表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/59

美形の訪問

「こんにちは、少しお話するお時間ありますか?いまキャンペーンのプレゼントをお配りしてますので、受け取ってもらうだけでも」


私は、インターフォンの通話終了ボタンに指をかけ、しばし迷っていた。


カメラ画面に映るその営業マンは、月9のドラマに登場するリーマンより輝いて見えた。


は…?美形すぎるんだが?


私は何か試されているんだろうか。

神さま、これはどう対処するのが正確ですか?


私は、根負けして開錠した。

イケメンをむげに帰す勇気が、どうしてももてなかった。


「ちょっとなら…すぐに外出の予定がありますので」

しつこくセールスしてきたら、家を出てやればいい。


「失礼します」

営業マンは、スマートな立ち振る舞いで部屋に入ってきた。


おいおいおい……

玄関までのつもりだったのに、あまりに華麗に侵入されて声をかける暇もなかった。


営業マンは、料理教室で使っている部屋のダイニングテーブルに座らせた。

へえ、とか、素敵なお部屋ですね、とか言いながら席につく。


早速、商談が始まった。

私は少し拍子抜けしながら、そうだな……生徒さん用にウォーターサーバーを置くのも悪くないな…とのせられはじめていた。


「これ、置いていただいたら、お水はぼくが交換しに参ります!」


「え……?」


「うちの会社、人手不足なんで、契約していただいたお客様へは、担当が最後までお世話させていただくことになってるんです。もちろん、解約はいつでも承りますので、気軽にぼくに言ってくださいね!」


ふむ…悪くないかも


ここで気持ちに余裕が生まれたのか、私は改めて目の前の男を見た。


髪はサッパリと切り揃えられ、ツーブロックなのにチャラい感じはしなかった。

眉がまっすぐでツヤがあり、すごく綺麗だ。


そして目が、美人のそれ……



なんていうかな、お母様がめちゃくちゃ美女なんじゃないだろうか。

化粧などで作られる目と違って、目尻にかけてが広い、天然の二重まぶた。

目頭がキュッと深くて、びっしり生えたまつ毛は下を向き、子犬のような愛くるしさだ。


それに輪郭が私より綺麗だ。

笑ったらえくぼができそう。

鼻が細く通っている。

口元が女の子みたいにぽってりしてピンク色だ。


びびびび………美青年………



私は、ハッと我に返った。

「お、親御さんはどこかの国の方ですか??」


「ああ、ハーフかどうかってことですか?そうですね、おじいちゃんが北欧なので、クォーターです」

美青年は、ニカっと笑った。

歯並びのいい白い歯が、ピンク色の唇に映えている。


予想通り、笑うとえくぼができた。



「日本の文化は難しいので、なかなか定職につけなくて……でもこの仕事は楽しいですよ!いい商品売ってくれたって、お客様にいつも感謝されてます!」



私は、気がつくと契約書にサインしていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ