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005

 マリーダが魔王陛下に行った行為は、普通なら斬首にされて、お家取り潰しにされてもおかしくないほどの重大事案だと思うが、マリーダが放逐程度で済んでいるのが不思議でならない。


「マ、マリーダ様。そんなことしてよく首が飛びませんでしたね」


「こう見えても、妾と魔王陛下は乳兄妹なのじゃ。魔王になる前は妹のように可愛がってもらっていた。その婚約も妾が適齢期を過ぎても結婚しないのを心配した魔王陛下が取り計らってくれたものであったのだが……。魔王陛下は妾の好みを知らぬようであった……。一応、相手の家柄が結構良い家だったので、妾が出奔したことでことを収めてもらったのじゃ」


 乳兄妹……。魔王陛下と……。それならば、マリーダの行った行為で斬首されなかった理由にも納得いく。


 処刑を免れたマリーダは、魔王陛下にとって特別な存在であるということなのであろう。


「そういうことでしたか……」


「じゃがな。実家にはもう戻れぬと思う。アルベルトが貴族になりたいというのであれば、妾には叶えてやれぬかもしれん」


 跨ったままのマリーダが俺のお腹の上で『の』の字を書いて落ち込んでいた。


 だが、俺の中ではマリーダの素性は思った以上であったため、急速に脳槽細胞が動き始めていく。


 マリーダの戦の能力はずば抜けており、兵の数こそ少ないが、辺境の田舎城を落とすくらいなら他愛ない実力を持っていることは確かであり、魔王陛下との繋がりがあるとすれば、ひょっとしたら実家に戻れる可能性もあるかもしれない。


 アレクサ王国での俺のバラ色のセカンドライフはほぼ絶望的になった今、残された道はマリーダに手柄を立てさせて魔王陛下の許しを受け、実家に帰参してもらい、入り婿として彼女の実家の一員になる方が出世できる気がしていた。


「マリーダ様っ!! 実家に帰る気はありますかっ!!」


 俺は『の』の字を書いてたマリーダの肩を抱く。


「ひゃあぅ!! なんじゃ、アルベルト急に大声を出しおって。帰れるなら、帰りたいに決まっておろう」


 マリーダがびっくりとした顔で俺を見ていたが、グッと抱き寄せると、実家に帰るための方策を耳元で囁くことにした。


 ヒソヒソと耳元で俺の考えをマリーダに吹き込んでいく。


 全てを話し終えるとマリーダが眼を輝かせて俺を見ていた。


「アルベルト、その策を採用するのじゃ。すぐにとりかかろうぞ!」


「承りました。では、書状は私が準備しますので、誰か信頼できる帝国貴族の方に取り次いでいただくことにしましょう。誰かアテはありますか?」


「アレクサ方面の辺境伯をしておるステファンは妾の義兄じゃ。ステファンから魔王陛下に取り次いでもらうことにいたそう。アルベルトは知恵者じゃ」


 こうして、知識の集積地である神殿で、地理兵書、宮廷儀礼を学び、あらゆる知識に精通し、そろそろ独立かなと思いながら、将来安泰な官僚職への各国からの仕官オファーを待っていた俺のセカンドライフは、異世界で肉食系おっぱいお姉さんの軍師として生きることになった。


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