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御徒町樹里の信長公記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
首巻 是は左京御入洛なき以前の双紙なり
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織田喜六郎殿事御生害其参

 次に光京は、守護代である織田彦五郎友京を追い詰めて、切腹させました。


 戦国の世は、裏切りと謀略が常とは言え、あまりにむごいやり方だと思う地の文です。


 光京は約束通り、清洲城を左京に引き渡し、自分は左京がいた那古野城に移りました。


 この因果はすぐに光京に起こりました。


 同じ年の十一月二十六日、どうした事か、光京は不慮の死を遂げました。


 起請文に「決して裏切る事はない」と書き記したのにそれを反故にしたので、神罰が降ったのでしょう。


 天道に背く事は恐ろしい事だと世間では噂になりました。


 それは左京にとってはこの上ない幸運でした。


 ですが、よくよく考えると、この時の報いで、明智光秀に謀反を起こされたのかも知れません。


「ネタバレさせるな!」


 周知の事実を明かしただけの地の文に激ギレする左京です。


 噂では、左京の放った刺客が殺したとも言われているのです。


「そ、そのような事はない!」


 あからさまに狼狽えるわかり易い左京です。

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