逃げていく。




