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山城道三と左京御参会の事其参
斎藤道三という人物は抜け目がありません。
左京は行儀知らずの元猿であるから、正体を暴いて笑ってやろうと思っていました。
「元猿じゃねえよ!」
まだ西遊記に引き摺られている地の文に切れる織田三郎左京です。
道三は古老の者を七、八百人程、折り目正しい肩衣(武家の礼服)、袴といった公式な衣装を身に着けさせ、正徳寺の御堂の縁側に並んで座らせ、その前を左京が通るように手配しました。
道三は町外れの小さな家に隠れて左京の行列を覗き見ました。変態ですね。
「違う!」
地の文に切れる道三です。
その時の左京の出で立ちは茶筅の髪に湯帷子の袖をはずし、大小は差していたものの荒縄で腰に巻き、芋縄を腕輪にし、腰には猿使いのように火打ち袋や瓢箪を七つ八つぶらさげ、下は虎革と豹革の半袴、といった格好でした。
お供の衆は七、八百人程で、柄が三間半(約六・三メートル)の朱色の槍五百本、弓、鉄砲を五百挺持たせて行列の前に足軽を走らせました。




