獣化ウイルス5話ー裏切りー
2020年 8月21日
章弘はみんなより遅く起きた。
章弘以外のみんなはリビングにいき朝食をとっていた。
「章弘くんおはよう」
後ろからおじさんが挨拶したため、章弘はびっくりした。
「おじさん、おはようございます。」
章弘はみんなと同じく朝食を取り始めた。
「昨日は東京で緑の霧が発生し、霧の犠牲になった方は獣化ウイルスに感染するものと判明しました。そして、丸井官房長官、花塚総理大臣に陽性反応がありました。 続いてのニュースです・・・・」
ニュースでは、政府関係の人が感染してしまったようだ。
章弘たち7人は生存者が自分たちだけということに罪悪感があってあまり朝食を食べてないことが皿にたくさんのご飯が残っていることからわかる。
「おじさんはこれから仕事場に行くからね。あっ、どこか行くなら合鍵と、10万円渡しとくから観光とか楽しんでね。」
おじさんはそう言って、スーツをきて行ってしまった。
「観光できるなら、城に行ってみたいかな。」
比奈がそう言うとみんながそれいいねという反応を示した。
「この県の城は初めて行くから楽しみだね。」
5人グループのリーダーである「秋元 太平」は言うと、松山城へ行く準備をした。すると、
「郵便です!!」
玄関から郵便の人の声が聞こえた。章弘は、玄関の少し重めのドアを開け反応した。
「これを直久(叔父の名前)様へお届け物です。」
郵便の人から受けると、英語の手紙が届いていた。そして、そこには題名があった。
『Beast virus explosive
About recipes and handling of virus samples』
『獣化ウイルス爆発物
レシピとウイルスサンプルの取り扱いについて』
英語は7人にはわからなかった。でも「virus」があることで嫌な予感がした。
「章弘、おじさん大丈夫なのか? 明らかに危険物だぞ」
5人グループの一人がそう言った。
「詳しことはわかんない。でも、もしかしたら・・・」
章弘たちが玄関で話していると、
「ごめんごめん、忘れ物しちゃった。ああ、受け取ってくれてたのかありがとう」
叔父は何か深刻そうな顔つきで、その手紙を持って行った。
章弘たちは、深刻そうな叔父の顔を見て、嫌な予感がしたことが、観光の時間が始まった。
城に行くために、まずは、市内の電車に乗った。
「多分ここから大街道前のところで降りて、大街道の逆へ行けばロープウェイの駅に行けるよ。」
章弘は、6人に教えて、大街道前へ降りた。大街道は夏休みもあってか人がたくさんいた。
7人は、大街道の逆の道を通り、城へ行った。城は、山上にあり、麓は涼しい緑の木々に覆われていた。
7人は頂上につくと、
「こんなに広いんだね。松山市って、意外と都会なんだね。」
比奈がそう言った瞬間
「ねぇ、あれ見て、松山市駅のところから緑の煙があるぞ」
地元の人なのだろうか学校の制服を着た青年が友達に指を指して説明している。
「章弘、まさかだけど、また、逃げないといけないのかな。」
比奈が言うと、風は向かい風になってしまい、煙がこっちに来るような方向になってしまった。
「おい、ここは山だぞ。それに霧の大きさ的にも大丈夫な気がするが、どうする。天守に登るか?」
太平が言うと、
「君たち、どこから来たん? あの緑の煙ってなんなん?」
制服を着た青年が言った。
「東京から来ました。 あの霧はおそらく、ウイルスだと思いますよ。」
比奈が言うと、青年たちは驚いていた。
「東京かぁ。ええなぁ。 ここの天守は走ったら5分でつけるよ」
そう言い、青年を合わせて9人で天守へ登った。
霧が城まで到達し、天守の下にいた人たちから悲鳴が聞こえた。
「あついあついあつい。誰か助けてくれ!! 息ができんのよ」
一人の男性が言うと、そこにいた観光客は次々と倒れて行ってしまった。
天守の下がちょうど煙の最高地点だったようで、天守までは登ってこなかった。
章弘は、スマホで叔父に連絡を取る。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・おかけになった番号は現在電波が届かないところにあるか電源が入っていません。」
電話からこの声が聞こえた時、叔父のメールがきた。
「今どこにいる?これから迎えに行くから教えてくれ。」
叔父からそう言われ、城にいることを伝えた。
しばらくすると、
「バラバラバラバラ」
ヘリの音が聞こえた。すると天守の入り口に武装した人たちがいた。
「〜〜〜〜〜〜〜」
何か言っていると、
「パン」
と音が聞こえた。
すると、下から章弘たちのいる部屋に何か投げられた。しかし、何もなかった。すると、
「動くな!!! 動いたら殺すぞ!!」
軍ではない武装グループが小銃を章弘たちに構えた。
すると、奥から
「正直に言ってくれたありがとう。君たちをこれから東京へ連れて行く。行っている意味わかるね?
街にいる人たちは全員が感染。君たちはここにいるから感染しなかった。」
章弘たちは叔父を睨んだすると、
「なんでこんなことができるんですか。東京の緑の霧もあなたたちがやってるんですか?」
青年が言うと、
「そうだね。僕のグループが東京にやったみたいだね。1本だけど、分ければ2本作れるんだよ。」
青年は、怒り、殴りかかろうとした。すると、
「バスッ」
青年の腹に緑色の何かが入った注射器が打たれていた。
青年は、顔を硬らせながら倒れてしまった。叔父は
「獣化ウイルス事態も僕たちのグループが作ったんだよ。あのウイルスに治療薬は存在するよりも、容姿が変わるだけで3日もすれば容姿だけが動物になってウイルスも消えるんだよ。」
と笑顔で言われた。すると僕たちは、男の人たちに両手に手錠と頭は黒い袋で覆われ視界を奪われ、気絶した。
あれから何時間立っただろうか
「東京にもすぐ着きます。着いたら9人を離脱ですね。」
「ああ。そうだ。章弘たちの家の近くにある公園に降りて、9人を解放する。」
章弘は目を覚ますと、見慣れた公園にいた。それも時計が23時を回っていた。他の8人も目が覚めると、6人は見慣れている光景にびっくりし、2人は初めての光景にびっくりしていた。
「なんで俺たち、東京にいるんだよ。」
太平が言うと、
「ここって東京なんですか?」
青年2人がそう言った。
「ここが東京の代々木だよ。」
太平は、2人に今の状況を話し、理解してもらった。
「だから、今この東京にいるんですね。」
青年たちが納得したように言った。
すると章弘は自宅へ向かって走った。
8人も後ろから追いかけ、章弘は家のインターホンを鳴らした。
「はーい」
と姉の声が聞こえた。
『おねえちゃん!』
と言おうとしたら、姉はトカゲのような容姿になっていた。すると、
「章弘! 無事だったのか。」
そして、姉の後ろからカンガルーの容姿をしたお父さんがいた。
「お姉ちゃん、お父さん! ずっと会いたかったよお」
章弘はそう言うと、お母さんがいた。
「帰ってきたの? そして、後ろの2人は?」
お母さんは意外と、すんなりしていた。
章弘は叔父に裏切られて東京に戻ったこと、2人は、愛媛県の人と言うことを教えると、
「章弘!俺たちは家があるからこの2人の面倒みてくれ。」
そして、太平たちが自分たちの家に向かって全力疾走していた。
章弘は家に入り、自室に2人を連れて行った。
「とても綺麗だね。」
青年がそう言うともう一人の青年が
「東京って、めちゃうるさい感じだけど、ここはあまりうるさくないね。」
3人は世間話をして、寝ることにした。
8月22日
朝起きて、リビングのテレビをつけると、
「・・・・・・続いてのニュースです。愛媛県で先日、東京で発生したバイオテロと同じ犯行がありました・・・・・・・・」
狸のニュースキャスターがそう言うと、後ろからお父さんが抱きついてきた。
「3日もすればウイルスがなくなるみたいでね。陰性だから安心して。」
とお父さんが言った。章弘は、そんなお父さんの腕に頬を当てて
「モフモフしてるね」
章弘は涙を流しながら、お父さんの腕を持っていた。
ー次話に続くー