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第五十四話 「暗い海を照らす灯火」



 魔導具『甘い誘惑(イベリス)』の効果は覿面で、二人の魔力はあっという間に全快となった。

 そのあと、変な誤解を生まないよう周りの目を気にしながら倉庫からの脱出に成功。その様子に首を傾げつつ、紫月も智也の後を追ってきた。


「それで、使える魔法は?」


「えっと、まだ練習中なんやけど水属性が四種類で、あとは十一番と十六番が少し……かな?」


 先生との交換条件で『魔導具』の使用許可をもらう代わりに、紫月の練習に協力することになった智也。しなくていいならしたくないのが本音ではあったが、もはや前言を撤回することなど不可能だ。

 そんな一抹の後悔を胸に、投げかけた質問に対する紫月の返答が、智也の眉間に皺を作らせた。


 初級魔法として『魔導書』に掲載されているのは十一番から二十九番までのもの。

 そのうち各属性が、ほぼ均等に記されている。つまり、一つの属性に四種類の魔法があるわけだ。


「……? どうしたん?」


「いや、なんでもない」


 無属性である智也に扱える魔法は、一番得意と思われた火属性でさえ一種類。むしろ数で言えば、今のところ智也も水属性が二種類と一番多い。

 だがそれは、決して水属性の魔法が簡単だからという理由でないことを、智也は知っている。


 だからこそ、自分の強みをちゃんと持っている紫月が、今の智也にとってどれほど妬ましく、そして恵まれていることなのかきっと分からないだろう。


「それだけ扱えれば、十分戦略は組み立てられると思うが」


 自然と言葉に嫌味がこもり、冷たい口調となる。それを自覚したところで、智也はふと大事なことを思い出した。

 作戦を考える上で最も重要なのは、相手の情報だ。


 ――そう、紫月の対戦相手が水世だということを、智也は今の今まで失念していたのである。正確には、興味がなかっただけかもしれないが。


「……相手は水世だったか」


「うん……」


 関心の有無以前に、そもそも智也は自分のことで手一杯だった。

 それにしても、よくよく考えれば悪意があるとしか思えない采配である。


 同じ適性を持つ紫月と水世。

 扱える魔法の種類に多少の差こそあれど、戦いの主軸となるのは、やはり水属性だろう。

 故に二人の勝敗を大きく分ける要因となるのは、間違いなく魔力の総量なのだ。


 正直、勝ち目がないと智也は思った。けれどそれを口に出すことはできない。

 それは紫月を傷つけることになるからか。


 ――違う。


 歴然とした経験の差。簡単には埋まらない魔力の総量。自分より圧倒的に勝る、戦い方のセンス。

 その懸絶した実力の差が、まるで智也と藤間のようだったからだ。


「……まず、相手が同じ適性持ちなら、水属性だけじゃ絶対に勝てない。特にあいつは自信があるようだったしな。そのためにも、他の属性の練習を最優先でするべきだ」


「水属性に有利な風とか電属性ってこと?」


「電属性は適性持ちじゃないと難しいんだろ? 今日明日でできるものじゃない」


「じゃあ風属性を――」


「練習するのはいいけど、それくらいの考えなら、普通に読まれるって思っておいた方がいいぞ」


 智也はそのとき、自分の中でなにかスイッチが切り替わった感覚を得ていた。

 まるで自分たちのようだと思ってしまったせいで、変な意識をしてしまったのだ。

 そして動機がどうであれ、目の色を変えてやる気の片鱗を見せた智也に、紫月はそこはかとなく喜んでいるように見えた。


「なんか難しいね」


「でも勝ちたいんだろ」


「――うん、勝ちたい」


「だったら最善を尽くすだけだ。……とりあえず俺も自分の練習がしたいから、考えながらやろう」


「わかった。頑張ろな智也くん!」


 花が咲いたような笑顔を一瞥して、特に言葉を発さず智也は練習を始めた。


 主な練習内容は、十三番の【風牙】をものにすること。

 何度も繰り返した手順を追い、そして何度も失敗を重ねる。それでも、きっと努力が実を結ぶと信じて、智也はひたむきに取り組んだ。


 一方、智也に触発されてか気合の入った紫月は、一先ず風魔法の練習から始めるようで、『魔導書』を取り出して読んでいる状態だ。

 今のところ授業内では、十三番と十六番の二種類しか教わっていない。そのため他の風属性の魔法を扱うには、こうして『魔導書』片手に独自に練習するしかないのだ。


 しかしやはりというべきか、個人練習ではうまくいかない者が多い。だから先生が見回ってくれているのだが、さすがに十五人を見るとなると時間がかかる。

 智也はまだ何のご指導も受けられていないが、さっきのがその見回りに入っているのなら、次に先生が来てくれるのは何時になるのか。

 こっそり個別指導を受けているので止む無しとも思えるが、問題なのは紫月の方である。


 先生の手がしばらく空かないだろうことを考えると、解決の糸口は智也が見つけなければならない。

 しかし、自分に扱えない魔法のアドバイスをどうすればよいのか、智也は困難を極めていた。

 そうして紫月の方を気にかけながら自主練をして、回復したばかりの魔力がすぐに底をつく。

 失敗した回数は、五十に差し掛かろうとしていた。


「はぁ……」


 ため息を溢して、壁に寄り掛かる。


 ――悲観して泣き喚くだけなら誰にでもできる。


 紫月に対して放ったその言葉は、知らず知らずのうちに自分の首を絞めていた。


「あーもう、上手くいかへん。なんでなんやろ……」


 先に魔力が切れた智也は、休憩がてら練習風景を眺めることにした。

 と言っても、同じZランクなのだから紫月の魔力もすぐに切れるだろうが。


 練習しているのは、まだ授業で教わっていない二十四番と二十六番の魔法だ。

 前回の自主練や朝練の際に智也も試しているが、見事に二種類とも失敗に終わっている。

 つくづくセンスのなさに苛まれるが、考えていたって仕方ないとかぶりを振って、一つ、詠唱を唱える。


「Espoir6【ゲート魔導書リーヴル】」


 手のひらに生まれた黒い渦から、至極色の書物が姿を現す。

 自分でそれを取り出しておきながら、智也は少し驚いた。

 なにせ、既に魔力は使い切ったのだ。本当ならこれ以上は魔法は使えないはずなのである。


「もしかして魔力量が増えて……?」


 推測というよりほぼ願望であったが、その線は薄いだろう。

 何故ならこの短期間で『魔臓』が成長したとは思えないし、それで変に期待をして、外れていたら余計悲しくなるだけだ。

 どちらかと言えば物を出し入れするだけの魔法ゆえ、消耗する魔力が少なかったのだろう。智也は、そう結論付けた。


「……」


 書物をめくっていた手を止めて、そこに描かれている内容に目を通す。

 一頻り読んだあと、静かに『魔導書』を閉じて、智也は重い身体を押して紫月に歩み寄った。


「あ、智也くん。風属性の魔法って難しいね……適性がないだけでこんな変わるもんなんかな」


「人には得手不得手がある。魔法も、その例外じゃないんだろ」


「そっかぁ。でも、努力すれば苦手も克服できるんやよね!」


 希望に満ちた眼差しを向けられ、智也は思わず逃げるように目を伏せた。


「――ある程度はな。けど、努力すればなんでも願いが叶うわけじゃない」


「え……」


「限度があるって話だよ。二十四番の方が難易度も低そうだし、そっちから練習したらどうだ?」


「そっか、やってみるね!」


 一瞬困惑するような、悲しむような表情になったが、智也の提案に納得する素振りを見せると、紫月は笑みを浮かべて準備に入った。

 智也は静かに、それを眺める。


「Reve24【大名颪し】!」


 右手に集められた魔力が、その全容を見せることなく散っていく。


「あーまた失敗した」


 それは、智也が試した時と全く同じ失敗の仕方だった。

 ということは――二人とも同じ間違いをしている可能性がある。


 教本に記されている通りにやって失敗するのなら、いっそ常識を外れて、型を破るのもありなのではなかろうか。

 そんな思考が、智也の頭を過る。


「試してみてほしいことがある」


「ん? どんなこと?」


「『魔導書』の説明って覚えてるよな」


「えっと、集めた魔力を三つに分けて、それぞれ刃の形を模して放つ……んやよね?」


 言いながら、自信がなくなったのか持っていた書物を確認する紫月。

 別に確かめずとも間違ってはいないが、問題なのは二人とも、何らかの手順を誤っているかもしれないということ。

 それが何なのか、先生がいればきっとすぐに解決してくれるのだろうけど、今は頼れない。

 そうして頭を悩ませていた智也は、ふと、朝練での話を思い出した。


「放出型と装備型……」


 十八番の魔法について指導を受けていたとき、智也はある勘違いを指摘された。

 その話では魔法にも型というものが存在し、魔法式に組み込まれたその方式に反すると、上手く具現化できないとのことだった。


 つまり、二十四番の魔法が失敗する原因は、定められた方式に反しているからなのだ。

 手順通りにやってもできないなら、いっそ型を破ってみようなんて考えたが、そもそもが間違っていたわけである。

 とはいえ智也は、話に聞いた二種類の型しか知らない。それも先生が便宜上そう呼んでいただけで、『魔導書』にその旨が記されているわけでもない。


 そして何より、二十四番の性質を鑑みると、やはり前者の方で合っているとしか思えなかった。


「その思い込みが失敗を招いていたんだ……」


「何か分かったん?」


 顎に手を当てて押し黙る智也の顔を、紫月が覗き込む。

 先ほど智也が考えていたのは、いっそのこと装備型の手順でやってみてはどうなのかという、型破りな案だった。しかしおそらくは、放出型と装備型、そのどちらでもないのだろう。


「魔法だろうが型だろうが、全く新しいものを作ることは難しい。何かを生み出すためには、元となる材料が必要になるはずだ。裏を返せば、異なるものを掛け合わせることで、新しいものは生み出せることになる」


 青い瞳が、爛々と輝いた。

 考えに耽っていた男が答えを導き出して、その結果なにが生まれてくるのか、まるで期待するかのように。


「――放出型と装備型を掛け合わせる」


「えーっと、放出? 装備……?」


「十八番の魔法、使えるよな」


「あ、うん……知っとったんやね」


 最初に智也が扱える魔法の種類を尋ねたとき、何故か紫月は十八番を除外していた。

 嘘をついていた――というよりは、智也に気を遣っていたのだろう。

 それに関しては、いまはどうでもいい。それより智也は、導き出した答えを試してみたい気持ちが大きかった。


「まずはあれと同じ感じて魔力を手のひらに纏わせてほしい」


「わかった。やってみるね」


 授業で習った装備型の攻撃魔法は二つある。現在進行形で智也が苦戦している、十三番と十八番だ。

 前者は纏わせた魔力を小刀の形に模して、その形状を維持させたまま武器として扱う魔法。

 後者は纏わせた魔力を八つに分解し、具現化させた小さな火の玉を投げて攻撃する魔法。


 それに倣って形状をイメージし、纏わせる段階は過ぎた。そのまま言霊を唱えれば、装備型の手順しか踏んでいないためきっと失敗するだろう。

 まだ足りない、集めた魔力を放つ必要がある。しかし、ただ撃ち放つだけではそれこそ放出型と変わらない。二つの型を、混ぜ合わさなければならないのだ。


 そのとき『魔導書』に記されていた一文が、智也の脳裏を掠めた。


 ――三つに分かたれた魔力が刃となって駆け抜け、対象を切り裂く。


 纏わせる。放出。駆け抜ける。頭の中でそれらを組み合わせたとき、一つの型が生まれた。


「下から上に腕を振って、纏わせた魔力を放出――いや、散らすんだ!」


「うん! Reve24【大名颪し】!」


 放出と装備。その二つを掛け合わせた新しい型。

 それにより、振るった紫月の右手から散布された刃の形を模した魔力が、三つに分かたれて地を駆け抜けていく。

 そのまま壁に当たって霧散してゆく様を、二人揃って呆然と眺めていた。


「え、できたよ……? できたよ智也くん!」


「あ、あぁ……そうだな」


 前提として成功を願った練習ではあったが、できなかったことを可能とした喜びよりも、まず実現した驚きの方が先に来た。

 やがて現実に脳の処理が追いつくと、理解と共に感動が込み上げてくる。

 智也は静かに感銘を受けて、その横で紫月が、両手を上げて喜びを表していた。


 そして、今の感覚を忘れないようにと動き、二度目も無事に成功したところで紫月の魔力も底をついた。


「……すごい、すごいよ智也くん。教えてもらった通りにやったらほんまにできたもん」


「いや、問題なのはここからだ。俺たちはまだ、あいつらと同じ土俵に上がるための準備をしているだけに過ぎない。――それでも、着実に前進できているとは思うが」


「間違いなく前進しとるよ! だってこんなに頑張っとるんやもん。……きっと努力が実を結ぶって、私は信じとるよ」


「……。とりあえず休憩しよ。まだまだやるべきことは多い」


 そう言って二人は再び倉庫へ向かい、魔力の回復に専念した。

 そして回復しては消耗を繰り返し、そのあともずっと二人で練習を続けたのだった。



 ✱✱✱✱✱✱✱



「午前の授業は終いだ。全員、飯食ってスタミナ回復してこい」


「――Reve13【風牙】」


 果たしてこれで何度目になるのだろうか。

 もはや数えることもままならないほど失敗を繰り返し、更にまた一つと積み重ねたところで、先生から声がかかった。


 周りを見回すと、疲れ切った表情を浮かべ、とぼとぼと体育館から出ていくクラスメイトの姿が目に映る。

 国枝や七霧、そして紫月が出ていったのを横目に見て、智也は徐に正面へと向き直った。


 黒瞳を閉じ、瞼の裏に描くのは、先ほど紫月が成功させたものと同じ、刃の形。

 そのイメージを固めたまま、手のひらに魔力を纏わせる。あとは詠唱と――、


「Reve24――」


 纏わせた魔力を、散布させるだけ。


「【大名颪し】!」


 下から上へと腕を振り上げながら、纏わせていた魔力を撒き散らす。

 そうして銃口たいないから空気中たいがいへと、引き金(えいしょう)によって弾丸まりょくが射出され、その形を具現化させる。


 三つに分かたれた魔力が刃の形を模し、地を駆け抜けていく。

 そんなイメージとは裏腹に、智也の手のひらからは何も生まれなかった。――そう、何もだ。


「なんでだよ……」


 何がいけないのか、何が足りないのか、何が間違っているのか、それが知りたくて、解せなくて、智也の思考は理由と言い訳を求め、彷徨った。


 魔力が切れていたわけじゃない。『甘い誘惑(イベリス)』を用いた魔力の回復は他の誰よりも経験している。

 己の魔力の総量を、他の誰よりも把握しているのだ。それを過つはずがない。


 それに紫月だって風属性に適性はなく、魔力量だって同じZランク。抱えている障害は変わらない。

 ――ならどうして。と、卑屈になる思考に歯止めをかけるべく、一度瞑目して、荒れた心を落ち着かせる。


 しばらくして、閉じていた瞼をゆっくり開けると、智也は皆の後を追うように体育館を後にした。

 一言「人には得手不得手があるんだ」と、自分に言い聞かせるように呟いて。


「……」


 広い空間に漂う、食欲をそそる香り。

 その大部分を占める、いくつものテーブルや椅子。そしてそこに腰を下ろし、対話や食事を楽しむ生徒たち。

 それに紛れるかのように何もないテーブルに座り、智也は茫然としていた。


 洗い場から皿や食器が触れ合う音が聞こえ、調理場からは、次々と幸せの香りが生み出されている。

 その香りと心地よい音が、今は唯一の癒しだった。

 自分も何か口に入れようか、なんて考えながらポケットの中に手を入れると、コツンと音を立てて指に硬貨が触れる。


 どこの世界でも、生きていくために食は欠かせない。とはいえ射的屋の店主に頂いたこのお金も、無限ではない。

 下宿屋だって新井さんのご厚意で住まわせていただいているようなもので、ちゃんとした宿泊費を払うためにも、やはりお金は必要になる。となるとクラス対抗戦に出て――、


「駄目だ、またネガティブになってる」


 どうしても不安や心配事が多いと、気持ちが沈みがちになる。そして一度悪い方向に思考が進むと、なかなか抜け出せなくなるのだ。


「黒霧さ~ん、一人っスか?」


 そんな暗い海に沈みかけていた智也に、いつものように七霧が声をかけてくれた。

 どうやら昼食の誘いらしく、後方には国枝もいて、こちらに向かって歩いてきている。少し、その表情に元気がないのが気掛かりだが。


「いいのか? 二人の邪魔になるんじゃ」


「何言ってるんスか?」


 怖いくらい生真面目な表情を向けられて、智也は自分の失言に気がついた。

 せっかく誘いに来てくれたというのに、今の発言は完全に無礼である。

 そんな苦虫を嚙み潰したような顔になる智也に、七霧がころっと表情を変えた。


「自分たちは三人揃ってチーム『漆黒ダークネス』っスよ!」


「ふ、それまだ引き継いでたのか」


 初めて授業でチームを組んだとき、付ける必要もないのに七霧が名案したもの。

 いまそれが出てくるとは思わず、不意を喰らった智也から笑みが零れた。


「よかった。黒霧くんずっと険しい顔してたから」


 と、歩み寄る国枝の表情に安堵の色が見える。

 心配してくれたのだろうと、智也は察した。――いや、もっと前から心配してくれていたのに、智也が気付かなかっただけだ。


「なんか、いつも悪いな……」


「何も悪いことなんかしてないよ。だって友達でしょ?」


「あぁ。チーム漆黒だしな」


「え、それまだ続いてたの?」


 申し訳なさそうにする智也に、国枝が歯を見せて笑ってくれる。

 それに釣られて微笑を浮かべつつ、例の名前を出せば、国枝も同じ反応を見せた。


「続いてるっスよ! 未来永劫っス!」


「えー、それならもっとカッコいい名前がいいな~」


「確かにな」


 智也と国枝がそう不満をこぼすと、七霧が「じゃあ二人が考えてくださいっスよ」と言って不貞腐れた。


「それはともかく、お腹空いたよ。なにか食べない?」


「そうだな、俺も腹ペコだ」


「あ~、またそうやってはぐらかそうとするっス」


「じゃあ七霧くんは一緒に食べないの?」


「……食べるっスよ!」


 頬を膨らませる七霧に智也たちは笑みを交換し、それから三人で券売機に行って好きなメニューを買い、料理ができるまで、できてからも雑談を楽しんだ。


 美味しいものを食べ、友人と会話を繰り広げ、気が付けば――いつの間にか心の内にあった暗い感情は、どこかへ消え去っていた。



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