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〜千年光〜鳥取県警事件録  作者: 西崎 正親
8/8

第七話 感情がない痕跡がないpart3

登場人物

【第3課資料保存室】

●山崎正一 (ヤマザキ)

主人公。謹慎3ヶ月の処分をくらい、県警のゴミ箱、第三課へ飛ばされる。

●江口さん

資料保存室最年長。

●樋口ルリ(ルリ)

生意気な資料保存室最年少


【捜査一課】

原田ハラダ

ヤマザキが最も信頼する同期

●茂山

エリートが集まる一課のエース





あの後、俺たちは資料保存室に帰った。

薄暗い資料室の中、江口さんは何かずっと考えているようだ。


「…………皆さん、お疲れ様でした。」


お、もうそんな時間なのか。外を見ると日はもうとっくに沈んでいた。


「お疲れ様でした。」


「お疲れ様でした。」


明日は一体何をするんだろうか、この感じだと明日も江口さんは資料室で考え込んで、俺達は何もせずにじっとしてる感じかな?

読みかけの小説でも持ってきておこうか、どうやら操作についていく以外ではあまり役には立てそうにないし。


………………て、明日土曜日じゃん!休みかよ!事件捜査は一旦お預けかな?


正直、休みでも全然嬉しくないんだけど……だって毎日休みみたいなもんだし。どちらかと言うと今はこの捜査に関わっていたい。


「あの、江口さん、明日はどうなるんでしょうか?」


「私は明日、被害者の遺族の元に向かいたいと思っていますが、大丈夫ですよ、来たい人だけくる、で構いません」


「じゃあ、私も明日同行させていただいていいですか?」


負けじとルリも続く


「私もいいですか?」


江口さんは心の底から嬉しそうにこう言った。


「もちろん!」




…………………………………………………………………………




そして土曜日、配属6日目。

資料保存室の扉を開ける。まだ江口さんは来ていないようだ。だがルリはもう来ていた、


「………………おはよう」


「チッ」


あれ?今舌打ちしなかった?したよね?あ、もしかしてうまく聞こえてなかったのかな?


もう一度言ってみるか


「おはよう(よりハキハキした声、そして笑顔)」


「チッ(よりイライラした顔、そして舌打ち)」


あー、聞こえてたみたいですねー、よかったよかった、……ハハ


扉が開き、江口さんが入ってきた


「皆さん、おはようございます。」


「あ、江口さんおはようございます」


「おはようございます」


ルリも江口さんには挨拶返すんだよな……そろそろ俺も人間並みに扱ってくれないかな……




…………………………………………………………………………




被害者遺族宅へと着いた、いや正確には被害者遺族の片方の家である。はじめに来たのは母親の方であった、第一発見者はこの母親らしい、あの事件の後、自宅が事件現場になったため、被害者の両親は今はそれぞれの実家に帰っている。

何やら上品な女性だなという印象だ。首には真珠のネックレスをかけている。


「この度は誠に……」


と江口さんさんは母親に述べてゆく。

この時間が嫌いだ。理由は言わなくてもわかるだろう。

母親は涙を流している。


「あなたがお子さんを発見した時、どんな状況でしたか?」


母親は涙を流す合間合間に言葉を発する。


「……はい……あの時……あの子は、リビングの床で……」


話をまとめるとこうである。母親は18時ごろ仕事から帰った、部屋に明かりがついていないので怪しく思い中に入ると、リビングに倒れている被害者を発見した。玄関の鍵は閉まっていた。




……………………………………………………………………………




次におとづれたのは父親宅である。ここは海の近くにあるため移動にかなり時間がかかった。彼も同じように、実家に戻っていた。


「なんであの子がこんな目に………………」


父親は子どもとの思い出をたくさん語ってくれた、さらにしまい込んだアルバムまで出してどんなに娘が愛おしい存在だったかを説明してくれる。胸が苦しくなる。江口さんはじっと父親の話に耳を傾けている。


「…………ピアノされてたんですね」


江口さんが、父親の出したアルバムのピアノの発表会の写真を見て言った。


「そうなんです、誕生日にね、買ってやったんですけどね…………たった2年間しか弾いてもらえないとは…………」




…………………………………………………………………………




父親の家から帰る途中、俺たちは海岸近くの公園に車を停めた。駐車場からは風が吹き、荒れる海が見える。


「どうかな、ヤマザキ君」


「はあ、やっぱり何度やっても慣れませんね、こういうのは……」


「そうだねえ……」


江口さんは窓の外を眺める


「ヤマザキ君、そしてルリさん、」


運転席に座る俺と、隣に座るルリに江口さんは問いかけた。


「なんで、一課はあんな的外れな被疑者の絞り込みしたんだと思う?」


なんで、と聞かれても……


「……ごめんなさい、僕はわかりません」


「……私もわからないです」


「そうか、そうだよねー、……」


江口さんは続ける


「それはね、一課の捜査官達が持っていた感情が目の前にある事実を歪めたからだよ。」


「というと?」


江口さんは答える


「言葉通りさ、こんな事はまさかないだろう、いやそうではないで欲しい、こういった感情が事実を歪めた。これはすごく単純な事件だ、ただ一課の人間の心がその解決を難しくさせたんだろう。」


俺は???状態だ


「……江口さんはもう事件の真相を大体分かってるって事ですか?」


「まだ決まりじゃないけどね、予想はついた。推測を確かな物にするためには……」


彼は言う


「母親のネックレスとピアノの関係性がわかればいい筈だ。」




更新いたしました!アドバイスいただけたら嬉しいです!

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