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1.あれれ、ハズレ?




「こんな出来損ないはデーヒル家には必要ない。一家の恥だ、出て行きなさい。」



どうしてこんな事になったんだっけ?



―――――――――――――――



遡る事数刻前…


「ユーリア様、そろそろ診断の時間になりますので下に参りましょう。皆様お待ちです。」

そう声を掛けたのは私の侍女のマハリー。


「ありがとう、今行くわ。」

返事をして家族が待つロビーに向かう。



「ユーリア、成人おめでとう。今日はきっといい日になるだろう。」

「本当にもう成人なんて驚きですね。きっとデーヒル家に相応しい診断を頂けますわ。」

「ありがとうございます。お父様、お母様。」


両親と馬車に乗り協会に向かう。


この世界では15歳を成人とし、15歳の誕生日に神様のお告げと呼ばれる診断を受ける。

この診断《お告げ》には、将来の職業の適正や役職などその人の人生に役に立つ何かを告げられるとされている。


私の家は、子爵家としてアルダニア国に使える貴族

そこまで位は高くないものの良い診断を貰える血筋だと、言われている。


長男は、経営の才の診断を受けて、次期子爵に相応しい様に代官としてお父様をサポート

次男は、武術の診断を受け王宮で騎士団に入隊


無難ではあるが、やはり診断に合った将来の道に進む方が出世等をしやすいと言われている。どこまで加護があるのかも分からないが、それをこの国はステータスとして使っているのだ。



ただその中にも稀にハズレと言われるお告げがあり、そのうちの一つがそう、私が現在診断されたお告げ


″前世を見る事が出来る力″だったりする。





一見普通そうなこの″前世を見る事が出来る力″がハズレとされているか…


前世とは現代より昔の時代の記憶であり、何事においても進歩している現代には不吉で不要だとされている。

つまりハズレとなる。


神のお告げでハズレ診断をされた私は、物凄くショックを受けた。

この国では診断が全てで、この一家は診断の良さを誇りに思っている血筋だ。


案の定お父様はため息をつき、お母様に手首を引っ張られて馬車に強引に乗せられ自宅まで戻ってきた。




------------------


「こんな出来損ないはデーヒル家には必要ない。一家の恥だ、出て行きなさい。」


お母様は顔を真っ赤にさせて怒り、

お父様はズカズカと何処かへ消えていった。

それもそのはず、診断の結果で周り貴族との婚姻が決まる。こんな診断じゃ貴族との婚姻は難しいだろう。

基本的に貴族令嬢にとっての診断は、サポート・着飾り・良妻などの診断を受けお嫁に行っても大丈夫ですよと保証するようなものだ。


体裁を守りたいのだろう。実に簡単に娘でも切り捨てるのだ。


「私物は好きにすると良いわ、ただもう二度とデーヒル家名を名乗らないでちょうだい。こんな子がいると知られたら恥ずかしいわ。準備したらさっさと出ていくことね。」


そう言い捨てるとすごすごと部屋から出ていった。


自室に戻り家を出ていく準備をする。

本当は診断も両親が私を捨てることも何もかも全てショックで泣きたいけれどそんな余裕はない。

急いで準備をしないと身一つで放り出されることになる。


一番上のお兄様に頂いたアイテムバッグ。

それに以前自分でアレンジを加えて入る容量も増やして時間を停止する機能を勝手につけておいた。

魔法を使ってはいけない歳で弄ってしまったから隠して置いたアイテムバッグがここで役に立つとは!


アイテムバッグに自室にあるものを端からひたすら入れていく。必要あるか分からないけどこれでも子爵家の物だ、売れば良い具合の値もきっと付くはず。

私自身は一番シンプルな服に着替えて準備を終えた。





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