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村木ノ取出攻めらるるの事其陸
左京は本陣に帰ってから、家臣の働きや死傷者の事などを言い、嘘泣きまでしてみせました。
「嘘泣きではない、心の底からの感涙だよ!」
地の文の適当な描写に切れる左京です。
翌日には寺本の城を攻め、城下に火を放って、その後、那古野に帰陣しました。
更にその翌日の一月二十六日、左京は舅の斎藤山城守道三が遣わした安藤守就の陣所に赴き、城の留守居の礼を言いました。
美濃衆は翌二十七日、帰国しました。
「婿殿の働きは如何であったか?」
道三は左京の采配を尋ねました。
守就は、大風の中を渡海した事、村上城をどう攻めたかを事細かに道三に伝えました。
「恐るべき男だ。隣国にはいて欲しくない人物だ。敵でなくてよかった」
道三は左京の真の実力を知った思いがしましたが、本当は全て正室の樹里の差配であるのは内緒です。
「絶対に内緒だぞ」
樹里の膝枕を堪能しながら地の文に念を押す左京です。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開で応じました。




