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三ノ山赤塚合戦の事其伍
数刻にも渡って繰り広げられた合戦ですが、敵味方共顔見知りの仲でしたので、互いに気を抜く事はありませんでした。
兵は馬を降りて戦っていたので、乗り捨てられた馬達は皆敵陣に駆け込んでしまいました。
戦いが終わってからは、少しの誤りもなく、返し合いました。
ずる賢い左京にしてはまともな対応をしたと思う地の文です。
「うるせえ!」
正直な感想を述べた地の文に切れる左京です。
スケベな左京は、凄まじい勢いで城へと帰りました。
可愛い奥方の樹里に一刻も早く会いたいからです。
「余計な事を申すな!」
顔を赤らめて地の文に切れる左京です。図星だったようです。
「そうなんですか」
樹里はそれにも関わらず、笑顔全開です。
(樹里様、愛おしい。早くお会いしたい)
城に向かいながら、だらしない顔で涎を垂らす元猿の左京です。
「前々世と混同するな!」
時代を超えてボケ続ける地の文に切れる左京です。
これが左京が当主となってから初めての合戦でした。




