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侯爵家でありながら、キングソンでドレスを仕立ててもらった事。

ドレスの胸元には国一番のオッカムが飾られている事。

それらが既に他の貴族へも噂として広がっており、そんなロザーラへ関係だけでも、あわよくば婚約まで持っていけたらと、ダンスを願う人が殺到していた。

舞踏会へ向かう時は、お父様から絶対に壁の花にはなるなよと言われてたのに、まさか逆に踊る人を厳選しなきゃいけなくなるとはね。


(取り敢えず、あんまりがっつかない人がいいわね。後、言葉遣いが丁寧な人が。数人と踊れば休憩の時間に入るから、その間に庭園にでも行こうかしら)


結局、ロザーラはマルカラン王子が仮面の男の正体なのか聞く事が出来ないまま、ダンスの時間へと突入してしまった。

ダンスしながらチラリとマルカラン王子の方を見ると、ロザーラと同じ様に困り顔をしながら踊っている。

この様子なら間違いなく、王子様も休憩時間に庭園まで行くわね。あそこではダンスのお誘いは厳禁だし。


音楽が止まり、ダンスを終えてロザーラはささっと庭園へと向かう。

途中、マルカラン王子が彼女に近づき、疲れ果てた顔で話しかけてきた。


「ロザーラ、久し振りだね。元気にしてたかい?」

「えぇ、相変わらず。……本当に王子様でしたのね」

「第三皇子だけどね。……本当は一緒に踊ろうと思ってたけど、どうにも邪魔が入ってしまってね。申し訳ない。もしよろしければ休憩の後は一緒に……お茶でもいかがかな?」

「構いませんけど、そこはダンスのお誘いではないのですか?」

「お互い、他の貴族に取り囲まれて疲れてるだろうし、ダンスはもういいかなって。それより、少し話したい事があるんだけどいいかな」

「ええ、構いませんよ。ですが……折角なら踊りたいと思うのが本音ですわ」

「ほんとに? それはよかった!」


それからロザーラはマルカラン王子と庭園を歩きながら、色々な事を話し合った。

王立図書館で読める面白い本の話の様な他愛もない話から、どうして仮面をつけてロザーラと会ったのかという大事な話まで。


「王位継承権が遠いからといっても、僕は王子だからね。普段、外を出歩く時は宮廷道化師という事にしてるんだよ。それと……ごめん。実は一つ隠してる事があったんだ」

「仮面以外に?」

「そう。あの時、泣いている君に会おうとしたのは、ステリックの事が聞きたかったからなんだ。君にあの下種野郎が何をやったのか聞いておきたくて。ごめんね、騙すような形で話しかけたりしちゃって」

「そういう事だったのですか……」

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