【本編・あとがき】
鶏はすでに肉になっていた。
そんなものから始まるとは思ってもみなかった。
大きさをそろえた。
本当のところは完全を求めたかった。
あとになって思えば、そろえたと思えた時点で、そろっていたのかもしれない。
水分を排除した。
私が震えたのは、その能力が備わっていると知ったからだろうか。奥の奥まで考えたいが、猶予はない。
揉むことへの憧れが止まらなくなった。そこに理由などない。こころゆくまで味わいたい。
求めているのは快楽なのだ。
だがここで時を待つことができるかどうか。それが夜を輝かせるかどうかの瀬戸際になる。
あらゆる個体に粉をかけてきた。
すべてを平等に扱うからには、覚悟しなければならない。向かう先は地獄だ。
煮えたぎる油の釜へ行く。
最も苦しいのは、じわじわと煮崩されてしまうことだ。火をくべろ。みずからの手でくべろ。燃やせ、温めろ、それでいて限界は超えるな。
我慢しろ。触るな。動かすな。
そのうち浮いてくるものだ。
浮かないものもある。
裏返す。
これまで裏返さなかった理由を考える必要があっただろうか。だいたい考えているうちに、考える必要がなくなる。
取り出さずにいられない。
でもそれは記憶とは違う何かだ。どこに触れようともやめてはいけない。
汚れた油の釜から外へ。
ついてしまったものは落としきれない。それでいい。
最後に、皿を見つけることだ。
用意しておけとは言わない。用意するなとも言わない。熱くとも寒くとも、それは、皿に載っているのだ。
唐揚げ。
できたのは何だ。できたとは何だ。
その揺らぎのなかで、今、
完成となった。
【あとがき】
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