第40話 トレジャーハントに行こう
次の日、僕は二日酔いを錬金術の薬で直した後、シェリーとアルカディアの大図書館に接続して検索した。伝承、冒険記録、史跡、地理、生物学、植物学、鉱石学あらゆる文献を当たり、千年聖霊樹、その場所、植物の化石化による硬化現象などである。
その結果、千年霊樹がある洞窟は、ここより南の方に行ったところにあるらしい。ただ、地理的な理由から、一度シン王国教会聖都まで行き、そこから、ミクラ大河の支流を南東に下って行くのが良さそうだ。
その辺りは、魔物対策地域から外れるし、聖霊樹の聖素発散能力は、化石化のために失われているらしい。つまり、魔物は多いと考えておく必要があるだろう。
そして、化石化した聖霊樹を使った武器は、やはり、聖霊師の杖が多い。加工が難しく、枝のまま使用している例しかない。古い錬金術の書物でも、金属の特質があるが加工が極めて難しいとある。
これは、やはり一度トレジャーハントするべきだな。
「アーノルド、シェリー、千年聖霊樹の化石を採掘に行こう!」
と僕は、二人に向けて、話を切り出した。
「おっ、良いね。行ってみようぜ」
アーノルドはいつものノリだ。
「ご主人様が行かれるのは反対はありませんが、もし、それが私の為というのなら……」
とシェリーは、言い始めたが
「いや、シェリーの武器の素材が第一だけど、それ以外にも、これまで扱ったことのない材料というのは、錬金術師として非常に興味をそそられる。それに新しい製品ができるかもしれない」
と僕はシェリーの心配を拭うように言った。
「で、あの、レ? あれ?、ミ?、ん?、忘れた。子供ばばぁーズはどうするんだ?」
双子の聖霊師のミリーとレミーが真っ先に名無しの術を掛け直したのは、お喋りなアーノルド君だった。
◇ ◇ ◇
僕たちは、コロン車 二台が悠々と乗れる川船に乗船して一路教会聖都に向かった。このミクラ大河は、聖素が多く含まれており、魔物は生息していない。そのため、安全な航行といえる。
「聖霊師様は、どうされますか? 一度教会聖都に向かいますが」
と僕は、船の上のコロン車の中で瞑想している二人に聞いてみた。
「大丈夫じゃろ。ちょっと挨拶しておくところはあるがな」「あるがな」
二人とも同時に目を開けて、こちらに振り向きながら話をした。
「それから、洞窟の方はいかがしますか? 僕たちとしては、聖霊師様がご同行いただければ心強いです」
と一応聞いてみた。旅をしたいと言っていたから、行きたいのだろうと思う。
「そうじゃな、我等も行ってみるかな。あのあたりの森はアンデッドが多い故、何かに役に立つじゃろ」「じゃろ」
兎に角、この二人の聖霊師は強い。
この二人の聖霊師は、居るだけでアンデッド対策になる。
―――アンデッドは、人属が死んだ後、魔素が入り込み悪霊化したものである。聖霊師が回復を施せば、浄化されて消滅する―――




