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星刻の覇王と誓約の禁呪詠唱  作者: mk5030
3/3

知恵の試練と卑劣な罠

氷の怪物の来襲から、息つく間もなく先に進む一行は、10分も歩くと、舗装されたものが、経年劣化で壊れかけたような道に出てきた。

「このへんから先は、洞窟ってよりは遺跡ってかんじか...」

「誰かがここに来てたってこと?」

ハルミが尋ねた。

「そりゃあそうだろ。でなきゃ誰がここに魔導書の忘れ物をしてくんだ」

「あっそっかぁ...」

「まぁそれが人間かどうか...いや、生き物かどうかは分かんねぇがな」

「へ?」

エミコはきょとんとしている。

「あぁ、どうでもいいことだ、忘れてくれ」

「わかりました!!」

「それよりミサ、辺りの様子からするに、そろそろ結界解いても大丈夫なんじゃねーのか?」

「あっそうね!......っふぅ...」

結界が解けて、しばらくぶりに新鮮な空気を吸い込んだ。

「うん...どうやらなんともなさそうだな」

それからしばらく、舗装された道を歩いた。そして、奥に進むに連れ、舗装は整ったものになっていった。

「ん?奥に松明の灯りが見えないか?」

「あっ、ほんとです!」

俺が推察した通り、途中からは松明の炎に照らされた遺跡のような場所になっていた。

しかし、明るくなってもどこか不気味な雰囲気はそのままだった。

「次は何がくるのかな...」

ミサは少々不安そうにしていた。

「まぁ、少なくとも今までとは比べ物にならないくらいの屈強な魔物が待ち構えている...それだけは間違いないだろう。だけど、俺がついているさ」

「こうき...ありがとう!」

ミサは羨望の眼差しで、頰を赤らめながらこちらを見た。

そして、そこからしばらく歩くと大きな広場に出てきた。そこには三つの扉があり、それぞれ左から


"Ⅰ"


"Ⅱ"


"Ⅲ"


と番号が振られていた。そして、広場の中央には石版が立っていた。その石版には、なぞなぞが書かれていた。

「思った通り...お次は冒険者の力だけでなく、知恵も試しにきたな」

「晃輝、これわかるの?」

ハルミが聞いてきた。


『ここには9枚の金貨がある。しかし、一枚は偽物の硬貨で、金貨よりも軽い。そこで、貴方は天秤を使ってこれを見分けなければならない。さて、天秤を使う最も少ない回数は、何回になるか』


しかし、ここで計算外の出来事が起こった。全く分からなかったのだ。それもそのはずである、この問題はどう見ても人間の演算能力の限界を上回る難易度だ。

だが、ここで俺が判らないと言ってしまっては、チームの士気が下がってしまうのは目に見えていた。そこで、敢えて答えを一つに決めて、すぐに入ることにした。


「ねー、晃輝、私ぜんぜんわかんない」

ミサはすっかり頭を抱えていた。

「2番だ!真ん中だから2番!2番がいい!」

ハルミに関しては論外である。

「バカ。答えは1番だ。」

「え!?どうしてわかったんですか!」

「簡単だろ。むしろお前らがバカなだけだ」

そう言って俺は1番の扉の前に立った。

「さすが晃輝だね!」

ミサは目を輝かせていた。

「さぁ、行くか」

俺が一歩を踏み出そうとすると、扉はひとりでに開いた。

1番の扉に足を踏み入れた瞬間、体が宙に舞い、俺たちはどこかへ転送された。

そして、しばらくの浮遊感の後、着地した。

「どこだ...ここは?」

次の瞬間、大きく地面が揺れ、巨大なゴーレムが出現した。

「だれなの、アンタ!正解を選んだってのに出てくるわけ!?」

ミサがゴーレムに向かって吠えた。

「ワレハ、チエノマノバンニン...フセイカイヲエランダオロカナモノヲ、ショケイスル...」

「えええっ!なんで不正解なんですか!」

「くっ...裏をかかれたか」

俺は舌打ちをして剣を抜いた。

「こうなったらコイツを倒すしかねぇな」


キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン......






長い戦いの末、俺たちは辛くもゴーレムに勝利した。

「晃輝ありがとう!晃輝のおかげでゴーレムを倒せたわ!」

ミサは俺の右腕にしがみつきながら言った。

「さすが晃輝!一流の剣の腕ね!」

ハルミは俺の左腕にしがみつきながら言った。

「ゼェ...ゼェ...剣スキル...Lv.12の俺の...腕ならこんな...もんだ」

俺は"神聖酒<ホーリーワイン>"を二口、三口と飲んだ。ちょうどその時、俺たちは再び元いた空間に転送された。

「さってと...さっきは完全に裏をかく策略にハマっちまったが...こうなると答えはひとつだ」

「おお!さすが晃輝です!」

エミコは目を輝かせた。

「で、どれが正解なの?」

ミサはまだ正解がわかっていないようだ。

「決まってんだろ。3番だ」

「どうして3番なの?」

ハルミは全く分からないといった様子で尋ねてきた。

「もし2番だったら、簡単すぎる,。なぜなら、2番は真ん中にあるから、いちばんみんな選びやすいだろう。そんな心理を利用してんのさ」

「おおっ!さすが晃輝ね!」

ミサはすっかり関心している。

「やれやれ...すっかり時間をとっちまったが、行くとしますか...」

俺たちは3番の扉の前に立った。すると、扉はひとりでに開き、俺たちは再びどこかへ飛ばされた。




俺たちは、しばらくの浮遊の末、どこかに着地した。

「どこだ...ここは?」

次の瞬間、大きく地面が揺れ、巨大なキメラが出現した。

「だれなの、アンタ!正解を選んだってのに出てくるわけ!?」

ミサがキメラに向かって吠えた。

「ワレハ、チエノマノバンニン...フセイカイヲエランダオロカナモノヲ、ショケイスル...」

「えええっ!なんで不正解なんですか!」

「くっ...裏の裏をかかれたか」

俺は舌打ちをして剣を抜いた。

「こうなったらコイツを倒すしかねぇな」


キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン......






長い戦いの末、俺たちは辛くもキメラに勝利した。

「晃輝ありがとう!晃輝のおかげでキメラを倒せたわ!」

ミサは俺の右腕にしがみつきながら言った。

「さすが晃輝!一流の魔法の腕ね!」

ハルミは俺の左腕にしがみつきながら言った。

「ゼェ...ゼェ...炎魔法スキル...Lv.12の俺の...腕ならこんな...もんだ」

俺は"神聖酒<ホーリーワイン>"を二口、三口と飲んだ。ちょうどその時、俺たちは再び元いた空間に転送された。




「ふぅっ...まさか二回も裏をかかれるとはな...しかしまぁ、これで確実に前に進めるってわけだな」

「晃輝...あれを見てっ!」

「ぐっ...!?」


問題は、別のものに変わっていた。


「2番だ」


俺は血眼になり、3人を連れて扉を開いた。



「どこだ...ここは?」

次の瞬間、大きく地面が揺れ、巨大なドラゴンが出現した。

「だれなの、アンタ!正解を選んだってのに出てくるわけ!?」

ミサがドラゴンに向かって吠えた。

「ワレハ、チエノマノバンニン...フセイカイヲエランダオロカナモノヲ、ショケイスル...」

「えええっ!なんで不正解なんですか!」

「くっ...ちっ...くっ...クソがぁ...クソ...」

俺は舌打ちをして剣を抜いた。

「こうなったらコイツを倒すしかねぇな」


キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン......






長い戦いの末、俺たちは辛くもドラゴンに勝利した。

「晃輝ありがとう!晃輝のおかげでドラゴンを倒せたわ!」

ミサは俺の右腕にしがみつきながら言った。

「さすが晃輝!一流の回避の腕ね!」

ハルミは俺の左腕にしがみつきながら言った。

「ゼェ...ゼェ...回避スキル...Lv.12の俺の...腕ならこんな...もんだ」

俺は"神聖酒<ホーリーワイン>"を二口、三口と飲んだ。ちょうどその時、俺たちは再び元いた空間に転送された。




「1番だ」



「どこだ...ここは?」

次の瞬間、大きく地面が揺れ、巨大な何らかの魔物が出現した。

「だれなの、アンタ!正解を選んだってのに出てくるわけ!?」

ミサが何らかの魔物に向かって吠えた。

「ワレハ、チエノマノバンニン...フセイカイヲエランダオロカナモノヲ、ショケイスル...ホントニコレデサイゴニシテホシイ...モウレパートリーガ...」

「レパートリーってなんですか!ねぇレパートリーって!レパートリーって!?」

「クソがぁ...クソっ...つっかえ...ちっ...あぁもう...クソがぁ...」

俺は舌打ちをして剣を抜いた。

「こうなったらコイツを倒すしかねぇな」


キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン......






長い戦いの末、俺たちは辛くも何らかの魔物に勝利した。

「晃輝ありがとう!晃輝のおかげで何らかの魔物を倒せたわ!」

ミサは俺の右腕にしがみつきながら言った。

「さすが晃輝!一流の道具使用の腕ね!」

ハルミは俺の左腕にしがみつきながら言った。

「ゼェ...ゼェ...道具数...12の俺の...腕ならこんな...もんだ」

俺は"神聖酒<ホーリーワイン>"を二口、三口と飲んだ。ちょうどその時、俺たちは再び元いた空間に転送された。


「ゼェ...ゼェ...クソがぁ...」

俺には終わりが見えなかった。

その時、ハルミが言った。

「私、この問題分かりました!」

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