第九十九話 「強者の風格」
「ほんとあり得ないんだけど」
待機室に戻るや否や、どかっと椅子に座り込んで不貞腐れる水世。
そうなるのも当然で、特定の相手との試合を避けるため事前にポジション変更を行ったというのに,、なんの偶然か相手も同じように入れ変わっていたのだ。
「B組にも特殊な眼を持つ者がいるのだろうか?」
「単に聞かれてたんでしょ、私たちの会話が」
「聞かれてたって……あのとき廊下には誰もいなかったはずだぞ」
今朝の光景を思い出しながら否やを唱える智也に、依然として水世はしかめっ面だ。
その態度から考えていることを読み取って「まさか」と声をあげる。
「クラス内にいるって言いたいのか?」
「それ以外に何が考えられるのよ」
「こっちの思考を全部読まれてた……とか」
「それこそあり得ないわね」
何を根拠に断定しているんだと、智也は眉をひそめながらもう一度記憶を辿る。
考えてみれば、優勝商品が貰えるのはクラス単位ではなく出場者のみに限られている。とどのつまり、他の生徒にとっては五人が勝とうが負けようが何のメリットもないのだ。選抜入りを目指していた者が願い叶わず落選し、その妬み恨みで事に及んでいても何らおかしくはない。
とはいえ確証はないし、記憶の中で訝しんだ人物の名をここで挙げれば、後でその者が水世に何をされるか分かったものではない。智也は気付かぬ振りをして、会話を続けた。
「クラスメイトに情報を流される可能性なんてまるで頭になかったが、仮にそうだとしたら……それは俺の不注意でもある。申し訳ない」
「謝ったところで状況は変わらないわよ」
相当嫌なのだろう。いつも以上に言葉にトゲが感じられる。
今の水世はさすがに手に負えない。雪宮なんて完全に萎縮してしまっているのだ。智也も、それ以上はなにも言葉にできなかった。
✱✱✱✱✱✱✱
「しっかしこうして改めて見ると、ほんとちっこいのなーお前。身長何センチ?」
「……」
「いやどーも、相当嫌われてるなこりゃ」
割れんばかりの歓声が響く中、茶髪の生徒がため息混じりに下を向く。
やたらと背の高い男だ。噂によれば彼も留年している身らしいが、その点を考慮しても文字通り周りより頭一つ飛び抜けているほどに。
そんな高身長に加えて美形と来たら、女子からの人気は必然的に高くなる。少々難ありなド直球な性格も、裏表がないと捉えればそれは長所になるか。
「昨日の試合見てたけど、ありゃ相手が悪かったな。俺も、あんな化け物とはやりたくねーなー。心中お察しするわ」
「名前も知らない人にお察ししてほしくないっス!」
が、相性が悪かったのかタイミングが悪かったのか、七霧とのファーストコンタクトは失敗に終わり、舌出しを喰らって毛嫌いされていた。
「ま、戦いに来たんだから別にいいけどよ。けど、いつまでも感傷に浸ってるだけじゃあ気分は晴れないだろ?」
「――決勝戦、第一試合。七霧零VS裏瀧司。始め!」
好戦的な笑みを浮かべる裏瀧。その直後、審判から試合開始の合図がなされた。
昨日とはまた異なった緊張感をはらんだ会場の空気。それが、待機室にいる智也にも伝わってきた。
「Reve16【半月切り】!」
初戦の失態を顧みてか、すかさず後ろに飛び退きながら七霧が半月型の斬撃を放つ。
裏瀧はそれに水属性の防御魔法を合わせて防ぐと、続く五指から打たれた二の矢を身熟しで躱していく。
「へぇ、お前も使えるのか」
感心するような反応を見せつつ、事もなげに次々と襲い掛かる稲妻を見切る裏瀧。射出速度だけで言えば、無改造でも並の中級より速いその魔法を。
やがて攻撃の手が止まると、今度は七霧へと大量の雨粒が打ち返された。
辛うじて、七霧が水の膜で身を守り、裏瀧は横に伸ばした右手をポケットに入れて片眉をあげると、ニヤリと笑った。
「いくら射出速度に長けてるっつっても、目が慣れてりゃあ訳無いぜ。にしても、電属性ってのは珍しいモンなんじゃないのか? こんな近くに三人もいるなんてな」
「Reve15【始電】」
「おっと、なんだよ……それ一辺倒か? さっきので分かったろ、その程度の魔法じゃあ簡単に」
「Reve28――【錨鋏】!」
コの字状に角ばった魔法が不意を打ち、裏瀧の胴を挟んで壁に磔にする。七霧は、すぐさま風の刃を生成するとその懐に飛び込み、それを横に振るった。
――黄色の瞳の中、白い雲がたゆたい、流れていく。
そんなゆったりとした時の流れを感じたのは一瞬で、宙に放り出された矮躯はすぐに真下の地面へと叩きつけられた。
思わず掠れた声を漏らす七霧に、裏瀧が空いた手を首に当てて嘆息する。
「やれやれ……あの先公はどんな意図でこれを選抜したんだ? まさか電属性ってだけで贔屓されたわけじゃあないよな……」
観覧席の方へと胡乱げな目を向けて、そこから正面へと視線を戻し、右手に握った大剣を肩に担ぐ。
「『雷鳴剣』!!」
そこへ、黒い渦から召喚した剣を携え、負けじと七霧が突っ込んでいった。
しかし振り下ろしを大剣の腹で受け止められ、そこへがむしゃらに得物を叩きつけるが彼の腕力ではイマイチ重さに欠けて。最後の渾身の一振りも、鍔迫り合ったのは一瞬ですぐに身体ごと弾かれ再び吹き飛ばされた。
「わりぃがチャンバラごっこに付き合ってやれるほど、俺は優しくはない」
二転三転して地に塗れる七霧。その無様に横たわる姿に瞑目し、裏瀧は手短に具現化させた火球で幕切れとした。
「――Reve15【始電】!」
うつ伏せのまま、腕だけ伸ばして迫る火球を間一髪迎撃する。
そうして得物を地面に突き立てて、ふらつく体を押し上げ七霧は立ち上がった。
「道場で習わなかったか? 刀を杖がわりにするなってさ。いや……そのナリで心得てるわけないか」
「このままじゃ皆の元に帰れないっス……!」
「……威勢の良さは認めるが、それじゃあただの空威張りだぜ」
懲りもなく立ち向かってくる七霧に裏瀧は肩を竦め、ため息混じりに言霊を唱えた。
「……【面隠し】」
ゴボゴボと、陸にいながら水中で息を吐いたような音がして、見れば七霧の頭部だけが水の塊に覆われていた。
足を止め、被せられたソレを外そうと、慌てて持ち上げた手が輪郭を掴めず水の中に貫通する。
振り払おうが押し引きしようがガワに干渉することは叶わず、水面を叩く音だけが虚しく響く。
「――なるほど、実に合理的な魔法だ。アレを維持している彼の気を散らすことができたなら、或いは牢から脱することも可能だろうか。いやしかし……あの状況で冷静な判断ができるかどうか……」
悠長に分析している場合かよ、と向かいに座る久世へと心の中で怒りをぶつける。
がしかし、実際のところ見ている側の智也たちにはどうすることもできないのだ。それでもじっとしていられず、智也はその場に立ち上がる。
「あのままじゃ……七霧……」
徐々に肺の中の空気を失っていき、苦しみもがく姿はあまりに痛々しい。
常人なら水中で二分間息を止めていられれば長い方だ。そのうえ不意を喰らって大量の空気を吐き出してしまったとなると、もう長くは持たないだろう――――。
「決勝戦……勝ちましょうね。自分、頑張るっスから」
そう言って、自分と拳を合わせて微笑んだ彼の顔が不意に脳裏を過った。
ほんの少し前の出来事だ。三叉路で顔を合わせ、教室までの短い道のりを共にした間の。
「――そういや七霧、昨日屋台にラーメン出てたけど知ってるか?」
「え、そうなんスか!?」
「ほら、ちょうど向こうに暖簾が見えるだろ?」
校門をくぐり、思い出したように話題を振る智也。
記憶の中、自分の指先を辿って件の店を見つけた彼の表情が、見るからに嬉々としたものになっていた。
まだ開店前だというのに、今すぐにでも店頭へと走っていきそうなほど興奮しているのが分かった。
「好物だもんな」
「でへへ、気付かれたっス?」
「その顔みて分からない奴なんていないよ」
これでもかと目を爛々とさせる姿には、思わず智也の口元も綻んでしまう。
「まだもう一日あるし、後で行ってみたらどうだ?」
智也の提案に「そうっスね~」とどこか上の空な返事。
もう食うことしか頭にないのかと一瞬思ったが、何か閃いたように手を叩くと、彼は満面の笑みでこう言ってきた。
「じゃあ、今日の試合で勝てたら黒霧さんが奢ってください!」
智也はそれに、二つ返事で答えて笑みをこぼした。
――力の抜けた手から得物が滑り、音を立てて地面に落ちる。
思わず目を瞑る智也。あわやというところで、七霧は最後の力を振り絞り、裏瀧に向けて手を翳していた。
ごほごほごぼ、と泡がこぼれ出ただけで正確な音は拾えなかったが、それでも彼の手には火球が具現化していて、それは確かに対象に向けて放たれた。
「……」
ギリギリまで引き付け、既のところで水の膜を展開。火球は敢えなく下火になる。
同時に、七霧を苦しめていた魔法も飛沫となって消えたが、既に気を失っていた彼はそのまま横転し、
飛んできた担任によって会場の外へと運ばれた。
――先鋒戦。勝者、裏瀧司。得本数「二」。
無言で席を立つ水世。
その立ち姿から、踏みしめるその一歩から、体の芯を震えさせるような冷気を感じて男共は慄然とする。七霧のことが心配ではあったが、気迫に当てられ智也の体は凍ったように動かなかった。
もしも今の水世の行動を阻害しようものなら、ここにいる三人が先に始末されることになるだろう。
「恭吾くん!」
「大丈夫だ、溺水したわけじゃない。呼吸もしてる」
誰もいない静かな闘技場のエントランスにて、慌ただしい足音が響く。
駆け付けた白衣の女性。その人物に手短に状態を説明して、灰の眼の男は壁に座らせた教え子を思案顔で見つめる。
「げほっ、げほっ」
「七霧くん、大丈夫ですか?」
と、軽く咳き込んだ七霧に寄り添った女性がその背を支え、そのまま視線だけ男の方へ向けると、怪訝な顔つきで問いを投げた。
「誤嚥したんじゃないんですか?」
「普通の水を誤嚥したなら問題だが、あくまで魔法で具現化させたものだからな。おそらく元が消滅したタイミングでそっちも消えたか、体内の魔力に分解されたんだろ。まったく……とんでもない物を考えやがる」
「なるほど……ひとまず、七霧くんはこのまま安静にさせましょう」
「せんせ……い?」
二人の会話の最中、意識を取り戻した七霧がおぼろげな目で隣の男を見上げる。
優しい声色でそれに応じる担任と、身体を気遣う女性の言葉。そして、二つの意味で出た震えを帯びた声を片耳に、白髪の少女が素通りしていく。
袖付きの赤いケープコートにこれまた赤いマフラーを重ねて、しんしんと降る雪が如く静かな歩みで身を運ぶ風采は、どこか血に染まった雪景色を彷彿とさせる。
ゲート前に赴く少女。番人を務める若い男が、鬼気迫るその様相に震え上がっていた。
✱✱✱✱✱✱✱
「お互いに、礼」
「なに考えてんのか知らないけど、マジでキモいから」
開始前の作法をぶっ飛ばし、傲慢無礼に毒舌を振るう水世。昨日との変わり様には、審判も思わず驚き顔だ。
「いや、俺は……神崎さんが、お前と戦えって言うから」
「だから? 承諾したのは自分でしょ。言ったはずだけど。二度と私にその面を見せるなって」
「仕方ないだろ、俺だって怜となんて戦いたくないよ」
「――気安く私の名を呼ぶな」
「……空気わる。誰か代わってくれよ」
向けられた毒意にそれでも懸命に弁明しようと口を開くが、男子生徒が言葉を紡げば紡ぐほど水世の機嫌を害してしまう。
間に挟まれた審判は、心底居心地が悪そうな顔をしていた。
「すみません。始めてください」
「……ったく、今年の新入生は曲者しかいないな」
唇をひと噛みして、小さく不満を呟いてから審判は開始の合図を告げた。
「決勝戦、第二試合。水世怜VS赤来修斗。――始め!」
「Reve46【走り水】」
酌量の余地なしと、そう言わんばかりに速攻で打ち出された激流。
寸前まで怒りをあらわにして思うがままに毒を撒き散らしていたが、きっとこの組み合わせが確定した段階で打つ手は考えていたのだろう。
早撃ちで繰り出されたソレを躱すことは難しく、防げば白のときのように氷漬けにされて即試合終了である。
油断や加減なんて毛ほどもない、獅子博兎を体現するかのような立ち回りに、相手の苦い顔がちらと見えた。
水の勢いに押し出され、そのまま壁に叩きつけられる赤来。
どうやらされるがままに流されたようだ。
――いや違う。
激流に吞まれながら、彼は辛くも抗っていた。
「『竜顎炎吼』」
霞に構えた剣の切っ先。噴出された炎が言霊によって勢いを増し、瞬時に大量の水を蒸発させる。
瞬く間に白煙に包まれる会場。視界の悪い中、地を蹴る音が一つした。
「【雨燕】」
ほとんど聞こえない程度の声で詠唱し、生み出された水泡が弾丸の如く風を切る。
視認性の悪い霧の中の攻防。死角から放たれたその一撃は、炎を纏った刀剣によって断ち切られた。
「Espoir8【煽ち風】」
続けて、赤来を中心に渦巻く風が目障りな白煙を吹き散らす。
いつの間にか彼の背面に回っていた水世が視認され――智也は目を見張った。
「そうくると思ったよ」
しかし赤来は全て見透かしていると言わんばかりの表情だ。裏を取った水世と正対し、炎剣片手に直立の姿勢。あまつさえ、ここに来てもまだ戦いを避けようとしているらしい。
「なぁ、お前と戦いたくないんだ。降参してくれないか?」
対して無言の水世。その心中を推し量ろうと試みる。
相手を降伏させることができるのは絶対的な強者の特権だ。踏み出す一歩を恐れ、前に出ることを拒んだ弱者にそれを行使する資格はない。
――なんて、水世ならもっと短い言葉で心の臓を貫くような罵声を浴びせるだろうなと、智也は思索して、
「ほんとに哀れな男ね」
まさに想像通りの鋭利な言葉が飛び出した。
「真意は聞かないでおくよ」
それはなんの飾り気もない心からの侮蔑だと、何よりも冷たい眼差しが物語っており、無言のまま、ただ敵意だけが向けられる。
そんな水世に諭すような口調で赤来は語る。
「火と水だから、相性が有利だと思ってるんだろ? だったらそれは思い違いだよ。昨日の試合見てただろ? その戦い方じゃ俺は負けないよ」
「――【四分五裂】」
手のひらから放たれた水球が、宙を漂い、標的に迫る。
中途で破裂し、細かな散弾となって相手を蜂の巣にする、先の十二番のもう一つの改造だ。
それに赤来は炎剣を振り下ろすことで、描いた軌跡が水球を両断、跡形もなく焼き尽くした。
「だから言っただろ?」
「【霧雨】」
綽綽とした態度でなおも対話を望む赤来。
突としてその背に走った衝撃に顔を歪ませ、目を白黒させながら狼狽する。
「……は? え、なんで……? 後ろ……?」
何が起きたのか分からない。そんな風な間抜けな面をしているのは、この闘技場の中でたった一人だけ。
ずっと水世は刃物をあてがっていたのだ。いつでもその首を切り落とせると、そう嘲笑いながら。
獅子博兎を思わせる戦いぶり――それは大きな間違いだった。
水世にしてみれば、兎を仕留めることなど狩りとも呼ばないらしい。
「水世、二本。勝負あり!」
「ちょ、待ってください! まだ終わってな」
言い切る前に、赤髪の審判から「後ろを見てみろ」と手振りで示される。いま一つ釈然としない様相で振り向けば、情けない男の背から剥がれ落ちた紙片がそこに見えるだろう。
信じ難いといった顔をする男に、水世は吐き捨てるように一言呟いて颯爽と会場を出ていった。
「腑抜けなお前には刀剣より鍬がお似合いよ」
――次鋒戦。勝者、水世怜。総得点数「二」対「二」。
✱✱✱✱✱✱✱
「見事……という一言に尽きるね」
「確かにそれ以外の言葉は思い当たらないな……」
昨日の予選に引き続き、またしても無失点での完全勝利。今回に至っては一割の力も使っていないはずだ。
その圧倒的すぎる強者の風格に、智也たちは敬服の念さえ抱いていた。
「そうだ、七霧」
弾かれたように立ち上がる智也。つい試合に魅入ってしまったと、急いで待機室の扉を開けようとして、薄青の瞳と鉢合わせる。
お早いご帰還だ。それだけ同じ空気を吸っていたくなかったのだろう。水世は怪訝に眉をひそめると、智也に向かって口開いた。
「どこ行くのよ」
「あぁ、いや、七霧が帰ってこないから」
「来るわけないでしょ。そんなことも分からないわけ?」
さっきより言葉のトゲが鋭くなっている。あれで鬱憤は晴れなかったのか、こちらの方へ怒りを向けないでほしいと思う智也だったが、水世は極めて冷静だった。
「連日連戦無得点の惨敗。A組の恥晒しもいいとこじゃない」
「そんな言い方しなくてもいいだろ」
「自分がもしその立場だったらどうなのよって言ってるんだけど?」
そこで初めて水世が言わんとしていたことを理解して、智也の思考回路は凍り付く。
じわじわと氷が解けていくように、七霧の気持ちを慮れば、智也の心にも痛みが広がった。
「それにアンタが行ったところで何ができるのよ」
「分からないけど、友達なんだしほっとけないだろ」
「一人にしてあげるのも優しさよ」
澄ました顔で定位置に座ると、水世は顎を使って左方を示す。
見れば、無口な少年が智也の顔をじっと見つめている。扉の前で突っ立っていた手前、邪魔をしてしまっていたようだ。
「次の試合だってすぐに始まる。人の心配なんてしてる暇はないわよ。アンタは、自分の身を案じてなさい」
そう言って腕を組むと、水世は視界から全てを消し去った。どうやら反論は受け付けてくれないらしい。
と、場所を空けても石造のように微動だにしない雪宮。ここを通りたかったわけじゃないのか、と智也は心の中で呟いて、
「……」
何か発言しようと開いた口は、しかし何の音も奏でることなく再び噤まれ、彼はそのまま外に出て行ってしまう。
片目を開けた水世がそのやり取りに対し、呆れたように小さなため息をこぼしていた。
「第三試合、雪宮蛍VS灰川真緒。――始め!」




