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第9話 褐色色した王子様の婚姻話 (2)
そう俺の第二の故郷とも言える和の国の茶葉が美味しいと絶賛してくれたから嬉しくて仕方がない。
だってこの俺は幼少期に、実の父であるインドア帝国の皇帝……。ガンダーラ三世皇帝陛下の命で最強のサムライウォリアーになるべく、伯父上のシマズ伯の許へと留学……。
そこで伯父上や先生達からサムライとは何か? を教わり、極め、免許皆伝を頂き、戦好きの伯母上からは戦の仕方──。戦術を嫌と言うほど叩き込まれ。
最後にはこの世の究極とも言えるボスモンスター武器、防具の扱い方も、甥の俺が泣こうが、喚こうが、恐れ戦き、震えようが。伯母上は他国から鬼シマズと呼ばれる猛者だから強引に叩き込まれた和の国での遠い日々の思い出なのだが。
和の国はまさに修羅の国……。武芸や戦ばかりの日々を過ごす生活だったのだが、武術と勉学以外は本当に楽しく過ごせた。
特にシマズ伯領は、このイングリッシュ王国からの移民も多く、俺の伯父上や伯母上以外にも叔父上や叔母上もいるし、従姉弟達も多いから、何不自由なく暮らし、領民達とも仲良く暮らせた。