頼みの綱
とりあえず自分の秘められた能力に気が付いた孝之。仲間が出来た。なんか嬉しかった。
俺の能力は先程見せた様にコントロールが大分出来る様になり入院生活もかなり改善された。動けない足がもどかしかったが、飲み物が飲みたい時は、冷蔵庫にに集中し扉を開け飲み物を机の上まで移動させる。テレビが見たい時は手元までリモコンを移動させる。このように何不自由なく動かずとも手元まで誘導出来るまでになった。能力の分析や限界も調べた。個体しか無理と思っていたが、水などの液体も空中で留められる。物質の破壊は出来るが再生は不可能。動かせる物は現状調べた段階では自分の体重程までだった。だが重ければ重たい程体への負担が大きいとも分かった。それと重要なのが実物を目で確認出来る距離で無いと能力は効力を出せない。テレビ画面のなかの生中継されていた番組で試したが何一つとして動かせなかったからである。なぜここまで必死になるのか、普通の人なら恐くなり能力を抑えたりして、健康を優先するであろう。だがしかし、俺には不良達への復讐心があったからこの能力で国家権力も効かない力でねじ伏せる覚悟だった。泣き寝入りなどしない。小さい頃から正義のヒーローに憧れていた。悪を成敗し弱き者を助ける。その心は変わっていなかった。
後日、孝之が見舞いに訪れた時、興味深い話しをした。
孝之「旬。聞いてくれよ。一学年上の先輩に杏奈先輩っていただろ?」
旬「あぁ~確かミス七夕のだろ。有名人だからしってるよ。それがどうかしたか?」
孝之「実は俺さ、杏奈さんが好きだったから頭の中テレパシー使って聞いてみたんだよ。」
旬「はぁ?それストーカーだぜ。笑」
孝之「まぁ聞けって。最初は興味本意で聞いてたんだけど、杏奈さんの頭の中にチューニングすると正確に聞こえるんだよ。」
旬「ん?チューニングってなんだよ。」
孝之「俺の能力のコントロール方法だよ。聞きたい人に集中するだろ。そしたら最初は雑音なんだよ。でも、無心になってじっと見つめてラジオの番組合わせるみたいにチューニングすると鮮明に聞こえるんだよ。」
旬「おぉ!凄ぇな。」
孝之「だけどな、普通の人は鮮明には聞こえないんだよ。どんなにチューニングしても部分的だったり雑音のが大きかったりする訳だよ。でも、旬と杏奈さんは鮮明に聞こえるんだよ。」
旬「って事は杏奈さんも能力者って事か?」
孝之「多分な。だけど性格超悪いぜ。頭ん中暴言ばっかなんだよ。顔は良いけど内面最悪だな。うん。怖い怖い…。」
旬「まだ能力は分からないけど、杏奈さんもサイキッカーズのメンバーに入れるべきかもしれないな。」
孝之「何?サイキッカーズ?だっさ!お前まじで小学生だろ!笑」
旬「とにかく杏奈さんについて詳しく調べてくれよな。」
孝之「…了…解…。」
旬「うわっ!なんだよ!頭ん中で響いたぞ。」
孝之「凄ぇだろ☆聞けるなら話せるかなって思ってこの前からお前に試してたんだよ。」
旬「お前俺で試せとは言ったけど、一言かけてから実験しろよ。てか今までも勝手に頭ん中の声聞いてたのかよ。」
孝之「うん☆お前同じクラスの優子って子、好きなんだろ?笑」
旬の頭の中『まじかよ!プライバシーもあったもんじゃねぇじゃん。』
孝之「そうだよ☆笑」
旬「お前!また盗み聞きしたろ。勝手に聞くなよな。とにかく、杏奈さんの事頼んだぞ。」
孝之「分かったよ。じゃあまた明日な。優子ちゃん☆笑」
旬「ふざけんなよ!早く帰れ!笑」
だが驚きだった。孝之の能力も格段に成長しているし、もし杏奈さんも能力者ならこれで三人か…。
腐った世の中を変えるには少なすぎる人数だった。もっと能力者を集めなければならないと思った。と同時に全員が全員善人とは限らない。能力を悪用してる奴だっているかもしれない。俺はまだ後一カ月は入院しなければならないから、頼みの綱は孝之となる。
旬「孝之か…大丈夫かな。」
斎田孝之 年齢14歳 性別 男 性格 お調子者
能力 テレパシー
白鳥杏奈 年齢15歳 性別 女 性格 超最悪?
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