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「最低限、それだけやってもらえば、あとは全て私がやりますので。それとも、この書類の山を精査しますか?」


 机の上に溜まった書類の束を見たマリーダの顔色が蒼くなる。


「嫌じゃ。字は読みたくない。妾は黙々と印章を打つから、アルベルトが精査するのじゃ。まったく、叔父上もこんなに書類を溜めこむとは。リシェール、印章が曲がらぬように紙を抑えてくれ」


「承知しました」


 書類の精査を嫌がったマリーダが渋々、リシェールに押さえてもらった書類に印章を押し始めた。


 マリーダが仕事を始めたことで、俺も溜まりに溜まっている陳情決済資料の精査を始める。


 ちなみにアシュレイ城は、魔王陛下の居城でエランシア帝国の帝都のあるアラクサラ城と、俺の出身国であるアレクサ王国の王都ルチューンを結ぶ街道である『馬車の大道』上の要衝に立てられた城というのは前述している。


 平時は多くの交易商人が行きかい、城下の街はエランシア帝国の物産を各地に売り捌きにいく隊商の出発点にもなっているのだ。


 けど、エランシア帝国は周囲を敵国に囲まれた国なんで、戦争状態になれば、即最前線の城になるだけどな。


 アシュレイ城以北の一帯はなだらかな丘が続く耕作に適した裕福な土地で、エランシア帝国の食料の八割を生産すると言われる穀倉地帯となっており、その穀倉地帯を守る最前線の城がマリーダたち鬼人族の領地であるアシュレイ城だ。


 紛争状態が頻繁に起こるアレクサ王国も、大軍を率いて帝国内部に侵攻するためには、街道上の重要拠点であるアシュレイ城を落とさなければ、いくさ馬鹿の鬼人族の奇襲や輸送路襲撃に悩まされることは間違いないため、最重要攻略拠点とされているらしい。


 なので、この地の状態を詳細に把握するため、色々と把握に努めているのだが。


 なにせ歴代の前任者たちが事務能力皆無の者たちであり、内政政策の策定に必要な領民数、農村の数、食料の取れ具合といった税収の基礎台帳を作る元となる書類が皆無であるのだ。


 領地からどれくらいの飯が取れるかと農村人口の把握は、動員できる農民兵数が決まるので、早急に行いたい。


 前任者であるブレストに租税関連の台帳資料を要求したら、台帳資料って何? って真顔で言われたときは、思わずグーパンチしてた。


 だが、鬼人族の面の皮は厚いので、俺の手が負傷しただけであった。


 奇声をあげながらリシェールに手伝ってもらい印章を押す仕事をしているマリーダの姿をみてふぅとため息が出る。


 無い物を期待してもしょうがないので、陳情書の精査をしつつ、書類の整理をしていくことにした。

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