演劇との対比
決意表明だけして一年近く放置、これは酷い。
何度か書いて書き直してを繰り返したんだが、十全に伝えられる自信がない、というか諦めた。
要点を押さえるので参考程度に読んでくれると嬉しい。
小説を書く為に必要な事は何かと言われたら、『演劇との対比』この一言で説明できる。
受け取り手側が知識を持っている人ならば、すぐに同意してくれると思うが、これを読む人は、それを持っていないから探しに来ている筈なので、噛み砕いて説明する。
目をつぶって、中学校あるいは高校の演劇部の練習風景を思い浮かべてくれ。
体育館の舞台にはピアノが有り、校長が使うテーブルが中央にあり、部員が何人かジャージのままで棒立ちになり、セリフを棒読みしている。
想像で来たら目を開けて欲しい。
これは君たちの書いている小説だ。
この練習中の演劇を、客に見せる本番用の演劇に変える為に何が必要か?それを理解した時に小説が書けるようになる。一つずつ解決して行こう。
部員が全員ジャージを着ている、文化祭でこのままやると父兄からお飯事以下とバッシングされるぞ、さぁどうする?
答えは簡単だな、衣装を用意しましょう。
小説風に言うと、鎧を着てるのかローブを着ているのかドレスを着ているのか、地の文でキチンと書いておこう。
舞台の上にピアノと校長が使う机がそのまま置いてあるぞ、父兄が以下略。
さぁどうする?
答え、片付けてから大道具を用意しましょう。
これは小説では情景描写と言われるな。映画だとエキストラなんかもこの中に入る。
次、部員たちは大道具を用意し、衣装を着たまま棒立ちでセリフを呼んでいる。このままだと父兄に以下略。
さぁどうする。
動くように指示を出しましょう。
剣を持ってたら暴れん坊将軍よろしく殺陣を演じ、魔法使いなら杖を掲げながら呪文を唱える。
舞台に居る人間が全員コサックダンスを踊っていて、剣が当たらないのに突然やられた~と言いながら倒れたりはしないよな?
銀玉でっぽうでガンマンごっこをしている子供より酷い状態なので必ず動作を描写してくれ。
閑話
さて、ここまでで対比や分析が必要だと言う事は分かったかな?
目をつぶって想像するだけでも色々思いつくだろう、特に可能性を削っていない事を良い事にありえない世界を読者が作り出せる事が分かると。
ここからはもう少し細かい話になる。
部員たちは恋愛の劇を演じている。
全員鬼のような形相をしながら、演じているが「愛している」なんて主人公が言い始めた。
正常か?w
貴方が書いた小説のキャラクターは大体こんな感じだ、全員福笑いのお面をかぶっていたり、アニメのキャラもののお面をかぶって演じている。
多くの素人小説では、表情の変化が何にもない事が非常に多い。
演劇、ドラマ、映画なんかを見てればよく分かるが、心理描写を地の文に書く事が出来ない。
表情を描写する事によって、心理描写を代替する事が出来る事を憶えてくれ。
次は声だな。
『綾波レイ』叫んでたりするかな?『惣流明日香ラングレー』はぼそぼそ喋っているかな?
漫画だったら吹き出しの部分がトゲトゲに成ったりする。
小説でも同じようにそう言う部分を描けるので、イメージした物はキチンと文章にしよう。
さて、これで最後になる。
多くの作家志望が認識できない部分だ。
目をつぶって部員にシンデレラを演じさせてくれ。
小道具が有り、大道具が有り、役者は動き、声のトーンや表情の変化も現れた。
ボロ小屋で虐められ、魔女が出て来て馬車をだし、王子とダンスをしました。
さて、ボロ小屋の中に入りきら無い様な巨大な馬車を召喚し、王子が何故かボロ小屋に来て、ボロ小屋の中でダンスを踊っているな?
シーンの変化が無いからだ、幕を下ろして大道具を入れ替え、別の場所に来たシーンだとナレーションが入る、と言うのが普通なんだが、今まで一度も話に出していない。
小説で唯一『ナレーション』が出て来るところで、大道具の説明を再度しなければならない所。
『場面変化』これについてキチンと認識する事が一番大きなコツだ。
演劇だと大道具の入れ替えが大変なので数が少なくなるが、小説では『小説』のツールとして縛りが緩いので、頻繁に登場する。
これを認識していないと、情景描写が必要な場面であるにもかかわらず、何も書かれていないと言う作品が出て来る。
また、子供向けの演劇の場合だと桃太郎が鬼退治に行くと言い、爺婆が見送った直後に置かれたりして、ナレーション自体が削られる事も有り、『ナレーション』自体の便利さも、それを使っている認識も、自覚していなかったりする。
ここまで読んで対比する事の重要性や、対比する場所が分かってきたそこのあなた。
漸く、たくさん読んだり、たくさん書いたりして上達できるようになりました。
おめでとう?
次の話題は大きくスポイルした心理描写についての話かな。




