第二話 ファミレスと原田
登場人物
【第3課資料保存室】
●山崎正一 (ヤマザキ)
主人公。謹慎3ヶ月の処分をくらい、県警のゴミ箱、第三課へ飛ばされる。
●江口さん
資料保存室最年長。
●樋口ルリ(ルリ)
生意気な資料保存室最年少
【捜査一課】
●原田
ヤマザキが最も信頼する同期
2006年4月19日
勤務3日目にして俺は早くもここでうまくやっていく自信を無くしていた。
「おはようございます。」
「おはよう」
と江口さん
「……」
何も返さないのはルリ。
席に着く、パイプ椅子が音を立てるとそれきりその部屋には沈黙が訪れた。
江川さんは今日も数独に勤しんでいる。ルリも同様雑誌をめくる。あー俺も明日からは何か持ってこようか……、どうせ仕事は来ないし、サボりがバレた所で出世にも関係ないし。
………………………………………………………
昼休みになり俺は外出する、駅前のファミレスへと向かって行った。
ファミレスはいつものようにガラガラであった、店内を見回す。いた、アイツだ、その男は窓際の席に陣取っていた。
俺は男の姿を見て話しかける。
「久しぶりだな」
男は俺に声を掛けられて初めてコッチの事に気づいたらしい
「おお!謹慎お疲れ様ー笑……って、おいおい、めっちゃ元気ないじゃん、ドリンクバー(200円)奢ったろーか?」
「変わらないなオマエ……」
この男の名は原田、俺の一課時代、俺が最も信頼している同期で、また俺の謹慎期間中に唯一連絡をくれた恩人でもある。この口調からも察しがつくだろうが、少しチャラついた風貌だ(警察なのに)。髪は未だに茶色に染めまっていて、片耳にはピアスあり。スーツを着てないとチンピラに間違われそうだ。実際、何度もプライベートであう仲だが私服がアロハシャツとか着てるので、オフの状態だと完全にソレである。
俺が席に着くと同時にハラダは会話をスタートさせた
「どうだ?新しい部署は?」
「うん………………さいっっっあく」
「やっぱりなw、知ってたw」
「おい、じゃあ聞くなよ、」
いやいや違うんですよ、とハラダは続ける
「最悪なのは前提として笑、どんな雰囲気かとかどんな人がいるのかとか教えてくれよ」
「あー、そう。雰囲気は暗い、向上心はない、会話もモチロンなし、部署のメンバーは、1日中数独やってるやつと雑誌見てるやつの2人だよ」
「なんだよソレwwまともな奴が行くとこじゃねーな」
「ホントそうだよ……」
ハラダはケタケタと笑っている、不思議な事だが、コイツには自分の置かれてる境遇を笑われても俺は嫌な気持ちがしないのだ。
「あれ?ていうか3課って、お前含めて3人だけなの?もっといただろ」
「あー、違うんだよ、俺は3課の中でも資料保存室ってとこに配属されててな、そこの職員が3人なんだ」
「あ?……資料保存室?」
ハラダは驚愕の表情でこちらを見る
「ん?何か俺おかしい事言ったか?」
「いやいや、お前知らないのかよ。3課の資料保存室っていったら……3課の中でも特にヤバい奴らが集まってるトコだぞ……」
「は?なんだよソレ……」
ハラダー!説明してくれー!もしかして俺、思ったよりもやばい状況?
「あのな、情報収集くらい普段からしとけよー、まいいや、3課の資料保存室って言う何処にはな、絶対仕事が回ってこない部署と言われてんだよ」
「…………おお、」
「なんでかって言うとな、もうソイツらと他の部署のヤツを事件とかを通じて関わり会わせたくないからなんだよ」
「なんだよ、そのソレ……あんまりだろ」
「つまり、アレだな、警察からは追い出せなかったから、せめてそこで定年まで何もしないでいてくれよって奴らが集められてんだな、懲戒免職をギリギリで回避したようなヤツしかいないって噂だぜ」
「………………」
なんて事だ、自分がまさかそこまでヤバい状況下にいたとは……、ハラダが続ける
「で、2人の仲間の名前は?」
「それがどうかしたか?」
「それだけヤバい部署にいるって事はそれなりの事をしでかした有名人だろ、何か知ってるかもしれないから名前教えろ、力になるから」
ああ、やっぱりコイツはイイヤツだなと思う
「江口さんって人とルリって奴だよ」
「!……江口さんって、あの元捜査一課の?」
「有名人なのか?俺知らないんだけど」
ハラダはコイツまじかよ、という顔をしたが続ける
「江口さんは元捜査一課のエースだよ、何年も前に一課からは去ったみたいだけど、」
「なんで有名なんだよ、エースって呼ばれてる人なら他にも何人もいるだろ?」
ハラダはジッと俺を見る
「江口さんはな、異常だったんだよその功績の高さが、」
………………………………………………………
昼休みが終わる10分前に俺は資料室へと戻った、ルリの姿は見えない、だが江口さんはいた。そして今も数独を解いている。
終了5分前にルリが戻った
そしてこの午後に2つの意外な来客があるのだった
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