仲間と物資をゲットだぜ!(笑
さて。
愛しの息子タンは無事に学校に旅立って行きました。
テスト期間じゃなきゃ休みたがったんだろうけど、流石に素直に登校してきましたよ。
勉強は学生の本分、ってね。
適当母親に育てられた割には、そこら辺は真面目で優秀なんだよね。父親の血だろうなぁ、あの頭の良さは……。
「に、しても。本当にどうするかなぁ」
加齢が加速する病気なら聞いたことあるけど、逆行するなんて初めて聞いたぞ。
あ、成長止まっちゃうやつはあったか?
なんかテレビで赤ちゃんから成長しない女の子の話を見た気がするなぁ。
食器を片付けつつ、首を傾げてみたっていい考えなんて浮かぶわけもない。
考え込みつつも身体は自動に動いてたみたいで、ふと気づけば、洗濯と部屋の掃除まで完了してた。
「………病院……行ったら、人体実験の対象にされる未来しか見えない。ある意味、究極のアンチエイジングじゃん」
肩を落とすと、ずるりとTシャツがズレて肩がはだけた。
30センチ変わると服がダボダボでいかん。
ハーフパンツは7分くらいになるし、目一杯紐を絞って着てるから見た目も微妙………。
「さしあたり、着れそうな服を発掘して買い物………あ、でも平日に1人で洋服買いに行く小学生ってどうなの?」
お巡りさんとこんにちは、は、まだしたくない、なぁ。
現状を説明できる自信ないし、理解してもらえたとしても人体実験な未来再び、な気もするし。
「だめだ。完璧に詰んでんじゃん。協力者を作ろう、そうしよう」
とは言っても、親兄弟はココから公共交通機関で1日かかる遠方住みだし、数少ない友人は仕事あるし、ってわけで白羽の矢が立ったのが……。
「僕って訳ですか。至急120センチサイズの女の子の服を買って来いってメールが来た時は何かと思いましたが………」
唖然とした顔で見下ろしてくるスーツ姿のイケメンは、私の担当編集者である。
専属ではないけど、担当つくくらいにはお仕事してるんです(エッヘン!)
まぁ、家が近所につき、友人枠に食い込んだ付き合いだからこその「お願い」ではあるんだけどね。
「しかし、見事にちぢみましたねぇ。なんか怪しい薬でも飲みましたか?」
「コ○ンじゃないから!」
まぁ、今の私を見て、驚きながらもこんなセリフが出てくるあたり、こいつも変人だ。
黙っていれば整った顔立ちで高身長の高収入なのに、中身は真剣に2次元嫁を愛する残念イケメンなのだ。
まぁ、だからこそ気安く付き合えるんだけどね。
「………なんか安達君の趣味が……」
とりあえず、手に持っていた袋を受け取り中身を覗き込んで固まる。
ピンクにに白に水色………。
柔らかなパステルカラーのヒラヒラふわふわしたワンピースやチェニックの数々。
「や、違います!僕の趣味というわけじゃ……。先生の資料だと思ったから、今執筆中のキャラに合いそうな服を持って来たんですよ〜〜!!」
「今書いてる話のヒロイン、どっちかというとボーイッシュ………」
誤解だと叫ぶ安達君を生温かい目で見てみると盛大に視線が泳いだ。
そういや「嫁」はロリキャラだったな………。
「………うん、まぁいいや。とりあえず着替えてくる」
袋片手に隣の部屋に引っ込むと、改めて中身を確認。
ピンクのヒラヒラ膝丈ワンピは、とりあえず無いな。
なんだっけ、コレ?甘ロリってやつ?
しかし、いっぱいあるなぁ。
「資料」って言ってたし、経費で落とすのか?なら、良いか。
しょうがないから、何処かで反映してやろう。
「これでいいか」
比較的無難な水色ストライプのシャツワンピースに7部丈のレギンスを合わせる。
下着は流石に買って来てもらえなくて、ね。
ずり落ちるパンツ抑えるのにレギンスは必須なんだよ。
「だから、そんながっかりした顔しないでもらえる?ロリコンって呼ぶぞ、変態め」
どうやら安達君は、ワンピースの下に何か履くのは否定派だったようだ。いるよね、そういう男子。
リビングに戻った途端、眉を下げた残念イケメンに思わず罵れば、なんでか顔を赤くして慌てだした。
そうかM属性まであったか、安達君。
私の中の君の地位がどんどん下降して行くんだけど、どうしたらいいかね?
「で、安達君、君の今日の予定は?余裕あるなら買い物付き合ってくれると助かるんだけど」
とりあえず、大人の処世術を繰り出し、話題転換。
変態を突き回してもいい事ないしね。
「あ……いえ……はい、大丈夫です!どこまでもお伴します!」
赤い顔のままコクコクと力強く頷く安達君。
よし、荷物持ち兼保護者ゲット。
「合法ロリ」とかいう呟きは、聞こえないったら聞こえない。
とりあえず、パンツ買う時はどっか遠くに行ってもらおう。
「とりあえず、買ってくるから、安達君はここで待機ね!」
ピシッと隅のベンチを指差すと、既にいくつかの袋を抱えた青年が、寂しそうに眉を下げる。
非常に整った顔立ちのため、そんな表情をすれば、思わず手を差し伸べてしまいたくなるほどの哀愁が漂う。
現に、老いも若いも女性達が、通りすがりにチラチラとこちらを見ていくが、安達君が付いて行きたがっているのは女児用の下着売り場だと言うことを、声を大にして言いたい。
恥ずかしいので言わないが。
(見た目だけは良いのに………。まぁ、本人は「嫁」ラブで幸せそうだし余計なお世話か)
冷たい目で「ステイ」を言い渡し、サッサと目的のブツを購入していく。
(スポーツブラ………も要らないか、コレは)
足元まで真っ直ぐ見渡せる視界に肩を落とし、肌着とパンツのみ、購入する。
ついでにネコミミパジャマを衝動買いしたのはご愛嬌だ。
「お待たせ〜」
戻れば何やら真剣な顔でスマホをいじってたから、仕事かと気を使えば「嫁」のでてるゲームしてやがった。
ブレないな、安達君。
真面目な顔でやってる中身は萌え系ゲーム………。
何度でも言おう。
残念イケメンめ!
「悠里がソロソロ帰る時間だから戻るよ〜。昼は奢ってあげるから、どっか食べ行こう」
なんかどっと疲れた。
誘ってあげるので引き続き足になるが良い。
テスト期間中は半日なんだよね。
勉強しろってことなんだろうケド、昼ごはん作るの面倒だ。
と、不意に安達君がニヤリと笑った。
「一度家に帰るのも面倒ですし、このまま迎えに行きますか?」
「………安達君、ワルだねぇ」
思わず笑い返した私の笑顔もさぞかし悪いものになっていた事だろう。
「流石に校門前は怒られそうだから、何時もの路地によろしく〜〜」
帰宅中の息子を急襲決定!
読んでくださり、ありがとうございました。
安達君の「嫁」は、ギャルゲーに片足突っ込んだRPG系ゲームの中の人。ロリ担当1○歳の魔法使い。なお、実在のゲームとはなんの関係もございません。自宅には抱き枕を始め各種グッズが並べられている、らしい。
え?そんな情報いりませんか?(笑




