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雑貨屋の主人は錬金術師  作者: 村中 順
ロン大河 渡しの村の闘い
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第71話 術くらべ

 敵に錬金術師がいる。時空矢は、僕のオリジナルなので、使う奴がいるとは思えないが、念の為に空間を曲げておいた。


 魔法歩兵が密集隊形で進んできた。亀の甲羅の様に見え、進み方も遅いが、その盾は魔法を受け付けない。避難隊の魔法使いが、ファイヤーフレームやアイスアローを飛ばすが、跳ね返される。火炎範囲魔法も魔法歩兵の下は無効化される。


‘あの盾、是非解析したいものだ’

と思ったが、今は皆を逃がすのが先決と自分に言い聞かせた。


 このままでは、魔法歩兵が、村に到達する。


 僕は錬金陣で空気壁を作ったり、拘束水を降らすのだが、敵の錬金術師が尽く反対性質を与えて、解除してしまう。敵に錬金術師がいると実に厄介だ。


「シェリー、敵の錬金術師の位置は判らないか?」

「探ってみましたが、どうも判りません」

シェリーは反対性質を与えている錬金術師を探すが、見つからないようだ。


 大体の位置に拘束水をふらしても、反対性質で解除してしまうだろう。


「では、こうしたらどうだ?」

と僕は手を顎に当てながら、独り言を言った。 


「弓手達に、魔法歩兵がひっくり返ったら、狙ってくれ」

と伝達してもらい、八本の矢を立てた。


そして、

「僕が命ずる。大地に暗黒の陣を顕現し、大地の重力を二倍にし、そこにあるものを大地に押さえつけよ」

と小さい声で提唱した。


 八本の矢を頂点するグラビティーホールが顕現し、魔法歩兵たちは足取りが重くなり、進みが緩くなってきた。これは、錬金術師でないと何が起きたか理解できない範囲だろう。


 すると重ねてグラビティホールの術式が現れた。僕のように矢を使わず、地上から地上に提唱しているため、潰れた八芒星になっている。

 僕の矢のような媒介がない場合、魔法陣はイメージで作ることになる。小さい魔法陣なら、イメージしやすいが範囲が大きくなると、正八芒星がイメージできない。これは地上から地上に描く場合、特にその傾向が強くなる。そして、正確な正八芒星にならないと、魔法陣の力は弱くなる。


 僕は、敵が顕現した反対性質の魔法陣に合わせて、

「僕が命ずる。大地に暗黒の陣を顕現し、大地の重力を二分の一倍にし、そこにあるものを開放せよ」

と敵の錬金術師が、打ち消す錬金陣が完成するに合わせて、僕も錬金陣を連続して発した。


 すると、敵も二分の一、僕も二分の一のために、魔法歩兵が居る辺りは、重力が突然四分の一になった。このため魔法歩兵たちは、吹っ飛んでしまいひっくり返った。亀が甲羅を下にひっくり返った様なものだ。


 そこを狙って弓手達が射掛けたため、たまらず、怪我を負いながら森の方に逃げ帰った。


「船が来たぞ」

と後方から声があった。


“シェリー、アーノルド、敵の軽騎兵と魔法歩兵が突っ込んできそうだ。術で対抗するが漏れた奴を市民に近づけるな、レオナにも伝えてくれ”

“了解”


“ヒーナ、市民を船に乗せるのを手伝ってくれ。僕もすぐに行く”

“解ったわ”


「弓手隊は、船に向かいながら矢を射続けてくれ」

と声を大きくして、お願いした。


 敵の魔法攻撃が強くなった。味方の魔法使いが防衛結界を発して止める。


 僕も錬金術で侵攻を妨害するが、反対性質で敵も対抗してくる。


 もう、術の掛け合いだ。


 軽騎兵、続いて魔法歩兵が突入してきた。


「魔法隊退避!」


 僕も矢を使い、船の方へ移動し、沼と空気壁で騎兵と歩兵の足止めを行った。


 大型輸送船が三艘。どれも風紋石を利用した外輪型帆船である。


 味方が全員船に乗り込んだ。


 敵のフィアーフレームが飛んでくる。


「船を出せ!」


 三艘の船が一斉に動き始める。風紋石の風で、帆をいっぱいに張り、外輪が激しく回り始めた。


 水を凍らせようと錬金陣が現れた。僕が温水にして溶かし、船はなんとか逃げ切った。しかし、いつも成功するとは限らない。


 そこで、今朝、シェリーと村の様子を見た時、すでに決めておいた場所に時空矢を放った。敵も味方も混乱している上、錬金陣が大きすぎて何が唱えられているか分からないだろう。


 そして、


「僕が命ずる。大地に暗黒の陣を顕現し、大地の重力を五倍にし、そこにあるものを大地に抑えつけよ」

と呪文を提唱し、右の掌を下にして、腕を下に下ろした。


 ガガガガガーーン

―――数棟の建物が倒壊。岸にいた敵は皆、立っていられず地面に伏せている―――


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