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カクヨム様にて『異世界転生軍師戦記 ~脳筋女将軍の知恵袋として乱世を生きる~』というタイトルで先行掲載中の作品です。一部表現がなろう様の規約に引っ掛かるため、完全版はカクヨム様の方です。
最新話は下記リンクからカクヨム様の方へどうぞ。
プロローグ
「お前がアルベルトとかいう小僧か。顔立ちは可愛らしい、神官にしとくには勿体ない男じゃな」
赤銅色の肌と額から生えた角を持つ鬼人族の綺麗な女性が、引き締まった身体つきに似合わないボリューミーなおっぱいを左右に揺らしつつ、赤眼の瞳でこちらを値踏みするように覗き込んでいる。
俺は只今、この鬼人族の銀髪赤眼なおっぱいお姉さんによって、絶賛壁ドン&顎クイ中であった。
ご紹介が遅れましたが、俺の名はアルベルト。元日本人で現異世界人の転生者でございます。
不慮の事故が元で、このワースルーン大陸のある世界に転生し、セカンドライフを快適に過ごそうと、叡智の神殿で神官見習いとしてキャリアを積んでいたところだった。
転生時に赤子としてこの叡智の神殿前に放り出されたため、孤児として神殿の孤児院で育ち、有能さを認められて孤児院初の神官見習いまで昇進するのに一五年ほどかかってしまった。
だが、この世界。神官というのは神に仕える者のことも指すが、もう一つ、知識人という見方もされ、各国の宮廷に官僚候補として仕える者も多数いるのだ。
なので、俺は孤児とはいえ、神官見習いという官僚候補生まで昇りつめ、後はどこか大国に官僚として採用され、ウハウハのセカンドライフを送る予定をしていた。
そう、ウハウハなはずなんだが……。
「私に何か御用でしょうか……」
美女鬼人族に壁ドン&顎クイされているが、周囲では神殿を警護している神殿騎士たちが鬼人族によって、次々に討ち取られたり、捕えられたりしてやりたい放題になっている。
「おぬしの噂を耳にしてな。我が情夫として迎え入れようと思い立ち、こうやって訪問したのじゃ」
どうやら鬼人族は俺が目当てでこの神殿を襲ったらしい。孤児から神官見習いまで昇進した俺は界隈で多少有名人だったが、それでも戦闘民族と言われる鬼人族にまで噂が届いていると思いもよらなかった。
「噂とは尾鰭が付くもの。私程度の者なら掃いて捨てるほどおりますぞ。えーっと、名を聞いておりませんでしたね」
「マリーダ。マリーダ・フォン・エルウィン。『エルウィン傭兵団』の頭領をしている。口の悪い奴等は『鮮血鬼』とか『鬼姫』とか、妾のことを呼んでおるそうじゃな」
鬼人族であったためまさかとは思ったが、露出度の高い服を着て、魅惑的なおっぱいを持つ鬼人族の女性は、周辺諸国が文字通り鬼のように恐れる、最強傭兵軍団と囁かれる『エルウィン傭兵団』の頭領であった。
え? 『エルウィン傭兵団』の何が凄いのかって?
そりゃあ、『エルウィン傭兵団』の兵士一人で雑兵百人を屠ったとか、遠くにいた主将を強弓で撃ち抜いたとか、一騎打ちを一合で終わらせたとか、対個人戦闘となれば大陸最強の種族と謳われる鬼人族の傭兵集団は恐怖の代名詞であるのだ。
そんな『エルウィン傭兵団』の女頭領が、俺に会いに来たと言っている。
しかも、壁ドンされてしまっているのだ。
「噂とはあてにならぬものだな。知恵者と聞いておったから、もっと小生意気な小僧かと思ったが、実物を見たら面相は好みだし、身体つきも年齢のわりにしっかりとしておるようじゃ。おかげで妾はもっと欲しくなったぞ。よし、決めた。アルベルトは今より妾の情夫だ。反論は許さぬ」
「ちょ、ちょっとお待ちくだされ。私の意見は無視ですかぁ!」
『鮮血鬼』ことマリーダ・フォン・エルウィンの眼が妖しく光り、艶やかな唇を舌なめずりしながら、壁ドンしていた俺の身体を地面に押し倒してきた。
鬼人族の力は強く、抵抗する暇もなく地面に組み伏せられてしまう。
「妾の情夫となるアルベルトの味見をさせてもらうとしよう。安心せよ。痛くはせぬわ。妾にすべて任せよ」
「いや、ちょっと、こういうことはお互いの意志を尊重してからーー。アッーーーーー!」
俺の大切なこの世界における純潔は、おっぱいお姉さんな鬼人族によって蹂躙されることとなった。
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