福袋
この話の女子は私の周りの女子であって、世間一般が必ずしもこうだとはあてはまりませんので悪しからず。
1月のメインイベント。それは福袋戦線である。
女子なら誰しも一度は参加したことがあろう。無論、私もだ。まぁ女子と言う年齢は少し前に過ぎ去ったが。
いや、でも30過ぎても女子会やってる人もいるからまだ女子と言えなくもないか。
そもそも女子会と言うのは何故なのか。女性会っていうと何となく政治っぽい雰囲気を醸し出すからか?婦人会だとPTAを想像してしまう。淑女会なんて言ったら「はっ?何それ」レベルになる。だから可愛らしい、私たちいつまでも女の子だもん☆的ニュアンスを残して女子会なのだろう。
話が逸れたので戻す。
福袋には女子のロマンが詰まっている。コートにニットにショーパン、ポンチョetc.
当たりを引いた時の喜びは半端ないが、逆にはずれを引いた時のがっかり感も半端ない。
「どうすんだよ!?似合わねぇよ、これ」を引き当ててはもう買わないと思いつつ、また翌年も同じ悲劇を繰り返す。女子とは学習しない生き物である。
まぁ最近はネットオークションに出して損失補填もできるから余計に手が出やすいのかもしれない。時代の進歩は素晴らしい。
友人は元旦に購入した福袋が当たりだったため、味をしめ二日初売りの店に朝早くから並んで買ったらしい。
私は福袋で外れを引いて『本当に欲しいものは初売りで』派にシフトチェンジを何年か前に図ったため、ここ数年はスタバなど実用的福袋しか購入してこなかった。シフトチェンジしつつもやはり何かしら購入するのは学習しないからである。
だが、しかし。
今年運命の出会いをする。
三日にたまたま友人と買い物に行くとチラホラ目立つ福袋。
売れ残りではない。再入荷だ。
だったら初日から多目に売れよ!
朝早くから寒い思いをして並んだ子なら誰でもそう思うだろう。
何のために気合を入れているのだ。福袋を買うためである。
福袋戦線から退いていた私は再入荷なんてものがあることに驚いた。私の知っている時代からかなり進化している。
この再入荷、店員も親切なことに中身を見せてくれるのだ。ある店では、実際買う気もないのに友人と一緒に見せてもらった。そこへさり気なくほかのお客さんも混じるのは女子だからである。彼女は母親に電話を掛けていたから購入したかもしれない。残ってて、否、再入荷あって良かったね。
私は実用的福袋以外卒業したはずなのにコートが欲しいあまり、つい購入してしまった。コートを普通にsaleで買うより、福袋のセットで買った方が断然安いのだ。お得である。同じものだとより一層そう思う。
これが学習できない理由だろう。
買ってからふと思い出す。
冒頭に出てきた友人はどこの福袋を買ったのか?
不安になって電話を掛けるがつながらない。
SNSでブログを見れば、同じ店で購入している事実。
あーこれは失敗した。
福袋を買って多い失敗は誰かと被ることである。
被ってしまったら早めに着て牽制をしないと逆に牽制されて中々着れなくなってしまうのだ。福袋戦線は買うまでじゃない。買ってからも続くのだ。
売れ残りではなく再入荷では返品も難しい。中身を見たうえで選んでいれば尚更だ。
どんよりした空気を纏いつつお店の外に出ると彼女から電話が!
どうしよう?聞いても大丈夫かななんて考えたのは三秒もなかった。
「もしもし。今平気?あのさ、どこの福袋買ったの?」
「○○と■■と△△(私が買ったお店)だよ」
「△△、コート何色だった?」
「キャメルだよ」
よし!違う。
ガッツポーズ一つ。
「ポンチョは?」
「赤のチェック」
よし!これも違う。
「ワンピースは?」
「茶色」
よし!色被っていない。
「ごめん!私も買っちゃったの!」
軽いノリで言う。重い感じで言ってはいけない。向こうも気まずい思いをするから。人によっては重い感じに言った方がよい場合もある。ケースバイケースだ。
「あーマジで。そうなんだー」
この友人、私とよく似たノリなのであまり気にしない。
事情をかいつまんで説明し電話終了。
これでコートが着れる!
意気揚々と福袋を持って帰った。
その一か月後。
職場用のコートとして使っていたのが災いしたのか、オッサンらと強制的に飲みに行くことになりコートはものすごく油臭くなった。
因みにオッサンの脂じゃない。揚げ物の美味しいお店に行ったからだ。
部屋に置けば、部屋中臭うようになるカオスな存在と化したコートは廊下に吊るしている。廊下を通るたびに臭う。しかし部屋には置かない。置きたくない。
今年はもうクリーニングに出して終わりだろう。
買って一か月でシーズンオフを迎えるなら買わない方が良かったと思うのは言うまでもない話だ。
ちなみに今年はワイシャツ(ブラウス)5点で3000円の福袋買いました。
やっぱり学習してません。