揺蕩う星空の夢
指先で回していたペンがノートの上に落ちた。ふと机の隅に置いてあった時計に目を移すと、既に日付は変わっている。今日もまた行き詰まってしまった。夏休みに入ってから毎日のように、受験に向けた勉強に明け暮れている。何も楽しくない。すっかり勉強に飽きて、集中力も日に日に落ちていっている。こんな日があと何十日も続くのかと思うと、吐き気がしてならなかった。
僕は現在、受験の真っ只中にいる。志願したい高校は両親に猛反対され、勝手に決められた志望校は僕の興味のない科目を専攻する進学校だった。それを知らされてから勉強に対するやる気はすっかり失せ、貴重な夏休みを着実につまらない日々として過ごしている。今夜もまた、我慢の限界に達していた。
大体、この部屋だって窮屈だ。見飽きた壁と参考書の背表紙、スタンド式のライトは机の上に開かれたノートを照らしていた。そこには数式がびっしりと埋め尽くされ、隣に並べてあった参考書にも蛍光ペンで重要な文章をマークしている。何度見ても面白味を一向に感じさせない。そして同時に、こうもペンが走らないようでは、僕が机に向かっている必要性も感じなかった。
――とにかく外に出たい。無意識のうちにそう思っていた。
扇風機の風に当たって部屋の壁を見つめるよりも、夜風を浴びながら真っ暗な海を眺める方が、僕にとってよっぽど有意義に感じられる。限られた時間の有効活用と言ってもいい。窮屈な場所ばかりにいても、息が苦しくなるだけだ。
そう思い至った僕は部屋を出て家族の皆が寝静まっていることを確認し、玄関で足にサンダルを引っ掛けてこっそりと家を抜け出した。夏休みに入ってからは既に常習犯なため、その辺りはもう手慣れている。外は驚くほどに静寂だった。昼間の喧騒は果たしてどこへ消えたのだろう。きっと夜の海風に攫われて、異国へ旅立ったに違いない――そう考える僕の心は、少しだけロマンチストになっていた。
コンクリートの防波堤を抜けて階段を降り、柔らかな砂浜へ足を踏み入れる。サンダルに細やかな砂が入り込むが気にしない。普段と変わらない足取りで海辺に近づいていく。引いては押し寄せる波の音だけが、静かに砂浜を支配していた。
僕は適当な場所で腰を下ろし、黒い海の果てを意味もなく眺める。海と空の境界線上には、無数の星々が煌めいていた。白銀の欠片は砕け散ったガラスのようで美しい。いつしか暗闇の海を見飽きた僕は砂浜に寝転がり、数多の星が瞬く世界を眺めていた。昔に見たプラネタリウムよりも遥かに綺麗で、何より幻想的だ。こうして本物の星空を見るのは、夏休みに突入して以来である。勉強尽くしで空を見上げる機会なんてほとんどなかった。
閉塞感しかないあの家は嫌いだ。僕の望まないことばかりを押し付けてくる。一方的に与えられた未来に、一体何の価値があるというのだろう。敷かれたレールを歩くだけの将来はきっと、二等星の瞬きにすら届かない。これからの人生に希望や期待を抱けないから、勉強にも身を入れられないのだろう。そんな日が長く続き、今に至る。
――ああ、余計な思考はやめよう。せっかくの気分転換が台無しになる。今は眼前に広がる美しい星空を堪能すべきだ。しかし不思議なことに、大好きだったはずの星々がどこか遠くに感じる――。
「……ん?」
ふと――どこからか砂を踏む音が聞こえた。この砂浜には僕しかいないはず。もしかして家を抜け出したことが親にばれたか? 急に僕は不安に駆られ、慌てて上体を起こして音のした方に視線を向けた。そこで僕は息を飲む。
女の子が立っていた、それも僕とさほど歳の変わらないような少女が一人で。まず目に付いたのは、胞子のような形をした真っ白い髪の毛だった。そして夜風に揺れる、これまた白いワンピース。骨のように細い手首には液晶型の腕時計を嵌めている。瞳の色は恐らくエメラルドグリーンだ。体つきも華奢でどこか儚げない。抜群と言えるほどに印象深い容姿だが、全体的に色素の薄い少女だった。
彼女は僕の目を見て、ついに口を開いた。
「こんばんは」
「こ、こんばんは……」
声もまた酷く透き通っていて、僕は危うく聞き逃すところだった。驚いて詰まりかけた言葉をどうにか吐き出す。
「何をしているの?」
困った質問だ。どう答えたらいいのだろう。地獄のように続く受験勉強が嫌になって家をこっそり抜け出してきた、と愚痴にも似た本当のことを言ったところで、相手には全く関係のない話だ。僕はそんな情けない話をするのが面倒になって、少し誤魔化すことにした。
「……星を、見に来た」
緊張のせいか声が掠れて辛うじてそう答えるも、彼女はうんともすんとも言わずに、じっと僕の顔を見つめていた。反応に困った僕は視線を逸らし、何もない海を眺める。
「星が好きなの?」
彼女の問いかけは終わらない。僕は真面目に答えるのが嫌になり、再び適当に言葉を返す。
「まぁ、そんなところ」
黙ると質問責めされそうだったので、今度は僕の方から訊ねる。
「君は家に帰らなくてもいいの?」
「うん、今日は外に出てもいい日だから」
彼女もまた何かが嫌になって、どこからか逃げ出してきたのだろうか。そう考えてしまうのは僕と年頃が似ているせいか、それとも彼女の特別な容姿に何らかの問題があると勝手に思い込んでいるせいか――どちらにしろ、僕には関係のないことだった。少なくとも彼女の外見に何かしらの事情があることに違いないが、僕はあえて何も訊かないことにした。
「不思議だね」
訪れた沈黙を破ったのは、やはり彼女の方からだった。
「何が?」
「私の格好について何も訊ねてこないことが」
彼女にとっては疑問に感じることなのだろう。確かに好奇心が有り余る人や無作法な人であるなら、訊ねずにはいられないはずだ。だが、ある程度の常識を弁える人であるなら口を閉ざすことを選ぶ。僕でもそれぐらいは判別できる。
「一般的な認識だと、私の格好はおかしいみたいだから。どうしてそんな姿なのって訊かれると思っていたのに」
「逆にそういうのは察して何も訊かないのが普通なんだよ。相手の事情を根掘り葉掘り訊いて知ったところで、本当の苦しみは当人にしか分からないことなんだから」
ほんの一瞬返答に困るも、言葉は意外と滑らかに零れ落ちた。本心に近い答えだと思う。そうでなければ、何も深く考えずに出てきたそれに理由がつかない。だからこそ、締め付けられていた心が緩み始めている証拠でもあった。
「知ってる、そういうのを大人びた考えだって言うんでしょう?」
「それは大きな間違い。ただ諦めているだけだよ」
そう口にして僕はすぐに後悔する。思わず本音が零れてしまった。そんなこと、出会って数分の彼女に向けて言うべきことではない。妥当な返事として、「そうかもね」と適当な相槌を打つべきであった。案の定、彼女は首を傾げて「何に?」と訊いてくる。
「色々だよ」
「色々って?」
「色々は色々だよ。一言じゃ表せないぐらいに」
彼女に視線を向け、少しムキになって答えると彼女は萎れた花のように俯いてしまった。今にも泣き出しそうな顔で。気が立って八つ当たりをしてしまったことに罪悪感を覚えつつ、僕は素直に謝った。
「ごめん、ちょっと言い方が強かった」
「いえ、こちらこそごめんなさい。私、上手く考えられない人だから、よく分かってないの」
答えの意味が分からなくて僕も返事に困ってしまう。再び視線を海に戻しつつ、僕は気まずい空気を紛らわすように言う。
「まだここに居るつもりなら、座ったら?立ったまま話すのは疲れると思う」
「……うん」
余計な提案をしてしまったように思えるが仕方ない。このまま家に帰ろうにも気が進まないのだ。彼女に居座り続けられることを考慮しても、上から見下ろされるのはどうも落ち着かなかった。
彼女は言われた通り僕と少し離れたところに腰を下ろし、膝を抱えて僕の方に視線を向けた。
「何を訊いたら怒らない?」
彼女はついに質問の方向性を変えてきた。本当に変わった人だ。疑問を投げかけることを前提に話が進んでいる。自分のことを話すよりも、他人のことを訊きたい性格なのだろうか。僕からしてみれば一番苦手とする人物だった。
「……星に関することなら」
しかし自身に関係のない内容であれば、大抵は許容範囲として捉える。元来、何かと詮索されるのを嫌う性分なのだ。あれこれと訊かれるのは、どことなく尋問されているようで気分が悪くなる。
「星って、あれのこと?」
「それ以外に何があるのさ」
水平線上に浮かぶ白銀の星々に指を差す彼女に、僕は半ば呆れながら頷く。
「えっと……じゃあ、星って何からできているの?」
戸惑いながらも漠然とした質問が返ってきて、僕は面を食らった。もっと具体的な内容――今は何の星座が見えるとか、中でも赤色に輝く星は何という名前なのか、てっきりそういったものが訊かれると思っていたのに、予想が大きく外れたからだ。だが知らないことではないので、質問には答える。
「基本的には、宇宙に浮かぶ塵やガスが集まって作られる。そこからは星の規模にもよるけど、大きいものの大半は核融合や分裂によって形成されているんだ。水素から始まって、ヘリウム、炭素や鉄などを纏って球体を成していく。その間にも爆発なんかで変形していくし、もっと複雑な工程もあるらしい。まあ、学校の図書室にあった図鑑を読んで知ったことだから、あんまり詳しくは覚えてないけど」
長々と話したつもりはなかったが、彼女には理解し難いものであったらしい。「……難しいね」と答える彼女の声には困惑が滲んでいた。対して僕は「学問っていうのはそれが普通だからね」と謙遜することなく言った。それ以前に、僕の説明が下手であったかもしれないが。元々は口下手な方なのだ。
しかし彼女はそれで諦めようとはせず、次なる問いを投げかけてきた。
「星って全部同じ色や輝きを持ってないの?」
「肉眼とかで見える星は恒星と言って、星自身が燃えているんだ。要するに、太陽と同じもの。中には恒星が放つ光に反射して見える惑星――金星や火星とかもあるけどね。そういった太陽系の惑星を除いた、ああいう星々の距離は果てしなく離れていて、人間が体感できる単位で表すと何億光年と離れている。現代の科学技術を駆使しても、人間の寿命だけでは決して到達のできない距離と考えればいい」
「そんな離れているのに、どうして星が光っているって分かるの?」
「光は見えるんじゃなくて、届いているものなんだよ。雷があるでしょ? あれだって光を発して人の目に届いているから、見えていると感じているんだ。光には速さという概念がある。恒星も一緒で、自ら発する光をこの地球まで届かせているんだ。それこそ、何億光年という時間をかけてね」
「んーと……?」
「だからつまり、こうして見えている星々の光はとんでもなく果てしない時間を経て、ここまで届いているの。恒星そのものが光っているように見えるのは、あくまでその光がここまで届いているだけに過ぎないんだ」
できるだけ噛み砕いて説明を試みたが、彼女は頭を抱えて唸っているだけだった。理科系の科目に詳しくなければ理解のしにくい内容ではあると思う。だが、光の速さや恒星については授業で習う範囲のはずだが――もしかすると、彼女は特質な容姿のせいで学校に行けていないのかもしれない。そう考えると、的外れなコミュニケーションにも合点がいった。ただ単に、その科目に疎いだけかもしれないが。
「私にはそういった類の話は向いていないみたい」
「興味がないと難しい内容だとは思うけど」
「でも知らないと勿体無いと思うの。あれはきっと美しいものだから」
彼女の言葉に僕は引っかかりを覚えた。自身の価値観を客観視しているように思える。物事をそういう風に捉えるのは結構だが、芸術的感覚には主観的であっていいはずだ。美しいと感じればそれが正しいのだ、例えその対象が歪んでいたものとしても。
「君の行動原理はどこか変わっているね。まるで美しいものを知るべきだと思っているように見える」
「だってそれが私の――」
何かを言いかけて彼女は口を噤んだ。これ以上口走ってはいけないと悟ったかのように。僕はそれに気が付き、何も訊き返そうとはしなかった。またしても気まずい空気が漂う。だというのに、海風はそれを攫おうとはしてくれなかった。
「私には分からないの」
囁くようなか細い声が少し震えているように聞こえたのは気のせいだろうか。
「何を選び取ればいいのか。分からないからずっと問いかけているのかもしれない」
彼女は恐らく迷子だ。僕と似た境遇と立場にいる者、人生の岐路に立たされている証拠。姿はまるで違うのに、どこか共感を覚えてしまうのは何故だろう。僕と同じ人間と思えてしまうのは何故だろう。考える――深く、深く。そして気付く。
――ああ、僕は寂しいのかもしれない。孤独が胸を締め付けているからかもしれない。どこにも行けなくて、決められた人生に囚われて、望まない将来に導かれて――吐き出したい、逃げ出したい。鋭利な苦しみが胸を刺す。どうにか押し殺していた感情が傷口から零れ落ちる。
「……一緒だね」
「えっ?」
「僕にも分からないよ。でも、選び取る権利ぐらいは自由にあっていいはずだ」
そうでなければ人間に意思など存在しないも同然だ。これを行使するのが人間であり、そうあるべきなのが人間としての骨頂だと思う。
「星には無限が詰まっているのに、僕達人間には限られたものしか手に入れられない。だけど、どうしてだろうね。あの星々のように、数ある選択肢を自由に選べる権利がないんだよ」
一度吐き出した言葉は止まらない。濁流する河川のように、次々と勢いに乗って胸の内から溢れていく。
「僕の父さんは研究者なんだ。今話題のクラゲの細胞を使って人工の生命を作り上げる最先端の医療技術、あれを発見した上にその第一責任者でもあるんだよ。そんな偉い人だからさ、周囲の期待も凄くって。家族や親戚、学校の人からはお前は研究者になって父親の研究を引き継げって言われてる。僕は別に、生物学なんかに興味もないのにさ。勝手に僕の人生を決めつけられて、将来は明るいねって周りからは疎まれて、つまらない勉強ばかりをさせられて、何も嬉しくないし楽しくない」
瞼の裏が熱い。視界が滲んでいる。情けないことに、僕は泣いているようだった。
「僕はただ選びたかった。自分の意思で将来を決めて、自分の意思でそれに向けて努力をして、自分の意思で生きていきたいんだ。誰かに作られた人生を歩くなんて、まっぴらごめんなんだよ」
決して誰にも言えなかった自身の思いを、会って間もない彼女に打ち明けてしまった。生まれてから一度も経験したことはないが、恐らく愛の告白よりもずっと重苦しくて痛みを伴うものだと思う。だからだろう、今でも胸が苦しくて涙が止まらない。積み重ねられてきた様々な感情が、過去の記憶と共に崩壊していく。これを塞き止める術を僕は知らなかった。
「――大丈夫」
鈴の音を転がしたかのような澄んだ声と共に、僕の頰に冷やかな温度が触れた。僕はゆっくりと顔をそちらに向ける。未だに瞼の下から溢れる涙を落とすと、白くて細い滑らかな何かがそれを優しく拭った。その正体が彼女の指先だと気付くまで、僕は数秒の時間を要した。
「あなたの想いは、ちゃんと私の胸に届いているから」
触れる指先が冷たくて心地良い。彼女の言葉さえも胸の内に染み込んでいく。僕はいささか高ぶっていた感情が落ち着いていることに気が付いて、ふと我に返った。
「……ごめん。僕のことなんて君には全く関係のないことなのに」
「いいの、私には聞くことしかできないから」
無表情であったその顔に、今はほんのりと憂いが帯びているように見えた。もう十分に慰めは受けた、これ以上は受け取れない。僕は乾き始めた涙を乱暴に手の甲で拭い、その手で制してそれとなく彼女の指先から距離を取った。
「だけど、私でもあなたの想いは理解できる」
「同情はいらない」
「違う、私もきっとあなたと同じ運命だから」
声が震えている。その証拠に、彼女は自身の腕を掴み、視線を砂浜に落としていた。
「あなたはまだ、自分の人生を変えられる。生まれた意味を持った、真っ当な人間だから」
「どういう――」
意味なのか、そう訊き返そうとしたが、彼女の腕時計から放たれた何かを知らせる電子音によって妨害された。
「ごめんなさい、もう帰らないといけないみたい」
腕に嵌めていた液晶の画面を覗いた彼女は申し訳なさそうにそう言い、立ち上がって僕から離れた。彼女の背中にはワンピースの波が揺れている。そして、顔だけを振り返って彼女は言う。
「でも覚えておいてほしいの。世の中にはクラゲの細胞が無ければ生まれてこなかった生命もあるということを。同時に、それが無ければ生きていけないということも」
その瞳には星の瞬き以外に、果たして何が映っていたのだろう。僕の目ではそれを見つけることができなかった。
「私はそれを知っている。じゃあ、さようなら」
別れの挨拶と意味深な言葉を残して、彼女は砂浜を駆けて行った。すぐにその背中は闇の向こうに消え、足音も細波に掻き消される。僕は彼女を追いかけることもできずに一人取り残され、砂浜に倒れ込んだ。
今更だが夢のような出来事のように思えてきて、心が浮遊感に囚われていた。身は鉛のように重く、今にも砂浜に沈んでしまいそうなのに、心はそれこそ海を揺蕩うクラゲのようで。そのまま波に攫われてしましそうで、どことなく胸が騒めいていた。
いい加減、決断すべきなのだろう。覚悟を決めて腹を括るべきなのだろう。思索に耽る――そして僕は、暫くの間夜空に散らばる懐かしい星々を眺め、夜風に寒気を覚えながらついに家へ帰ることにした。
――次の日、新聞の見出しに記載されたのは、父さんが勤める研究施設から発表された研究成果であった。どうやら試験体として作られた人工生命体の稼働が成功したという。人間に模した体と神経の確立、人らしい感情や思考のパターンが完成し、実際に一般人とのコミュニケーションも取れたらしい。改良の余地や課題は多く見受けられたそうだが、これからの医療を支える技術の一つとしてようやく第一歩を踏み出した、と大々的に取り上げられていた。そして、試験体の写真がモノクロで載せられている。
僕はそれを見て全てを悟った。父さんは間違いなく知っている。僕が彼女と接触した一般人であることを。それを図ったのも、恐らく父さん本人であることを真っ先に気付いた。だが僕も父さんも何も言わなかった。いや、言う必要がなかった。
彼女が最後に残した言葉には色んな意味が込められていたのだろう。僕にはそう感じた。だから、僕は決めた。研究者になることを。他人から与えられた意思でもなく、自身が決めた選択肢によって生きていくことを。父さんとは違った成果を残し、誰かのために役立てたいと心の底から思える。それには知識が必要だ。例えつまらない勉強だろうと投げ捨てない。自身の力と意思でやるべきことを見出していく。
未来は依然としてどんよりと暗いが、昨日までよりかは幾分か、星々の煌めきがあるように思えた。そこへ到達するには途方もない時間をかけることになるだろうが。
終わり