英文法と日本語文法はかなり似通っている
英文法と日本語文法はかなり似通っている。
などとタイトルをつけてしまったが、多分、これに反発する人は多いのではないか、と思う。
実際、言語学的には、文法構造上全然違う語族となっているし、英語学習の本の中には、「英文法と日本語文法は全然違う」と書いてあることが多い。
では、全然違うのかというとそうでもない。実際、英文法と日本語文法で全然違う部分というのは、どこにあるかというと、パッと思い付くのは、3つしかない。
一つは「構文」である。
日本語文法には無いものだから、身「構え」ておきなさい、というもの。実際、英語小説を読みながら、なんちゃら構文とかが出てきたら、「あ、ここ普通に訳したらあかんところや」と、警戒して、ちょっと本気の構えから和訳する必要がある。
ただし、構文については高校以降の学習がメインであり、話しよりも書面に使うことが多い。つまり「構文」は中学英文法をメインとする英語スピーキングにはあまり大きな影響をしない。
二つ目は、助詞と語順。
日本語には助詞「がはもでにを」があり、これが文章中の主語や目的語を定義してしまうので、日本語文法において語順は重要ではない、ということ。逆に言えば、英語には助詞がなく、単語の位置(語順)が主語や目的語を定義するので、第1〜5文型のように語順が重要である、ということ。
三つ目は、名詞主体・動詞主体と省略。
日本語は「オラ、ゴクウ。」「俺、トロ」「春はあけぼの」のように名詞さえあれば、他を省略しても大丈夫な名詞主体の言語であるのに対して、英語は主語と動詞が必要で、あまり省略できない動詞主体の言語である、ということ。
以上の三つ以外に細かい違いはあると思うが、以下のように主だったところは、英文法も日本語文法も似通っている。
主語 述語動詞 補語 目的語
名詞 動詞 形容詞 副詞
疑問文 肯定文 否定文 命令文
現在 過去 未来 と進行形、完了形
助動詞 疑問詞 感嘆文 反語表現
付加疑問文 関係代名詞
仮定法過去完了 3単現のS
以上のように、パッと思い付くだけで、たくさんの似通った点があり、中学英文法つまりスピーキング英語を全てカバーできる。
英文法を習う時に、日本語文法とは全然違うと思っていると、無理やり覚えようとして、英文法が苦手になってしまう。
それよりも、新しい英文法を習った時は「ああ、これは日本語でのなになに表現と一緒だな」と納得して、頭の中でその英文法を使って英文を作成してください。
英文法は覚えるためのものではなく、脳内で英作文するためのもの。
英文法は料理のレシピであり、脳内英作文は実際に料理することです。たくさん料理すれば美味しくなるように、たくさん英作文すれば通じる英語が話せるようになります。
読んでいただきありがとうございます。