第七十七話 「光芒一閃」
激流の如く解き放たれた魔力が瞬く間にあらゆるものを蹂躙した。
蒼白い光が過ぎた跡、焼けた地面からは白煙がたなびいており、風に乗って焦げた匂いが漂ってくる。
――凄まじい破壊力だ。
その衝撃もさることながら、一瞬の閃光と共に再起不能にされたクラスメイトの姿に驚愕し、智也は――いや、智也たちは開いた口が塞がらなかった。
「七霧……!?」
「七霧くん!」
「ウソでしょ……なにあの魔法」
「し、紫月さんと七種さんまで……」
視線の先、地面に横たわってピクリとも動かない三人の姿があり、先の一撃でその意識もろとも吹き飛ばされたのだと知れる。
そして標的にされた第一部隊の中で、辛うじてあの脅威からまぬかれていた二人の存在――その内、薄水色の瞳を見開いて立ち尽くしている水世の様相に、智也は滝のように汗を流した。
「――ちょっと不知火さん、こっちに撃つなら先に言ってよ!」
「ごめんね宮本さん。桃ちゃんどうしたの? A組のリーダーは久世くんって話だったと思うけど」
「我の直感が異を唱えておるのだ!」
「まさか、あれを使って……」
あわや心臓が飛び出そうだと思いながら口元に手をやりつつ、智也は遠巻きに黒紅色の髪の少女を見やる。
どうやら今の一撃を放った人物――不知火と、陣の先端に立っていた女生徒が揉めているようで、その間に入った白が仲裁している様子。と言っても不知火の方は、女生徒のことなどまるで見ていないようだが。
「かの封印は解いておらん。真の奥義というのは、そう容易く見せびらかすものではないのだ」
「……そっか。できればそのまま使わないでおいてほしいんだけど」
「ククク……案ずるでない葵ちゃん。そこに至るまでの相手など、そもそも存在せん」
そう言って不安そうな表情を浮かべる白を手で制して、不知火が得意げに笑う。
そのやり取りを横目に見ていた五十嵐が、前方を警戒したまま問いを発した。
「説明願おうか、不知火君。今のでは宮本君も釈然としないだろう」
「なに、簡単なことである。あの男よりも、そちらの女子の方が強そうだと我は直感したのだ」
「この場で力の差になんの問題があると?」
「あれだよね桃ちゃん。あっちの強そうな女の子が、向こうのリーダーだと思ったんでしょ?」
五十嵐の気遣いにずっと不服そうにしていた女生徒が朗らかな顔になり、しかし追究された問いに対して不知火の答弁は本質を捉えていない。
その足りない言葉を補おうとする白の尽力により、辛うじて不知火の意図するところは伝わったか。
「なるほど。しかしその人物は討ち取れていないようだけれど」
「急に狙いを変えたから手元が狂ったのだ。次は外さぬ」
「そもそも、本当にあの子がリーダーと仮定していいの? 疑うわけじゃないけど、まるで桃ちゃんの攻撃に反応できてなかったよ?」
「然り、彼女がリーダーであるならば咄嗟に我が身を守っていたはず……或いは、本当にただ愕然としていたのか――」
白い頭の厚着の少女を見やり、そう推論を立てていた一同。
そこへ襲い掛かった半月型の斬撃を、具現化した回転刃が切り払った。
ソレを放った橙色の髪の少女――というよりは、指示を出したであろう黒髪の少年を見やり、紺色の瞳が細められる。
「今ので相当余裕がなくなったとみえる。彼女が核であると断言できるのであれば、畳み掛けるが吉では?」
「どうなの? 桃ちゃん」
「うむ、実を言うとよくわからんのだ」
一応の軍師を務める者に視線が注がれるが、当人は真剣な顔でそう答える。
どうしてこの者に重役を任せてしまったのだろうかと、おそらく皆が思ったことだろう。揃って嘆息するクラスメイトに、さすがの白も擁護しきれないか。
「全く、君の放埓な言動には頭が痛くなるよ」
「だが事を急いて真実を見誤れば、それこそ愚の骨頂と化す」
「僕には二の足を踏むための理由作りとしか思えないけれど……方針が定まったのなら、お聞かせ願おうか、軍師殿」
一年C組の二大巨頭たる不知火と五十嵐。その間柄は極めて不安定な状態にあり、少し圧を加えるだけで容易くヒビが入りそうなほどだ。
その要因の一つに不知火の我の強さがあるが、それでも仲違いせずに折り合いをつけていられるのは、単純に五十嵐の器が大きいだけではないだろう。
「よくぞ聞いてくれた! これより第二フェーズへと移行する。狙うは白髪の女子と、紅き深影率いるあの部隊だ!」
「つまり、狙いが絞れないから同時攻撃を仕掛けるってことね」
「実に簡潔明瞭だ。しかしながら、彼を野放しにはできまい」
未だになんの手出しもしてこない藍色の髪の男を見やり、五十嵐がそう問いを投げる。それに「ククク」と喉を鳴らして、不知火は不敵な笑みを浮かべた。
「奴は我と葵ちゃんが抑えようぞ。五十嵐くんたちは、安心して背中を預けてくれて構わん」
✱✱✱✱✱✱✱
「三十三番の【風切羽】か……具現化まで早かったな」
「感心してる場合じゃないっしょ。水世さんがやられたらウチら終わりだよ??」
「でも、下手に守りにいったらそれこそ本命だってバレちゃうよね?」
国枝の視線に苦い顔を浮かべて、早くも陥った窮地にどう打開すべきか頭を悩ませる智也。
しかし相手側が打開策を閃くまで大人しく待ってくれるはずもなく、C組の連中は次なる手を打とうとすぐに動き出した。
「「Reve45【紅蓮弾】!」」
鶴翼の陣から密集陣形へと再び戻った集団、その先頭の男子生徒二人が水世たちに向けて紅蓮の火球を撃ち放ったのだ。
轟音を立てて迫るソレに千林が瞠目し、その肩を掴んで後ろへ追いやった水世が、ついと前に出た。
「Espoir38【輪花双翼】」
詠唱と共に両の手を交差させ、開いた五指が羽根を象る。そうして生まれた水の壁が大円を描き、その中心部で二枚の羽根が高速回転する。
まるで渦のように旋回するそこへ、紅蓮の火球が着弾。大きな水しぶきを立てて大円の中に飲まれた。
驚きの声をあげるC組の生徒。それに対して水世は冷めた眼差しを向けているが、それで攻撃は止まらない。
続けざまに旋風や土の塊が飛来して、またもやその対処に追われてしまう。
「やっぱウチらも加勢しに――」
「こっちにも来てるよ~!」
と、痺れを切らした東道がそちらへ駆け寄ろうとするが、本紫色の髪の男を筆頭に、二人の生徒が智也たちに向かって進軍してきた。
それにいち早く気づいた清涼の叫びに、智也は東道に目配せを送り、
「あーもう! Reve12【水風船/雨燕】!」
「「Espoir15【水膜】」」
放たれた弾丸に足を止めた五十嵐。それを守るように前に出た女生徒二人が、それぞれ水の膜を展開する。それで難なく対処すると顎を引く五十嵐の合図に、また駆け出して一気に距離を詰めてくる。
「ちょ、ウチ一人じゃ止めらんないんだけど!」
こちらのアタッカーが東道一人だと見抜いているからなのか、なんの恐れもなく向かってくる女生徒二人に、東道が動揺を示す。
そうして同じように水の弾丸が一発二発と撃ち込まれるが、軽い身ごなしによって躱されて――助太刀に入った国枝が、岩壁によって行く手を塞いだ。
しかし、あろうことか女生徒二人はその壁を飛び越えると、先頭にいた東道の身にしがみついて両腕が封じられる。
「「五十嵐くん、今だよ!」」
「女性に対して些か強引な手段ではあるけれど……先に卑劣な手を用いたのは君たちの方だ。――覚悟を」
「ちょ、待っ……」
二人の合図に応じて、壁の向こうで言霊を唱える五十嵐。
いきなりの襲撃に反応が遅れる智也たちを残して、容赦のない一撃が岩壁をぶち抜いて襲い掛かった。
✱✱✱✱✱✱✱
一直線に飛ぶ土の塊を、旋風が覆って二つの魔法が組み合わさる。
それは意図して狙ったのか偶然の産物か、どちらにせよ見たことのない魔法の扱い方に、白髪の少女は当惑しているようだった。
なにしろ風に煽られた土の塊が、不規則に暴れながら迫ってくるのだ。撃ち落とそうにも狙いが定まらず、そもそも制約によって攻撃魔法は使えない。かといって防ぎきるのも、容易ではないだろう。
そうして唇を噛んでいたとき、後ろに追いやったはずのクラスメイトが横に並び立った。
「Reve11【火弾】! と、Reve29――」
「【相縁気炎】!」
右手を伸ばし的を絞るように見据えたあと、具現化した火球の行く末には目を向けず、すかさず空いた左手を合わせて追加で魔力を注ぎ込む。
直後、荒れ狂っていた土塊が的確に撃ち抜かれて四散。続けて生み出された炎がさながら重なる手のように進路を塞ぎ、迫る旋風を受け止めた。
したり顔になる千林。水世はそれに目を丸くさせたあと、小さく「やるじゃない」と言葉を漏らす。
そのとき左に展開した第三部隊の方で土煙が巻き上がり、そちらに目を向けようとしたところで弾丸の如く速度で水泡が飛来する。
「【水膜】」
「中級魔法に続いて詠唱破棄かー。もしかして貴方も水属性の適性者なの?」
咄嗟に防御魔法を展開した水世に、いつの間にか歩み寄っていた柑子色の髪の少々――白が笑顔でそう尋ねる。
その後ろに控える二人の女生徒と、本隊の方で様子を窺っている四人とを見て、水世と千林は共に苦い顔を浮かべた。
「そんな怖い顔しないでよ。同じ水属性の適性者同士、仲良くしない?」
「生憎だけど、どこの馬の骨とも分からない連中と馴れ合う気なんてないわ」
「冷たいのねー」
「ていうか私もいるんですけど!」
まるで眼中にないと言わんばかりに疎外された千林が、そう憤りながら火球を放つ。
が、白はそれを一瞥するだけで適当にあしらわれ、水の膜を前に火球は虚しく消え失せる。
「他にどんな魔法が使えるの? 攻撃魔法は使わないの? それとも――制約で使えないの?」
「……」
「っ、久世くん――」
白の質問攻めに不快げに眉を寄せる水世の隣で、千林が助けを求めるようにその名を呟いた。
この状況下にありながら、先程からなんの行動も起こしていない第二部隊。当てにならない神童はともかくとして、彼は何をやっているのかと確認するように目を向けた千林は――かけられた言葉と共にその惨状を見て驚愕の表情を浮かべた。
「無駄よ。そっちの五人はしばらくあそこから出てこれない」
「そんな……!」
千林に倣ってそちらを横目に見る水世。そこには、正六面体の中に閉じ込められた第二部隊の面々の姿があった。
「補助魔法五十六番、【幽水】……」
「ご明察」
微笑みを浮かべる白を、薄水色の瞳が射抜く。
先の弾丸のように改造された水泡に、高度な水属性の縛魔法。どう見ても、相手も同じ水属性の適性者で間違いないだろう。
加えて攻撃魔法と補助魔法を併用しているということは、白に宛がわれた役職が、女王のそれであると証明されている。
「面倒ね……」
それは手強い相手と認識してのことか、それとも己に掛けられた枷についてか、水世が煩わしそうにそう呟く。
「もし貴方がリーダーでないのなら出し惜しみしないことね。――でないと、すぐに終わっちゃうから」
直後、C組の本隊の方から複数の魔法が放たれた。
それは紅蓮の火球であったり、旋風であったり、飛来する土塊であったりして、
「まさか自分たちごと狙うつもり!?」
「チームメイトの魔法じゃ有効打にはならない。それ以前に、わざわざ巻き添えを食う必要もないけどね」
意想外の強行策に千林が目を見開く。それを思慮が浅いと言わんばかりに肩を竦めて、白は両脇の女生徒に手を伸ばした。
「Espoir68【霞】」
突として、白を中心に三人の姿が灰色の靄のようなものに包まれる。
と、寸前まで眼前にあったその姿態はみるみるうちに薄れていき、やがて境目も分からなくなるほど半透明になると、背後に迫る複数の魔法がそこに透ける。
それらはまるで何の障害もないかの如く三人の影を貫通すると、千林と水世の不意を打った。
紅蓮の火球が燃え上がるのと同時、地面に着弾した土の塊が大きな音を立てて砕け、続く旋風によって炎が舞い上がる。
その旋風によって吹き飛ばされたのか、水世は壁に叩きつけられて苦痛に顔を歪めており、まともに爆炎を受けた千林が、その場に膝から崩れ落ちた。
「あら? ゲームが終わらない……もしかして、本当にリーダーじゃなかったの?」
「……」
二階の観客席にて右手を斜めに切っている灰の眼の男をちらと見て、次いで壁に倒れる少女を蒼い瞳が見据える。
――手応えはあった。
そう確信しているのが自信に満ちた表情から察せられる。それでも勝敗が決まらないのであれば、当てが外れたと推測するのが道理であろう。
靄に包まれていた三人の姿があらわになると、本隊の方へその旨を伝えようとして、白が後ろを振り返る――――そのとき、東ゲートの方で同じように火の手が上がった。
「まさか、こんなにも早く……!?」
「――Reve11【火弾】」
「その程度の火属性魔法なんて……!」
「待って宮本さん!」
五人を閉じ込めていた立方体が蒸発して、闘技場のおよそ半分が白煙に呑まれる。
その立ち込める白煙から飛び出した特大の火球に、女生徒が対応せんと言霊を唱えるが、水の膜を展開させたその者だけでなく後ろに立っていたもう一人をも巻き込んで、炎が天高く舞い立った。
「なんて威力……これが初級魔法……?」
目の前で倒れ伏す二人のクラスメイトを見やり、白がそう顔をひきつらせる。
視界の晴れたそこには、悠然と佇む神童が。
「いやぁさすが久世さん! って、神童なんでお前が誇らしげにしてるんだよ」
「ばっかお前、言わなきゃ分からなかっただろ!」
「いや、向こうのクラスも知ってるって。お前の痴態」
「痴態いうなし!」
急に騒がしくなった闘技場内。その主な原因である虎城と神童のばか騒ぎを聞き捨てながら、久世が周囲を見渡す。
「どうやらこの短時間で、随分と翻弄されたようだね」
「だが俺たちが解放された今、天秤はこっちに傾いたぜ!」
「どの口が言ってるんだよ、ほんとに」
「いかどうぶん」
久世に続いて意気揚々と語る神童に虎城が冷静につっこんで、それに栖戸が静かに首肯する。
そこへ、一人となった白が食って掛かるが、
「さすがは学園長の息子ね。君の噂はかねがね聞いているわ。是非ともお手合わせ願いたいところだけど……」
「生憎、役職が判明している相手と剣を交える道理がなくてね」
「ほんっとつれない人たちばかりね。でも、みすみす見逃すと思う?」
「――久世さん、ここは俺が」
久世のすげない返事につまらなさげに嘆息してから、白が怪しげに微笑む。それを見た虎城が一歩前に出ると、風の刃を具現化させて地を蹴った。
「私が誘ったのは君じゃないんだけど」
「分かっててもなんか刺さるなぁ……まぁいいけど!」
駆けながら一瞬苦い表情を浮かべて、手中の得物を顔の前で構える。
そんな虎城に対して白は距離を取ろうと後ろに飛び退き、代わりに本隊の方から半月型の斬撃が飛来した。
「Reve24【大名颪し】」
その斬撃を迎え撃たんと、切り立った三つの刃が地を駆け抜ける。
そして、牙を剥いた獣のように半月型のそれに噛み付くと、いとも容易く喰いちぎってそのままC組の本隊へ。
それを横目に見た虎城が口元に笑みを浮かべて、白へと距離を詰めて風の刃を振り切った。
――仕留めた。
そう虎城が口にした瞬間、下から迫る衝撃に右手を弾かれ、宙を舞った風の刃がその形を失い霧散していく。
見れば、足を高く上げている白がおり、すぐさま体勢を整えると虎城の懐に潜り込み、襟と右腕を掴んで体を回転させつつ投げの態勢に入った。
「え、え? え!?」
「せやぁっ!」
そうして訳も分からぬまま背負われて、目を回して倒れる虎城の顔面に拳が突き出される。
「ま、参りました……」
「か弱い女の子だと侮るなかれ、ってね」
手を払いながら立ち上がり、呆気なく横たわった虎城を見下ろす白。その背後では、幾重にも連なる岩壁が迫る刃を塞き止めていた。
「やはり遠すぎるか……」
対極に位置する集団と尻尾を巻いて逃げる虎城とを見て、久世がそう嘆息する。それから本陣の方へ歩み寄ろうとしたところへ弾丸が撃ち込まれるが、それは身を捻って難なくやり過ごした。
「忘れたの? 行かせないってば」
そう言って行く手を阻む白に久世が瞑目し、一拍おいてから開かれた瑠璃色の瞳の、その力強さたるや。
「Reve12【水風船/芍薬】」
「っ、Reve32【行雲群雨】!」
卓越した気迫に圧倒されつつも白は雨粒を具現化し、その手数と速度でもろともを弾き飛ばす。はずだったのだろう。
「押し返される……!?」
二十を上回る水泡――いや、水球とも呼ぶべき大きさに膨れ上がったそれらが圧倒的な質量と速度を以て押し詰まり、それに対処しきれないと判断してか、白は攻撃の手を止めると咄嗟に水の膜で身を覆った。
そのままの状態で爆風に吹き飛ばされる白。二転三転と地面を転がったのちに、すぐさま膝を立てて起き上がろうとするが、その膝がわずかに震えている。
「まさかこんな……」
でも、と言葉を続けて右手を翳し、魔力を集めて半月型の斬撃を放つ。
対して久世は二本指で空を切ると散布させた魔力が炎を生み出し、迫る斬撃への壁となって立ちはだかる。
「まだ! Reve20【水鞠】!」
今度はその炎の壁をくり貫いて水球が接近。
しかし溢れんばかりの魔力が回転する刃となって、渾身の一撃を木っ端微塵に砕いてみせた。
ひと月に満たないとはいえ、これまで同じ時間を共にしてきた智也たちは、その突出した才能にいつの間にか慣れていたのかもしれない。それが端から見ても異次元だということが白たちの反応から感じられ、改めて彼の異色さが身に染みた。
「悪いね」
短く告げて、具現化させた火球を放つ。
多種多様な魔法を操り我が物とする久世を前に、手の打ちようがないと諦めたのか白が目を瞑って――、
――刹那。黒い何かがその間を遮り、火球が真っ二つに断ち切れる。
そして誰もが目を見張ったその時、後方で茫然としていた銀髪の男が、呻き声をあげて倒れていた。




