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016


「アルベルト、そちは領地経営に興味はあるよな? あるはずじゃな? 妾をコマして領地を手に入れて綺麗な子を侍らせて楽しく過ごすと言うておったのを、夜のベッドで聞いておるからの。妾の領地を経営してみぬか?」


 マリーダが目を血走らせながら、俺に対して領地経営に興味があるかと質問をしていた。


 領地経営には興味がある。ただ、地雷は自ら踏み抜きたくはない。現状、聞いた情報を検討すると地位が宙にブレストの扱いを間違えれば、俺の首が胴体から離れるのは確実であった。


「いやいや、私も領地経営など経験はございませんよ。それにマリーダ様の領地はブレスト殿が平穏無事に治められているようですし、そのまま領地持ちの筆頭家老として地位を保全してあげて、波風を立てることもないのでは?」


 叔父、姪の相克の鉄火場に放り込まれる身の危険を感じ、必死に言い訳もどきをしてみたが、問題はそう簡単にはいかなかったらしい。


 エルウィン家は男爵家とはいえ、アレクサ王国との国境に近い場所に城を持つ領主貴族。


 居城は『アシュレイ城』と呼ばれ、エランシア帝国の帝都とアレクサ王国の王都を南北に結ぶ主要交易路である『馬車の大道』と西側にある大河ヴェーザー河流域に広がるヴェーザー自由都市同盟への街道も整備され交通の要衝として栄えている領地らしい。


 その『アシュレイ城』に現当主としてブレストが自らの家臣を率いて居住しているのだ。


 魔王陛下からの勅許により帰参が許され再叙任されたとはいえ、実家に大迷惑をかけたことで、マリーダの当主としての才覚に危惧を覚えた家臣もあり、その筆頭が現当主ブレストであるそうだ。


 マリーダの父とともにエランシア帝国に付き従い、いくさに参陣すること二〇〇を超え、マリーダに負けず劣らずの武勇を誇るブレスト。


 同僚貴族からは『エルウィンの狂犬』と呼ばれ、敵国からはいくさのたびに槍が敵兵の血で紅に染まることから『紅槍鬼』と恐れられているマリーダ以上の野生動物らしさを持った脳筋であると聞いている。


 そんなブレストですら、マリーダの奔放さは危険に映ったようだ。


 再び当主に据えて今度は取り返しのつかない失態を犯せば、自らが住むべき場所を失ってしまうと感じているのだろう。


 エランシア帝国は大陸で少数部族である亜人たちが、多数を占める人族の迫害から逃れるために寄り集まって築かれた国家であり、亜人が唯一貴族に連なることができる国家であるのだ。この国から住むべき場所を追われた亜人は、国家を捨て山の民になるか、人族国家で下層民なるしか選択肢がない。


 ブレストは、マリーダに当主をさせることで自らの一族がそのような事態に陥らないか不安でならないのだろう。歳を重ねている分、マリーダよりは多少の思慮分別を持っている気がする。


 実際、俺も肉食系女男爵様に領主をさせたら、三日で領地が破綻する気がしないでもない。マリーダは大事な嫁であるが、戦闘と夜のお仕事に関しては頼りになるが、それ以外の分野は脊髄反射の危険性物に近い野生児である。


 そんな野生児の手綱を取り上手く調教して飼い慣らし、領地を発展させていくのが、婿としての俺の仕事であるとは理解しているが……。

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