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雑貨屋の主人は錬金術師  作者: 村中 順
ヒーナの危機
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第65話 新たなる決意

 僕とヒーナは、南の岬近くの海洋研究所に向かった。

 アルカディアには、その領土内の複数の場所に研究所や試験施設があり、それらの施設を中心に拠点と呼ばれる街が形成されている。


 研究所の職員に事情を話し、ヒーナのお風呂を借りて、服も換えも貰った。


 そして、通信施設を使ってアルカディアと交信した。シェリーが同行していないので、長距離の魔法通信ができないためである。


「シェリー、アーノルド、心配掛けたね。僕とヒーナは大丈夫だ。今ヒーナはお風呂を借りている」

と謝罪と無事を知らせた。


 無事を聞いて、

「ばっかやろう。どんだけ心配したか解ってのか? いくら(あるじ)でも、一発殴るからな」

とアーノルドは、少し涙声で怒っていた。


 僕は一発殴られようと思った。


 シェリーは、ただ泣いて

「良かった、良かった」

と言っていた。


 ガサガサと、音声に若干ノイズが入った後、

「ジェームズ、ヘンリーだ。無事で良かった。二人はかなり心配していたし、お前は大丈夫だと信じて疑わなかった。弟に良い友人が居ることを誇りに思うよ」


 ちょっと、間を開けて、


「お前が、行ったあと、ローデシアがアルカディアに侵攻してきた。賓客、学生、市民は、双子の聖霊師のおかげで、シン王国に避難中だ。ただ、ローデシアの軽騎兵が、各地で殺戮を行っているらしく、少し心配なところだ」


 それから、ヘンリーから、戦争の経緯を詳細に聞いた。


 そして、避難民をシン王国まで、守ってくれないかと頼まれた。


 ローデシアがアルカディアの北側のマース山系から侵攻してきているため、避難民は一度、ここ南の岬近くまで南下した後、東に進路を取り、ロン大河を遡ってシン王国に入るということである。


 シェリーとアーノルドは、直ちに僕の方へ向かわせるということも言ってくれた。


 そして僕の方からは、ヒーナの誘拐犯が、あの日、襲ってきた魔術師で、そいつは死んだことを報告した。


「そうか。判った。あいつには俺も一矢報いたかったが。ジェームズが仇を取ってくれたとうことだろう」

とその声には、少し悔しさが滲んでいた。


 僕は、ヘンリーが時々あの魔術師の魔法で突かれた肩を擦っていることを思い出した。


 そして、僕は

「黒幕は、まだ」

と言うと少し無言のあと


「お前の言う通りだ。本当の敵は、まだ、いる」

ヘンリーが声を低くして答えたその響きから、新たに決意を固めたように思った。


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