表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反逆無双の重力使い~『無能』と呼ばれて蔑まれた少年は、封じられた力を取り戻して『反逆者』へと至る~  作者: 久遠
一章・虐げられた少年は反逆者へと至る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/226

欺瞞の愚者は、遠ざかる背中を見送る

閑話的なナニカとなっております

誰視点かは、読んでのお楽しみ、と言う事で

 



「…………あ、あぁ……そんな、待って……待ってよ、シェイドぉ……」




 ワタシの目の前で、遠ざかって行く一つの背中。



 決して大きくは無く、むしろ小柄で華奢なハズのその背中は、これまで何度も見てきたソレと同じモノのハズなのに、全く違うモノに見えていた。




 …………アレだけ、何度も何度も練習しても、どれだけ努力をしたとしても、今まで決して得る事の出来なかった魔術を行使していたから……?


 …………それとも、この世代では『天才』と呼ばれた事も在るワタシやリア姉さんであっても、血を吐く様な努力の末に手にした『固有魔術』を、しかもかなり強大なソレをアッサリと体得し、その上で自在に使いこなしていたから……?


 …………もしくは、ワタシやリア姉さんでは、今はまだただただ餌食として食われるだけであろう凶悪な魔物をたったの一人で討伐して見せたから……?




 ……いや、それは、多分『合っていて違っている』。



 確かに、それらも大きな要因の一つだと思う。


 確実に、彼はあの森の中で()()()()()()変わった。変わってしまった。良い方向にしても、悪い方向にしても、それは、間違い無い事実。



 ……だけど、ソレだけじゃない。


 ソレだけじゃ、あそこまで見え方が変わるハズが無いもの。



 …………多分だけど、彼の中で変わってしまったのは、ワタシ達に対する気持ち、だと思う。



 彼は、シェイドは、これまでは何だかんだ言っても、ワタシ達の事を、ワタシとリア姉さんの事をす、すすすすす、好き……でいてくれた、のだと思う。多分だけど。



 最近は、その気持ちを隠そうとしていたり、何故かつらそうに顔をする様になってはいたけど、それでもその気持ちを失ったりなんかはしていなかったハズ。



 ……でも、さっきの彼は、違った。



 さっきのシェイドは、自分で口にした言葉を、本気で信じている風に見えた。本気で、ワタシとリア姉さんが心変わりをして、会長に鞍替えしようとしている、と思っている口調と雰囲気だった。



 …………確かに、そう取られても仕方の無い状況だった、かも知れない。



 ワタシも、多分リア姉さんも、あの時彼が、シェイドが死んだ、と聞かされて、地面が無くなった様な心地にされたの。


 それで、そんな、足元が定まって無い時に、彼から頼まれた、なんて言われたら、もうそれでも良いかな、なんて考えちゃうのは、仕方無いんじゃないかな?ワタシは、そう言いたい。



 ……でも、そんな状況に在ったワタシ達を見て、ソレが本心から傾いていた、と認識されちゃった、って事だったのかな……?



 ……確かに、確かにね?普段から、ワタシはアナタの事を下げる様な事を言ってはいたよ?


 好きな訳が無い、だとか、勘違いしないで、だとか。それと、多分、会長の方が男らしい、とか言った事も、そう思わせちゃった原因の一つだったんだろうな、とは思うよ?



 …………でも、そんなの、素直になれない女の子の、気持ちを隠した言葉なんだから、そんなに穿った見方をしなくても良かったんだよ……?



 勘違いするな、って言ったのは、勘違いして欲しかったからなんだよ?


 好きな訳が無い相手に、幼馴染みだからって、毎日迎えに行くハズが無いじゃない。


 男らしくない、とは言っても、気弱さとも取れる優しさがアナタの良い処だったんだから、変えなくても良かったんだよ?



 アナタはワタシがして欲しかった勘違いはしてくれなかったみたいだけど、して欲しく無かった勘違いは、していたよね……。


 ワタシ、ああは言っていたけど、別段会長の事は好きでも何でも無かったんだよ?ただ単に、昔から家としての付き合いが在ったってだけだし、その頃にはもうアナタに出合っていたんだから、そんな気持ちになるハズが無いじゃない……。



『男らしさ』の比較に名前を出したのだって、取り敢えず手頃な相手が他にいなかったってだけで、他に意味なんて無かったんだよ?


 もしかしたら嫉妬してくれるかも?とは思っていたけど、まさか本気で受け取られるだなんて、思うハズが無いじゃない。



 …………でも、確かに、ほんの一度だけ、アナタの事を悪く言った事は在ったと思う。



 あの時、リア姉さんと一緒に、学校の友達に対して、確かに言ったよ?



『どうせアイツなんて男として見てないから』



 って。


 そう言えば、その辺りからだったっけ?アナタがワタシ達に対して、気持ちを隠したり、ワタシの照れ隠しを本気にし始めたのは……。



 ……でも、そんなの、友達との会話の流れで出てきた、ただの冗談だったんだよ?


 本気でそんな事、思っていたハズが無いじゃない。本気で思ってたら、ウザったく告白して来た連中に断りを入れる時に、名前を出したりなんてするハズが無いじゃない……。



 …………だけど、その時を境にして、アナタはワタシ達を避ける様になっちゃったよね……。



 その少し前に、ワタシ達が相手を振る時に名前を出されるから、ソレが原因で恨まれるのは嫌だから、自分から離れるかもしくは誰かと付き合うかしてくれない?って言っていたけど、その時は嫉妬心とかワタシ達に対しての好意だとかも覗かせていたから、その時はまだ好きでいてくれたんだよね?


 ……ワタシは、他の男と付き合え、って言われた様で、不機嫌になっちゃってたけど、それ位は察してくれても良かったんじゃない?



 …………でも、結果を考えれば、ワタシ達がアナタの事を好いてはいない、なんて、あそこまで言い切れたって事は、やっぱりあの時の会話を聞かれてた、って事なのかな?




 ………………だったら、嫌、だなぁ……。




 ねぇ……ワタシが、もっと素直になれていたら、こうはなっていなかったのかな……?


 ワタシが、アナタに対しての照れ隠しをせずにいられたら、もっと違った結果に、なれたのかな……?


 ワタシが、ワタシ達が、アナタの隣で笑っていられる様な事に、なれていたのかな……?




 …………やっぱり、嫌だ。


 このまま、アナタに誤解されたままだなんで、ワタシは嫌だ……。



 ……だから、これからは、素直になれる様に、頑張ってみよう。


 手始めに、明日、彼と会ったら、ちゃんと話し合ってみよう。



 ……そうすれば、ちゃんと分かり合えるハズ。だって、ワタシ達は、幼馴染みなんだから……!




…………果たして、そう上手く行くかなぁ……?(ニチャリ)



取り敢えず、ここからは主人公による蹂躙無双が展開される予定なので、コレを期にブックマークや評価をして頂けると作者が踊って喜んでやる気がモリモリ沸いてきますのでよろしくお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
甘いですねえー!!黄桃のシロップ漬けのように甘い! 何がって自己肯定感と思い上がりが。 なんですかこのブスは。女として許せますか?いいや。ダメだね(笑)
[一言] この女、都合良すぎる笑
[良い点] おーいい感じですねwこういう展開好きです。ようやく自分のしてきたことが分かってこれからってところですね。 [一言] 察してくれっとか言うなら相手のことも察してやれよってすごい思いました…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ