作中用語集 その一 そして、ちょっとした密談
作中用語集
あくまで作者のメモ代わりとして書いたため、作中設定は場合によりコロコロと変わるのであくまでざっくりとこんな感じと思っていただきたく。
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・悪心
公式記録において、約二十年前から突如出現し始めた人を襲う怪物。
全身光沢のない真っ黒な体色が特徴だが、姿は個体に応じて様々。動物のような形態をとるモノが多く、姿に応じて能力も異なる。
通常兵器の効きは薄く、小さな個体でもピストルの弾をはじき返すほど。中個体以上になると戦車でもないと倒せないという生きた災害。
知能は基本的に獣並。また、既存の動物等の姿に似た個体が多く、仕草等もそれに準ずる。総じて人間に対して敵対行動をとるが、それ以外の生物や建築物に対しては個体によりまちまち。
基本的に単独行動、又は同種とのみ群れる性質がある。だが第一次、第二次悪心大量発生においては別種同士で連携を取る個体が多く見られた。
・魔法少女
肉体に通称聖石と呼ばれる物質を特殊な手術で埋め込み、超常の力を身に着けた者。聖石の力により創造されたアバターを自身の肉体の上から着込み、普段の数倍から数十倍の身体能力と、何かしらの超常の能力(炎を生み出す。ステッキからビームを出せる等)を使えるようになる。
聖石により出力されるアバターは個々人によって千差万別であり、全く同じアバターは存在しない。そして固有の武装をそれぞれ保有している。(アズキなら剣。コムギならステッキといった具合。なお、変身後にある程度は変形させたり分裂させたりと融通も利く)
魔法少女と呼ばれてはいるが、正確に言うと手術で聖石を埋め込み適合出来るのがおおよそ小学生から高校生までの少女なだけであり、適合してから大人になっても魔法少女として活動は可能。ただし少しずつ聖石の出力は落ちていくため、二十歳を越えると引退し後進の指導に回る者も多い。
極稀に、聖石の適性が高すぎて、アバターなしの状態でも変身状態の力の一部を振るえる者が居る。
公式記録において、おおよそ悪心の発生とほぼ同時期に魔法少女が出現。そこから数か月で法律が改正され、悪心特別対策法が成立。政府のバックアップの下、魔法少女が正式に悪心との戦いに乗り出す形となる。
主な仕事は悪心退治。しかしそれ以外にも警察や自衛隊と協力し、人命救助や災害派遣等にも精力的に活動している。
・魔法少女特別養成機関
日本全国から検査で魔法少女の適性が発見された者を集め、育成し、無事テストに合格した者を各地へと送り出す施設。通称学園とも機関とも。小中高一貫制であり、幾つかの寮に分かれて共同生活を行う。
卒業生の進路は大別すると、そのまま魔法少女の活動を続けるか、引退して機関関係の仕事に就くか、或いは全く別の進路へと進むかである。どれに進もうとも政府からのバックアップが入る為、きちんと卒業できたなら将来は明るいと一般的には思われている。……ただし、悪心との戦い等で精神的に疲弊し途中退学する者も一定以上存在する。
・リーチャー
世界を股にかけて侵略活動を行っている悪の組織。
首領を頂点としてすぐ下に上級幹部。その下に直属の幹部、本部付き幹部、支部付き幹部、一般幹部、幹部候補生、一般職員と続いていく。ピーターは候補生から昇進したばかりの新米幹部。そこそこエライ。
侵略方法は場所ごとに各々の手法に任されている。主要都市で破壊活動を行い制圧する者も居れば、要人をピンポイントで暗殺、洗脳、懐柔等を行い裏から諸々を牛耳る者も居る。また、何年もかけてじっくりと対話、地域との融和、最終的に世界のあちこちに根を張って日常と一体化しつつ侵略する穏健派も居る。ピーターはこちらの派閥。
侵略の際はまず事前に調査隊が派遣され、その国の環境、人口、治安、風土、科学力その他諸々を調査する。その調査結果によってまず侵略するかしないかが決定され、その後調査隊がそのまま侵略を務めるか一時撤退するかはケースバイケース。
・邪因子
リーチャーのメンバーは全員邪因子と呼ばれる細胞を身体に投与されている。これは首領の細胞を加工した物であり、適性のある宿主の身体能力を格段に跳ね上げ、一部老化防止効果もある。よって職員……特に幹部以上のメンバーの年齢は見た目と違う場合が多い。ピーターは見た目は二十歳程だが……。
邪因子の適性、及び活性化率が一定以上を超えると、宿主は変身が可能になる。これは魔法少女のそれと違い、自身の肉体そのものを一時的に変異させるものである。それを人間を辞めると取るか、人間から他の何かに成れる能力を得たと取るかは人による。
邪因子による変身も魔法少女のそれと同じく、全く同じ変身体はない。ただしある程度~~型等で共通点から区分はされる。基本的には動物をモデルにした姿が大半だが、水や煙といった気候や現象をモデルにした姿になる者も居る。
適性がない者が邪因子を投与されると、高熱や全身の激痛等体調不良を起こす。そして、場合によっては死に至る危険もある。極論大都市の真ん中で超広範囲に邪因子を散布すれば、それだけで生物災害の如き様相を呈し比較的簡単に制圧出来るだろう。ただし首領自身がそういった無秩序な邪因子の拡散を禁じている。首領が望むのは殲滅ではないのだから。
また、邪因子は宿主の精神面にも影響を与える。まず邪因子を宿す者は大本である首領の命令に逆らえなくなるが、こちらは首領本人のカリスマが非常に高いため実質有名無実。
肝心なのはもう一点。宿主の精神に悪を刻む事である。
自らの願いを、欲を、悪を見据え、認め、それに手を伸ばす事の出来る精神性。己が善性を保ちながらも、個人の悪の為に大衆の正義を敵に回す事の出来る信念。成すべき事の為に、犠牲を許容してでも前に進む鋼鉄の意志。それらの種を強制的に植え付ける、例えるなら洗脳ならぬ精神の侵略。(婉曲的に言えば、身体強化や変身能力も相まってインスタントダークヒーロー製造能力)
・魔法少女と邪因子の両立について
魔法少女に邪因子を投与した場合、聖石と邪因子の相性が悪いため反発し、平常時なら既に馴染んでいる聖石の方が上回って邪因子が消える。しかし聖石が損傷していたり、極度に魔法少女が弱っている場合邪因子は消えずそのまま残り、その状態が長く続いた場合……。
etc。etc。
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「……さて。今我々が掴んでいる事実と、我々から提供できる情報はこんな所でしょうか」
ぱちりとボクが指を鳴らすと、スクリーンに映し出されていた映像がスッと消え、閉められていたカーテンが開かれ外の光が部屋を照らす。
ここはとある高層ビルの一室。交渉にはこういう演出が大切なのだと、裏方としてメレンが諸々操作しているので、実質この部屋にはボクと交渉相手の二人きりである。
「勿論現状では推測に過ぎないそちら側の事情も、こちら側のまだ語っていない事も多々ありますが、ひとまず見せ札としてはここまでに」
ボクはそう言いながらゆっくりと、敢えて余裕ぶった態度で交渉相手の対面に座る。せめてそのくらいは出来ないと、目の前の相手にはすぐに食い散らかされそうだから。
「さあ。互いにとって、良い関係が築けるよう話し合いましょうか。永星静さん」
政府高官にして辣腕の切れ者。アズキちゃんのママに対し、ボクはゆっくりと笑いかけた。
ただの設定集だと思った? 残念。偉い人へのプレゼンでした!
まあ全てこのまま教えた訳ではなく、リーチャーや邪因子の辺りはかなりマイルドに説明していますが。
ネルとアズキがキャッキャウフフしている裏で、大人はこうして話し合いを頑張っているのです。
それと私事により、次回の投稿は少し遅れます。ちょっとインでフルな奴と戦っていますので。
読者の皆様にはしばしお待ちいただけると幸いです。温かいお言葉なんかとても心の応援になりますので是非よろしく!




