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反逆無双の重力使い~『無能』と呼ばれて蔑まれた少年は、封じられた力を取り戻して『反逆者』へと至る~  作者: 久遠
二章・力を手にした反逆者は復讐を開始する

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反逆者はギルドの長を蹂躙し、次の獲物へと想いを馳せる

今回多少アレな表現が出てきます

ご了承下さいませm(_ _)m

 



 メキッ!グシャッ!ビキキャッ!ブチブチブチッ!!




 ギルドの内部に、硬いモノに罅が入る音、柔らかいモノが潰れる音、何かが砕ける音、何処かが千切れる音、と言った具合に、湿っていたり固かったりする音が暫しの間響いて行く。



 その音の発生源こそ、ギルド内部に居る冒険者や職員達が、恐怖によって腰を抜かしながら視線を集中させている惨劇の中心であり、今回の騒動の中心人物達であるギルドマスターのラヴィニアと、その足を掴んで床に叩き付け続けているシェイドその人であった。




「…………え、えげつねぇ……ありゃ、誰がどう見てもやり過ぎだろうがよ……」




 彼らへと視線を注ぐ冒険者の一人が、そう呟きを溢す。



 その言葉に追随する者は出ていなかったものの、その場にいた誰もが内心で同意していた。



 ……最初の一撃で、ほぼ決着は着いていた。



 一番最初に床へと叩き付けられた際には、ラヴィニアもダメージを少なくしようとして受け身を取ったり、自身の属性である風属性の魔術を少ない魔力(獣人族は若い時間が長くて身体能力が高い代わりに魔力が少ない傾向が強い)を工夫しながら行使し、エアバッグの様にして直接叩き付けられない様に防いだりして堪え忍ぶ事を選択していた。


 ……どうせ、人一人を軽々と振り回すまでの大出力の身体能力強化の魔術を行使していては、そこまでしない内に息切れするハズだ。そこまで耐えて、その後に反撃すれば良い、との考えから、だ。



 だが、その考えが間違いであった事が。生存を第一と考えるのならば、彼とは敵対しないか、もしくは拙くとも遠距離からの魔術戦を仕掛けるか、もしくは一旦執務室に自身の得物を取りに戻るべきであったのだ、と深く深く後悔させられる事となる。



 ……そう、何故ならば、彼のこの『相手を床に叩き付ける』と言う単純にして絶大な体力と筋力を要求とされるその行動が、()()()()()()()()()()()()()()()のだ。



 最初こそ、自らの破壊された足の分までやり返してやろう、だとか、ここまでの力を持っているのであれば、一回心をへし折ってから教育(調教)してやれば小飼にして秘蔵の必殺の懐刀になるハズだ、だとかを企んでいたラヴィニアも、受け身を取る度に蓄積する少なくないダメージやら、上手く誤魔化しているとは言えエアバッグの魔術を使用して目減りして行く魔力だとかを前にして、徐々に焦りの念が顔を出して行く。


 そして、その後の行動にも支障が出るであろう閾値が間近となって来た時に、彼の暴虐が止む気配が感じられなかったが為に、半ばパニックになりながらどうにか反撃を試みようとする。



 …………が、その気配を察知したシェイドがより強く、より早くラヴィニアを床へと叩き付け始めた事により、一瞬で彼女の意識は『戦って相手を叩きのめして降伏させる』事から『どうにかこの場を生き延びる』と言う事を主眼に置く事へと切り替わってしまう。



 当然、抵抗も行った。


 現在は一線を退いているとは言え、仮にも『英雄』と呼ばれた二人と共に肩を並べて活躍していた元特級冒険者であるラヴィニアが、一度は避けられたとは言え自らの得物でもある足が片方は自由な状態に在るのに、ソレを為すのを躊躇うハズも無く、また命の危機に瀕している、との強い衝動に駆られている状態でも在った為に、現役宛らの鋭い蹴りを幾度も不安定な体勢ながらも安定した一瞬を見計らってシェイドへと目掛けて放っていた。



 …………しかし、彼女の必死の反抗も、彼には一切の効力を発揮する事は無かった


 そも、そろそろ反撃して来るだろう、と予測した上に、故意的に安定した瞬間を作り出して攻撃を誘発させていたシェイドにはその行動はバレバレなモノであり、至極当然、と言わんばかりに悠々と片手で蹴り足を弾かれ、その上で更なる勢いにて床へと叩き付けられる事となってしまったのだ。



 故に、そうして攻撃を潰され、一方的に蹂躙され続けたが為に




「…………ずび、ばぜん……済みばせんでひだから……もう、止めでぐたざい……」




 彼女の心がポッキリとへし折られ、床への殴打で歯が折れ腫れ上がった顔にて辿々しくぎこちなく『許して下さい』との泣きが入るのも、必然であった、とも言えるだろう。



 それが耳に届いたからか、一旦手にしていたラヴィニアを振り回して叩き付ける事を止め、逆さ吊りの状態にてぶら下げて視線を向ける。



 するとそこには、支点として掴まれて振り回されていた事により、握り砕かれた足首を始めとして複数ヵ所にて関節を増やした足と、力無くダラリと垂らされた打撲によって無数の傷と殴打痕が刻まれたもう片方の足の素肌が垣間見える。



 深くスリットの入れられた導師服風のドレスは無惨に破けて垂れ下がり、同じ様に破れて素肌の見えていた上半身の一部を隠してはいるものの、本来の目的であるハズの下半身を隠す事は最早出来ておらず、歳も考えずに履かれていた紐と見間違わんばかりに布地の少ない下着と、そこに広がる失禁のシミを衆目に晒す事となってしまっていた。



 足と同様に力無く垂らされた腕と髪は、先のカスグソによって作られた血溜まりに加え、自らの出血と失禁の尿が入り雑じった汚濁にまみれて汚れている。


 普段はピンッ!と立てられていた種族を象徴する二本の耳も、片方は途中で折れ曲がり、もう片方は髪と同じく汚濁に浸って、髪と同色の毛並みを赤黒く汚ならしく染め上げ始めていた。



 …………そこには、少し前までの威厳と覇気を纏い、彼の事を妹共々自らの手駒にせんと企んでいた野心家の姿は無く、既に屈服した姿を衆目に晒す『負け犬』ならぬ『負け兎』と化したギルドマスター、ラヴィニアの姿のみが存在していた。



 逆さ吊りの状態にて、自らが漏らした尿にまみれながら、これ以上の暴虐は止めて下さい、と視線にて訴え掛けて来る彼女の姿に、どうしようもない不快感と共に、かつての自らの姿を垣間見た気がしたシェイドは、握り締め続けていた手に更に力を込めると、その場で大きくラヴィニアの足を振り回して離れた壁へと目掛けて投擲する。



 それにより、弾丸もかくや、と言う勢いにて壁へと激突するラヴィニア。


 突っ込んだ事によって発生した粉塵が晴れるとそこには、中途半端にでんぐり返しをした様な姿勢にて背中と腰を壁へとめり込ませる事となってしまう。



 足を前へと放り出し、顔の上に自らの股間が来る様な体勢となっているラヴィニアは、白目を剥きながら自らの顔へと直接失禁した尿を振り掛ける事となってしまっただけでなく、意識を喪った事で塞き止めていたモノが弛んだのか、ほぼ役割を果たせなくなっていた下着を押し退ける勢いで、間の抜けた放屁の音と共に()()()()も自らの顔へと放出する羽目になってしまう。



 それには、シェイドから解放された事によって助け出そうと行動を始めようとしていた冒険者や、辛うじて動けた為に駆け寄ろうとしていた職員達も躊躇から足を止め、戸惑いと共に漂って来る臭気によって顔をしかめて鼻を押さえる事となる。



 直前まで、期待を込めた視線を向けられていたにも関わらず、現在は汚濁に沈んで蔑みの視線すら向けられている、現在はとてもでは無いが女としては扱えない状態へと成り果てている『元美女』に対して、ソレを作り出した張本人であるシェイドは冷笑を浮かべながら吐き捨てる。




「…………おやおや、人の事を『クソガキ』呼ばわりしてくれていたが、そう言った本人が糞まみれになるとは、傑作だな?」




 そして、自らが口にした冗談が琴線に触れたのか、高笑いを響かせながら買取りカウンターの方まで移動すると、彼の事を見て固まる受付嬢を脅し付け(お前もああなりたいか?)てキマイラの素材としての買取り金額を受け取ると、そのまま踵を返して冒険者ギルドを後にするのであった……。






 ******






「…………あ~、スッキリした。

 やりきった感はまだ無いが、それでも大分溜飲は下がったな」




 キマイラを売却した資金を『道具袋(アイテムバッグ)』へとしまい込んだシェイドは、通りを歩きながら大きく伸びをしつつ、ここ最近ではした事の無い程の晴々とした表情を浮かべ呟く。



 しかし、それも当然と言うモノだろう。


 何せ、ここ最近の彼にとって、生活の糧を得る為の場所であるギルドに、常に、と言う訳ではないにしても確率で遭遇する恐怖の象徴であったカスグソを、これまでの恨みを晴らす形で殺す事が出来たのだ。



 流石に、同じ人間を殺す事への葛藤に苛まれて仕方がなかった、とは言わないが、それでも多少の躊躇いが彼の心の内に無かった訳でも無い。


 良く聞く話として、どんな悪人であったとしても人間を殺す事は本能的に躊躇われる事だ、と彼も聞き及んでいたが為に、いざと言う時に自分も手を下す事が出来ないんじゃないだろうか?と言う心配も、彼の中には在ったのだから。



 だが、一度蓋を開けてみればそんな心配は無用であったらしく、一切の躊躇もせずにあの糞野郎を殺す事が出来た。


 おまけに、これまでギルドでの劣悪な扱いを受けていた原因であったギルドマスターに対しても、これまでの鬱憤を十二分にぶつける事が出来たので、こうして晴れやかな心持ちとなっている、と言う訳なのだ。




「別にあのままアッチも殺しても良かったんだが、流石にそこまでの事はアッチにはされて無かったからな。

 まぁ、今後俺に対してチョッカイ掛けて来てくれやがるなら、その時は遠慮無く殺させて貰うし、他の連中も然るべきタイミングでぶち殺す予定だけど」




 ただ単に指示を出していただけであり、本人が率先して直接彼へと暴力を振るって来ていた、と言う訳では無かったが故にあの程度で済ませてやったが、別段ソレは慈悲の心から、と言う訳でも無い。


 何せ、アレでもラヴィニアはこのカートゥ支部のギルドマスターだ。流石に何の後ろ楯も功績も持っていない身でそんな相手を始末してしまっては、今後ギルドを活用する事は出来なくなるだろうし、世間的にも犯罪者として追われる事となりかねないからだ。



 まぁ、そう言う理由が無かったら始末したのか?と問われれば、恐らくは『否』と答えただろう。


 何せ、今はこんな状態となっているとは言え、元来の優しい気質は完全には無くなった訳では無い為に、ほぼ無意識的に『女を手に掛ける』と言う事に忌避感を抱いている為に、恐らくは痛め付ける程度で済ませるのだろう、と言うのはここだけの話だ。




「…………さて、取り敢えず先立つモノは作れたし、今の処一番ぶち殺してやりたかったヤツはぶち殺せたから、次はどうしようかねぇ……。

 まぁ、そこはおいおい考えれば良いやな。取り敢えず、学校でも行ってみるか」




 そうして行動指針を定めたシェイドは、課外活動の翌日は午後からの授業となっているガイフィールド学校へと向かうべく、諸々の荷物を取る為に家へと足を向けるのであった……。





応援して下さった方々に感謝です(^^)

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― 新着の感想 ―
[一言] 「ざまぁ」よりもボロ雑巾にされたラヴィニアの描写を想像したら…なんていうか……その…下品なんですが…フフ……「勃起」しちゃいましてね…ああ言うプライドだけが無駄に高い性悪女の心をへし折って屈…
[気になる点] ククル さんが書いた「なろう作品」(未完打ち切り)『苛められっ子は豹変しました』を読んで影響受けました?類似点が幾つか感じたのですが?
[良い点] キッチリやり返すけど、ネチネチやり続けない後味のサッパリさが好き。 [気になる点] 学校ですか……午後から所により『雨』ですかね? 生徒会長(&取り巻き)と幼馴染'sの動向に注目ですねぇ。…
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