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雑貨屋の主人は錬金術師  作者: 村中 順
剣の材料
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第41話 教会聖都

―――ミクラ大河を遡り、森を抜けると、キラキラと光る湖が広がっている。その湖の右側には、橋で繋がれた島があり、四つの大きな聖霊樹が生い茂っている。その精霊樹に囲まれた中央の高い塔を持った建物はガラスと白い壁で覆われて、聖なる光で輝いている。湖の水は、聖霊樹からにじみ出る聖素をたっぷりと含み、夜でも仄かに白く光る。そして、その水は、ミクラの大河を通り大海への流れ出ている―――


(あるじ)、あの島にある建物が、王城兼教会だってさ。アルバに修行に来た時、一度ここに来たことがあるぜ」

アーノルドは胸を張って、自慢げに言った。


“橋を渡った先に教会があり、そこまでは一般の人でも行くことができるが、コロン車では渡ることできない。橋のたもとで下ろしておくれ”

と双子の聖霊師は、魔法通信で僕に言ってきた。僕は了解した旨、返答した。


   ◇ ◇ ◇


 教会につづく、橋のたもとで聖霊師二人を下ろすことにした。

「僕たちは街の方で宿を取って、トレジャーハントの用意をしておきます。聖霊師様はいかがしますか?」

と聖霊師二人を僕とシェリーが手伝ってコロン車から下ろした。


「ふむ、今日はここから出れんじゃろう。明日の朝、ここに訪ねてきてくれぬか」「れぬか」

「解りました」

と僕は返答した。


 そして聖霊師二人が歩き始めると、橋の中央付近で、教会関係者が気づいた。ある者は、平伏し、ある者は敬礼をし始めた。教会から輿がやって来て、二人の聖霊師を乗せて、教会に消えていった。


 それを見ていたアーノルドは、

「おい、(あるじ)、あの二人は何者なんだ? 魔法が強えのは解っているけどよ」


「タン老師とオクタエダルの友達の双子の聖霊師さ」

と僕は答えておいた。


   ◇ ◇ ◇


 次の日、僕たちは準備万端で、聖霊師を迎えに同じ橋のたもとに来た。すると、二人と、もう一人、オクタエダルのホモンクルスのロニーさんのような格好の男が立っている。口ひげを生やし、オールバック。まさに執事にふさわしい風貌。多分ホモンクルスだろう。


 僕たちが近づくと、

「おはようございます。聖霊師様の従者をいたします、メリルキンです」

「これ、我等が先に話すと言っておろうが」「おろうが」

と聖霊師はメリルキンを杖で突っつきながら言った。


 そして、僕に向き直り、

「教会の最大限の譲歩が、此奴を連れて行くこと言うことじゃ」「ことじゃ」

また、聖霊師たちはメリルキンを杖で小突きながら言った。


「僕は構いませんし、ここの二人も、問題ないと思います。ただ、ちょっと手狭になってしまうことはご了承ください」

と僕は、シェリーとアーノルドに向かって、頷きあった。


「いや、ご心配には及びません。聖霊師様用に、もう一台コロン車を用意いたしましたので」

とメリルキンが後ろを指差しながら言った。


「ところで、メリルキンさんは、ホモンクルスでしょうか?」

と僕は聖霊師に聞いた。シェリーはすでに判っているようだ。


「そうじゃ、ニコラスが我等の護衛に作ってくれたものじゃ」

通りで、ロニーさんに似ているわけだ。


 聖霊師が続けて

「我等に付けることを許す代わりに、教会は、教会護衛の任を入れることを要求したのじゃ」「のじゃ」

また、メリルキンを小突きながら言った。しかしメリルキンは、どこ吹く風で静かに佇んでいる。


「つまり、此奴が居ると教会に筒抜けじゃ。お忍び気分が半減するわい」「するわい」

と、また小突く。


「ささ、ダベンポート殿、そろそろ出発ですね。行きましょうお嬢様方」

と二人を両手に繋いで、三台目のコロン車に連れて行こうとした。


 その姿は、どう見ても父親が子供を引っ張っていく様に見える。さて、今まで良く我慢していたアーノルドが、ついに


「ぶははは、お嬢様だってよ。ぶあははは」

と指で三人を示しながら、やってしまった。

すると、メリルキンは、聖霊師の手を引いていた、右手をはずして、ちょっと振り返り、ニコッと笑って、デコピンのような手付きをした。


 指先から、白い何かが出てきて、アーノルドのおデコに直撃した。


 アーノルドは、手をおデコにあてて、座り込んだ。

「いてー」


 聖霊魔法の聖素弾だろう。


 こんな感じで、僕たちの旅の道連れがまた増えた。


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