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№23 アジトに秘められた謎を発見してしまった!

高校二年の歴オタ主人公・田島錠は幕末にタイムスリップし、「未来から派遣されたターミネーターによる歴史改変の阻止」という途方もない任務を背負わされてしまう。

どんな素人でも剣の達人になれるオートマチック・オペレーション・ソードを手に、新撰組の剣客・沖田総司から気に入られて何かと手助けを受けるようになった錠は、仲間になったツンデレの女剣士・那奈、爆乳の岡っ引き・お涼、クールな密偵・マキと力を合わせ、幕末の京都に潜む凶悪な敵を探し出し、地球を救わなければならない!

 翌日。

 俺とマキは例の幹部らしき侍に顔を見られているし、大勢で出かけても目立つだけだという理由で、お涼と亀吉が丸一日かけて現地を探り、日が暮れてから伊予屋に戻ってきた。


 マキは一旦、投宿している四条橋西詰の旅籠に帰り、焦げ茶色の小袖に着替えて再び顔を見せた。いざという時に動きやすくするためか、下半身だけは曲芸師用の薄青色の股引をはいている。手にした笠を被れば、小間物の行商人みたいな装いだ。


 背負っていた風呂敷包みを部屋で下ろすと、中から様々な道具類と一緒にムササビのハヤタが顔を出した。例の拳銃は、回転式シリンダーの調子が今ひとつらしく、宿に置いてきたという。昨日の戦闘で、シリンダーを侍の刀で打たれたせいかもしれない。


 諏訪神社の総本山である諏訪大社は信濃(長野県)の諏訪湖畔にあるが、全国には多数の分社が存在する。下京の下諏訪町にある諏訪神社もその一つで、平安時代の武人・坂上田村麻呂の建立と伝わっていた。

 五条通りの南、東本願寺の北側で、町屋がひしめくこの辺りは新撰組の管轄地域でもある。


 都には「諏訪」の名前が付いている町が他にもあり、かつてはそこにも分社が建てられていたらしいが、戦乱か、火災か、自然と廃れていったのか、幕末の現時点で社殿は残っていない。

 下諏訪町の諏訪神社は、さして広くもない境内にこぢんまりした社殿と普段は無人の社務所が建ち、特に怪しいところはなかったようだが、隣接する家屋の一つが貸屋になっていた。


 家を所有するのは五条通り沿いの香の専門店主人で、お涼の聞き込みによると、ふた月前から越前藩士の道端瑞雲という儒学者に貸しており、私塾としても使われているという。

 瑞雲は独り身で、背が高く、三十過ぎの身だしなみの良い武士だが、口数はかなり少なく、隣近所との交わりも全くないようだ。


 近所の町人らの話によると、昼間は近在の裕福な商人や広い田畑を所持する本百姓らが聴講のために出入りし、夜になると家を空け、別の場所に女がいるのか、近くにある花街・島原にでも足を運んでいるのか、朝まで帰ってこないことがほとんどだったという。

 ところが、ひと月ほど前から、何日かおきに瑞雲が夜も家に留まり、誰かが複数で尋ねてきている気配があるらしい。


「その道端瑞雲が、昨日マキ殿が尾行していた侍と見て良いのではありませぬか?」

「恐らくそうじゃ。すっと、あいつが狐火なんじゃろうか?」

「いいや、狐火じゃない。背の高さが違う。俺の見た狐火はもっと小柄だったよ」

「どっちにしても、その狐火や組織の主要な連中が密議をこらす場所なんは確かやろな。近所のもんの話では、昨夜も何人かの訪問客があったらしいし、きっと一味の談合が開かれたんや。そしたら、次の談合は数日先。今宵なら家の中は誰もおらへんはず。棟田はん、どないします?」

「夜中に人がいないのなら好都合だよ。相手は手強い。こっちに一人のけが人も出ないよう、戦いは極力避け、奴らが隠し持つ強力な武器をかっさらう。それさえなかったら、狐火たちは都で大きな騒ぎも起こせないし、単なる不逞浪士の集まりに過ぎない。後始末を新撰組や奉行所に任せても大丈夫さ」


 那奈とお涼は相づちを打ったけど、マキはどうも疑問があるらしい。


「狐火たちが持つ強力な武器とは、黒船が搭載してた大筒よりも優れとーんか?」

「大筒なんて、とても及ばない。恐るべき威力を持つ兵器だよ」

「そんな武器の存在、うちゃ聞いたこともなかぞ。佐賀藩は、世界の列強各国の軍事力について、幕府よりも、どの藩よりも早う、詳細な情報ば手に入れとー。そがん我らでさえ知らん武器とは、どがん物なばい?」

「そこから打ち出される〝弾〟は、この世のどんな物でも破壊してしまう。俺たちの想像を絶する兵器……そう聞いている」

「そがん物騒な武器ば作った国は一体どこね?なしてあーたはこがん極秘情報ば知っとるんか?」

「それは………ごめん、詳しくは言えないんだ。でも、ウソじゃない、信じてほしい!」


 俺はマキを見つめ返す。


「マキ殿、先生は狐火やその仲間を相手に、これまで幾度も白刃の下をかいくぐってきたのですよ。伊達や酔狂でできることではありませぬ。その先生が偽りではないとおっしゃっているのです!」

「棟田はんには、あたしらにも知られたらあかん朝廷がらみの後ろ盾がいてはるらしい。藩ていう大きな仕組みに仕えるマキはんやったら、お武家には言うてええことと、あかんことがあるの、わかるんやない?あたしはそう割り切って、棟田はんと手を組んでる」


 那奈とお涼に訴えかけられたマキは、やがてニコリと表情を緩めた。


「わかった。あーたば信じよう」


 こうなれば善は急げだ。俺たち五人は伊予屋を出て、諏訪神社がある下京の下諏訪町へと向かった。


 外はもうすっかり暗くなっている。

 江戸時代、夜間に無灯火で歩くことは禁じられているから、提灯を持つ亀吉を先頭にして俺たちは進む。


 京の都は江戸と同じように町ごとに木戸門が設置され、門脇の番屋に詰める番人が通行人をチェックして治安や防災を担っている。

 もうどの木戸門も閉まっていたけれど、お涼が番人に十手を見せると、横の潜り戸から通してくれる。


 道端瑞雲の借家に着いたのは、亥の刻(午後十時)頃だったろう。この時間に人通りはない。

 二階建て家屋の多い京では珍しい平屋で、玄関の間口は狭い。この当時、一般的な住居に玄関の鍵はなかった。人が中にいれば、夜は戸の桟から敷居に差し込む止め木「くろろ」か、突っかい棒で扉が開かないようして不審者が入ってこないようにするし、人がいなければ扉は開いたままということになる。


 マキが手をかけた玄関の引き戸はすーっと開いた。

 俺、那奈、マキが真っ暗な室内の土間に足を踏み入れ、引き戸を閉める。


 外にお涼と亀吉が残ったのは、万が一瑞雲が戻ってきた場合に備えてだ。お涼が外で瑞雲を足止めし、事情聴取の名目で番屋まで連れていっている間に、亀吉が俺たちに急を知らせ、退散する、という案配になっている。


 しばらくして、室内がパッと明るくなった。マキが風呂敷包みに入れて持ってきたガンドウに火を灯したからだ。ガンドウは忍者が使う道具の一種で、桶状の胴の中にロウソク立てが付けられた携帯型灯火具だ。火種は、短い竹筒に入っていた。


 続けてマキは、持ち歩けるように柄を付けた手燭のロウソクにも火を付け、俺と那奈に一つずつ持たせる。

 これで室内の様子は、かなりはっきりと見渡せた。京町家の特徴は〝鰻の寝床〟と形容されるように、間口は狭くても奥行きがあり、思っていた以上に広い。


 土間の奥には、玄関の間と通り庭がある。

 通り庭は細長い屋内にまんべんなく風光を取り込むための独特の細い土間で、突き当たりの裏庭まで続いている。

 通り庭に沿って、玄関の間、板敷きの台所、奥座敷と続き、縁の向こうに裏庭が設けられ、高さが三メートル近くはある板塀を越えると、そこは諏訪神社の境内になるらしい。


 庶民の住む狭い長屋なんかより数段立派な造りで、中流以上の町人、もしくは大店商人の別邸や隠居所に使われそうな家屋である。


「秘密兵器の具体的な形状は俺も知らない。見てすぐに武器とわかる物はもちろん、使い方のわからないような器物が出てきたら知らせ合おう。時間は十分にあるから、入念に」

「承知致しました」

「わかった」


 俺は座敷、那奈は土間から裏庭、マキは縁側から床下に潜り込んで、何かが隠されていないか念入りに調べていく。


 大方二時間近くは探し回っただろう。結局、武器らしき物は何一つ出てこなかった。


 土間にあるかまどの中も、台所にあった収納用の揚げ板の下も、奥座敷の板壁に下がっていた掛け軸の裏も、およそ怪しげと思われる個所は全て。

 そのうえ、マキが一番背の高い俺にと強く言うもんだから、彼女を肩車して天井裏まで。しかも、むすっとした那奈の冷たい視線を浴びながら………にも関わらず何もない。


 これ以上探す場所もなく、俺たちは一旦奥座敷に集まった。


「ここはまことに狐火の隠れ家なんか?」


 探し疲れ、マキはどすんとあぐらをかく。


「大石があの状況で偽りを申したとは考えにくいのですが………」


 那奈は、ため息をついて肩を落とす。

 俺もくたびれ、掛け軸のかかっている板壁の端にもたれた……と、壁がずりずりっと奥にめり込んでいく!


「わっわっ!?」


 ひっくり返りそうになる俺の両腕を那奈がとっさにつかみ、前に引っ張ってくれる。

 板壁はめり込んでいたのではなく、忍者のからくり屋敷みたいにどんでん返しの構造になっていた。ただし、百八十度クルリと回るのでなく、九十度で止まっている。

 掛け軸の裏側をチェックした時、壁にこんな仕掛けが施されているとは想像もしなかったが、一メートルほど奥に本物の壁があり、板壁の向こう側に隠された部屋や通路がある訳ではなかった。


「こりゃあ、からくりば使うた物隠しばい」


 唖然とする俺と那奈の横に並んだマキが、さらに進んで顔を突っ込み、右側を指差した。

 奥を覗いて右を見ると、そこには大人が二人は寝転がれそうな収納スペースがあり、大型の木箱が二つ積み重ねられている。


 どちらもかなり重く、三人がかりでようやく座敷に引きずり出した。

 マキが懐から、細長いスコップのような道具を取り出した。取っ手の先は平らな鉄製の爪状になっていて、明らかにサバイバルナイフ風の武器だ。


「こりゃあ〝苦無〟ばい。戦う時以外にも、いろいろな使い方があるんや」


 そう言うと、マキは苦無を箱上部の継ぎ目に突き立て、器用に蓋をこじ開けた。

 木のおがくずを緩衝材にして入っていたのは、五挺の洋式小銃。こりゃ重いはずだ。

 もう一個の木箱にも、同じ小銃が五挺入れられている。


 那奈はこういった小銃を初めて見たのか目がテンになっており、マキは険しい表情で腕組みする。

 銃と一緒にこぶし大の麻袋と箱状の紙包みが何個も出てきた。

 マキが麻袋を取り上げ、中から黒い砂状の物をつまみ上げる。


「鉄砲に使う火薬ばい」


 俺は紙包みを開けた。一つの袋には丸い弾丸、また別の袋には小さなボタン状の金属が多数詰められている。この金属……雷管か?

 今度は銃口に手燭を近付け、内部をのぞき込む。


「これって……ゲベール銃だよね」


 弾丸が球状で、銃口の内部にライフリングが施されていないことから推測した俺の言葉に、マキがうなずく。


 幕末の日本でこの時期に海外から輸入されていた最新の小銃はゲベール銃だった。

 基本構造は戦国時代から使われている火縄銃と同じだけれど、発火方式が火縄ではなく、雷管になって飛躍的に扱いやすくなった。

 雷管とは起爆薬の入った金属筒で、これを銃の火門に取り付け、撃鉄が強打することで発火、銃身内の装薬に点火して弾丸が発射される。この方法だと、火縄銃よりも射撃間隔が縮まる上、火縄による引火の危険がないため射手が西洋式戦術に必要な密集隊形をとれる。銃身先端に銃剣を取り付けて白兵戦にも使用できた。


 ただし、この頃の欧米列強はライフリングと呼ばれる螺旋状の溝を砲身内に刻み、椎の実型の弾丸を使うミニエー銃を主力武器にしていた。

 ライフリングによって弾丸に旋回運動が与えられると、ジャイロ効果で弾の直進性が高まり、相手を確実に殺傷できる有効射程は約三百メートル、最大射程は約九百メートルと、ゲベール銃の三倍以上に向上したんだ。


 つまり、列強各国は自分たちが使わなくなった旧式の兵器を日本に高額で売りつけて甘い汁を吸っていた。


 長州藩が軍制を改革し、武士だけでなく農民、町人を含む〝国民軍〟全員にミニエー銃を持たせ、旧式武器主流の幕府軍を撃破した第二次長州戦争が起こるのは、まだ今から二年後のことになる。


「狐火たちは、斯様な飛び道具を使って騒乱を企てていたのですね。見つかって良かった……」

「おいおい那奈、こりゃあ鉄砲で、秘密兵器とは違うぞ……んじゃろう?万太郎」


 ホッとした表情の那奈にマキが釘を刺し、次いで俺を見た。


「うん。こんな物とは比較にならない武器なんだ。ここにないとすれば、一体どこに……」


 キリキリキリ………。


 裏庭がある方向から何かが引っ張られるような音がして振り向いた俺たちは、その場で凍りついた。


 縁側に二つの人影が立っている。一人は立て襟の付いた紫色の陣羽織をまとう若い武士。そしてもう一人は狐の面を被った侍で、半弓を引き絞って俺たちに狙いをつけていた。


「狐火!一体どこから?」


 思わず口から漏らした俺を笑うかのように、狐火が肩を揺らした。


「この家の裏手にある神社は、小舟で行き来できる水路が接していてな。夜人目につかぬよう移動するにはこの上なく便利だ。にしても、河原で殺し損ねたネズミが、とうとうここまでやってきたか」


 中性的な声音が、初めて幕末にやってきたあの日、あの時をフラッシュバックさせる。


 マキが懐に戻した苦無を、さらに那奈が傍らの刀に手を伸ばそうとして、「動くな!」と狐火の鋭い声が威嚇した。

 矢がさらに引き絞られる。

 俺の刀は部屋の隅に立て掛けていて、すぐには取れない。

 陣羽織の武士が、抜刀して俺たちの前に進み出る。


「大石のアジトに踏み込んだのもこの若造なのか?とすると、君の言う通り、鴨川で始末した一人と合わせて、日本は二人同時にこちらへ送れるレベルに達したのだな。我らの計画を察知して、エージェントを二人も送り込んで邪魔しようとは、薄汚いヤープの奴らめ!」


 剣尖をこちらに向けたまま、男は狐火に話しかける。

 こんな風に狐火とタメ口をきいてるからには、こいつも未来から来た人間に違いない。一人とか二人とかいうのは、日本の時間遡行マシンの性能にについてであるのは明らかだ。

 でも、会話の中身が全く要領を得ない那奈とマキは、不安気に俺へ顔を向ける。


「残念ながら、お前たちのお目当てはここにはないぞ」


 狐面の下から、こもった声が再び響く。


「ない?ここはお前たちの隠れ家じゃないのか?」

「隠れ家、というのは正確な表現ではないな、小僧。そもそも我らはここに住んでおらん。この家は、言わば連絡場所。都で集めた浪人たちの中から使い物になりそうなまとめ役を選び、指示を伝える場。確かに、いずれ大勢の浪人に与える小銃や刀槍類も隠していた。ところが、まとめ役の一人・大石がお前たちに目を付けられ、あろうことか捕らえられてしまった。余計な話をせぬうちに口を封じたつもりだが、万が一この場所が漏れた場合を見越して、ほとんどの武器はより安全な我らの住み処に移し替えたばかり。今夜は、最後に残った二箱分の小銃を引き上げて移設完了のつもりだったが、それにしても小賢しい連中だ」

「すると、分子破壊砲もお前たちの住み処にあるのか?」


 秘密兵器の正式名称を初めて口にした俺に、那奈とマキが同時に視線を向ける。


「もちろん。しかし、あの存在まで嗅ぎつけていたとは恐れ入った。まあ、あれこそが偉大な計画を実現させる肝ではあるのだから、知っていて当然か」

「偉大な計画だと?薩摩藩の要人を殺すことがか?」

「ふん、下等なお前たちにはわからぬ」

「くそっ……」


 分子破壊砲は運び出された後だった………。となると、また振り出しに逆戻り。狐火の住み処を特定しなければ、見つけられない。

 そして今はそんなことよりも、このピンチをどうやって脱するか。相手は二人だけとはいえ、こっちは矢と刀で動きを封じられている。でも、家の表にいるお涼と亀吉が加勢してくれれば。


 ガタン。


 表の扉が開く音がした。

 長い時間待ちくたびれて、お涼たちが入ってきたんだ。


 ガンドウと手燭は全てこの奥座敷に置いているから、玄関の方向は真っ暗でよく見えない。でも、複数の人間が土間から玄関の間に上がってきたのは足音でわかった。狐火たちの注意が逸れた瞬間を見計らって、刀を取り、反撃しなければ。

 俺が那奈とマキに目配せすると、二人とも俺の意図を理解して小さくうなずく。


 が、近付いてくる足音がやけに荒っぽい。しかも二人以上で、何かを引きずるような音もする。狐火と陣羽織の男は、慌てる素振りもなく平然としている。


 バタン!


 暗闇の台所から、突如として人が投げ込まれた。それも二人。

 お涼と亀吉!


 二人とも気絶したまま畳の上に転がっている。


 続いて姿を現したのは、祇園社で逃がした上士風の侍と、新顔の浪人二人。


「戻ってくれば、家の前でこの口問いどもに何やかやと誰何されてな。不審に思って当て身を食らわせ、中に運び込んだのだが、家の中にまでこんな先客がいたのか。若造と物売り女、また会ったな」


 侍が俺たちを見下ろし、ニンマリと笑う。


「瑞雲、祇園社で信八たち三人に手傷を負わせたのも、こいつらなのか?」

「ああそうだ」


 瑞雲と呼ばれた侍からそう聞いた陣羽織の男は激高した。


「ならば全員、生かしてはおけぬ。どうせ裏手の水路から小銃を猪牙舟に乗せて七条まで行き、高瀬川の内浜で別の舟に移し替えるのだ。この場で殺した後、死体を簀巻きにして一緒に運び、内浜の川底に捨てる。それでよかろう?」


 狐火と瑞雲に同意を求め、二人がコクリとするのを確認し、陣羽織の男は俺の胸に切っ先をピタリと付ける。合議して物事を決めているこの三人こそが、未来からやってきた暗殺者、ターミネーターなんだ!


 配下の浪人二人もそれを見て刀を抜き、同じように那奈とマキの胸を刺し貫こうとした。

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