※依存者
「雪桜ちゃんが、死んだ・・・?」
嘘・・・嘘うそウソそんなのウソでしょう?
だってさっきまで一緒にいたのよ?
ベッドの上には物言わぬ肉塊。
ついさっきまで普通にしていたのよ。
そしたら、車が・・・車が飛び込んできて・・・。
手を伸ばしても届かなくて、雪桜は笑って・・・・・。
「違う・・・、」
“アレ”は雪桜じゃない。
ねぇ違うでしょう?
そうでしょう?
だってあの人は、“あんな笑い方”しないもの。
「雪桜ちゃん・・・?」
嗚呼、雪桜・・・雪桜ユラゆらユラユラ雪桜!!
「イヤだ!違う!!“コレ”は雪桜ちゃんじゃない!!!
死んでなんかないのよ!!」
誰かそう言ってよ!
半狂乱に叫ぶわたしを哀れみの目で見てくる人たち。
知ってるよ、本当は気味悪がってる。
ああぁぁああ嗚呼あぁイヤだイヤだ。
悲しそうに目を伏せてわたしを説く雪桜の親族さんや病院の人たち。
煩い、皆々善人ぶってなに言ってるのよ。
『もう死んだんだ。』『霧絵ちゃん、気の毒だけど』『みんな悲しいの』『きっと雪桜ちゃんも悲しんで』
あんた達になにがわかるっていうの?
嗚呼、偽善者ばっかり・・・ ねぇ雪桜、わたしもいくから。
待っていてね。
雪桜が死んだ交差点。
わたしもそこで死のう・・・きっと、きっと同じ場所にいけるわ。
「置いていくなんて、ゆるさないわ。」
ねぇ、また出逢えた時、わたしがどれほど喜んだか貴方は知らないでしょう?